山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

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○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。よろしくお願いいたします。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案、長いですね、いつも、略して風営法改正案について質問いたします。

まず、山谷国家公安委員長にお伺いいたします。

この改正案、ダンス営業やクラブ営業の規制緩和を求めるダンス文化推進議員連盟の皆さんの活動や政府の規制改革会議のダンス営業に係る風営法規制の見直しに関する意見などをきっかけにしたものということですが、大臣、今回の法改正の目的は規制緩和ということでよろしいでしょうか。

 

○国務大臣(山谷えり子君) この法案が成立すれば、ダンスホール等営業の規制対象からの除外、特定遊興飲食店営業の制度の新設、風俗営業の営業時間制限の緩和等の規制緩和がなされることとなることでございます。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

今回の法改正、風俗営業3号の391店舗、四号の140店舗について、また深夜の営業時間の延長などについては規制緩和だと思います。

一方、全国に約27万7千店ある深夜酒類提供飲食店でダンスを含む遊興を客にさせる場合は新たに特定遊興飲食店営業の許可制となります。現行法32条で飲食店での深夜の遊興は禁止されていましたが、罰則はありませんでした。今回、許可制となることで、無許可営業は2年以下の懲役又は200万円以下の罰金の罰則が付くことになりました。これは明らかに規制強化、私は、今回の法改正は規制強化だと思います。

警察庁、全国27万7千店の深夜酒類提供飲食店など現に営業している店の中で、今回の法改正によって新たに特定遊興飲食店営業の許可を申請する店は何店くらいになると見込んでいますか。

 

○政府参考人(辻義之君) お尋ねの数字につきましては、私どもとして承知をしておらないところでございます。

 

○山本太郎君 承知していないってびっくりですよね、これね。どれぐらいの人たちが次、許可制になるのかということも考えていない、計算していない、理解していない。

憲法22条は職業選択の自由、すなわち営業の自由を保障しています。憲法21条は一切の表現の自由を保障しています。

警察庁、今回の特定遊興飲食店営業の許可制が憲法22条違反、憲法21条違反とならない理由、明確に説明してください。

 

○政府参考人(辻義之君) 今回の特定遊興飲食店営業に関する規定でございますけれども、これは、現在、深夜において飲食店営業を営む者は深夜において客に遊興させないこと、このようになってございます。

今回、深夜において客に遊興させることというものを認めるに当たりまして、やはり遊興させることに伴いまして、酔客による迷惑事案等々、風俗上の問題が生じるおそれがある、実際にそういうものがあったわけでございまして、そういったことから、こういった問題を起こさせないような規制を一方でやりながら遊興をさせる、そのためにまた影響がないように地域を限定するということでございまして、これは営業を認める中で必要な範囲内での規制をさせていただいているというふうに理解しているところでございます。

 

○山本太郎君 ざっくり過ぎてよく分かんない。

今回の法改正が憲法違反とならないようにするには、深夜の酒類提供飲食店に対して無許可の遊興を懲役2年以下又は200万円以下の罰則を付けて禁止する明確な根拠がなければならないと思います。

警察庁、この憲法違反になるかならないか、法律違反になるかならないか、その分かれ目である遊興という文言について、なぜ法律の条文で定義しないんですかね。明確な定義がなければ、これ、憲法31条の罪刑法定主義に反することになると思いますけれども、いかがですか。

 

○政府参考人(辻義之君) 遊興という言葉につきましては、これは昭和59年の改正で32条の第一項第二号に規定されたところでございまして、その際にも、この遊興というものはこういうものであるという御説明をさせていただきました。その内容につきましては、解釈運用基準の中で明定をさせていただいていると考えておりますけれども、今日の御議論で更なる明確化ということでございますので、今後はそれには努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 

○山本太郎君 もう前にそれ記してあるんだからいいんだよと言うんですけど、今回、特定遊興飲食店営業というところが許可制になって、その中が27万7千338件もあるというのならば、その遊興ということに対してしっかりと定義する必要ありますよ。大きく網張って、警察の恣意的な裁量で定義決めていくんでしょう、これから。あり得ませんよ、そんなの。金銭で抱き込まれてこっちは取り締まるけどこっち取り締まらないみたいなことが現場レベルでも起こり得るんじゃないですか。最初に定義するということ、非常に重要だと思います、必要だと思います。

そこで、私は、今回の法案に対して修正案を提出いたします。お手元に資料を配付させていただきました。遊興という文言について風営法上で定義をするものです。風俗営業及び特定遊興飲食店営業に係る遊興とは、異性間における享楽的雰囲気その他の享楽的雰囲気において遊び、興じることであって、その雰囲気が過度にわたる場合には善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすこととなるおそれがあるものをいうものとすることとしましたが、この文章、私が勝手に書いたわけじゃないんですよ。警察庁関係者による風営法解説書、警察庁の国会答弁、風営法第一条の目的規定を参考にして、参議院法制局の皆さんに取りまとめていただいたものです。警察庁が付け忘れた遊興の定義、付けさせていただきました。是非、委員の皆様の御賛同、賜りたいと思います。お願いします。

この修正案の最初の部分、「注解風営法Ⅰ」という解説書にある、遊興とは主として男女間における享楽的雰囲気を楽しむことをいうという文章を参考にしました。警察庁、私の修正案の遊興の定義、すなわち、風俗営業及び特定遊興飲食店営業に係る遊興とは、異性間における享楽的雰囲気その他の享楽的雰囲気において遊び、興じることであって、その雰囲気が過度にわたる場合には善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすこととなるおそれがあるものをいうものとすることですが、その内容については警察も同じ考えだと思いますけれども、どうでしょう。

 

○政府参考人(辻義之君) 警察における遊興の考え方、解釈につきましては、解釈運用基準の中で既に示させていただいているところでございます。

 

○山本太郎君 ほぼ同じでしょう。大きくずれているんですか。

 

○政府参考人(辻義之君) 繰り返しの答弁になりますが、警察における、警察におけるといいますか、この32条の遊興につきましては、解釈運用基準の中で、営業者側の積極的な働きかけにより客に遊び興じさせる行為を指すことをいうと解釈をいたしておりまして、男女間における享楽的雰囲気を楽しむことに限られてはいないところでございます。

 

○山本太郎君 衆議院内閣委員会で、歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になりまして風俗上の問題が発生する、生じるおそれがあると警察庁は答弁しました。

歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気、これ違法なんですか。

 

○政府参考人(辻義之君) そのような雰囲気が生じることによりまして、例えば大変な大きい音あるいは騒ぎといったようなことで、近隣の住民の皆さん方に迷惑が掛かるですとか、あるいはいろんな違法行為が発生するとか、そういったようなことがあるわけでございまして、深夜の遊興を認めるということに当たりまして、そうした問題が起きないように規制をしていこうと、こういうことでございます。

 

○山本太郎君 済みません、そういう質問をしていないんです。

歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気は違法なんですか。

 

○政府参考人(辻義之君) 歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になって風俗上の問題が起きるということを、これを予防しよう、防ごうということでございます。

 

○山本太郎君 だから、歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になって何か問題が起こればそれは違法であるということですよね。

だとするなら、歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気、それは違法なんですか。違法じゃないでしょう。

 

○政府参考人(辻義之君) そういった問題が起きるというふうに委員おっしゃいましたけれども、そういうことが起きないような規制を行うという法律でございます。

 

○山本太郎君 聞いたことに対して違う答えを渡すのはやめてもらえますか。

歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気そのものは違法なんですかと聞いています。

 

○政府参考人(辻義之君) 歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になることによって風俗上の問題が生じるということを規制していると、こういうことでございます

 

○山本太郎君 歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気って何ですか。

 

○政府参考人(辻義之君) まさに字のとおり、大変楽しく、あるいはにぎわったような、そういう盛り上がったようなといいますか、そういうような状況でございます。

 

○山本太郎君 楽しい雰囲気、盛り上がった雰囲気、これ違法なわけないでしょう。さっきの答えに、答えてくださいよ。

歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気は違法なんですか。

 

○委員長(大島九州男君) 辻生活安全局長、そのことをちょっと一言で答えて。

 

○政府参考人(辻義之君) 雰囲気そのものが違法だということを申しているわけではございません。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になり、風俗上の問題が発生するってどういうことでしょうか。中学生でも山本太郎でも分かるように御解説ください。

 

○政府参考人(辻義之君) これは、特に深夜の場合ですと、既に通常はお休みになっている時間帯でございますけれども、そういったところで大変安眠を妨げてしまうような状況が出ましたり、あるいは、お酒を飲んだ人たちが大変大きな声を出して近所の人たちに非常に迷惑を掛けるような、そういったような事態でございます。

 

○山本太郎君 警察庁の風営法の解釈運用基準では、不特定多数の客に歌、ダンス、ショー、演芸、映画その他の興行等を見せる行為や生バンドの演奏等を客に聴かせる行為は遊興だと書いてあります。

生活安全局長、こういった場所に飲みに出かけたこと、ありますか。

○政府参考人(辻義之君) 最近はございませんです。

○山本太郎君 済みませんね、プライベートなことをお聞きして。申し訳ないです。

それらの場所で、最近はないけど前にはあったというそれらの場所で、歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になり風俗上の問題が発生する、生じるおそれがあったんですか。目撃されたこと、ありますか。

 

○政府参考人(辻義之君) 私自身は、まず、最近はないということは、以前があったように答弁いたしましたけれども、法上禁止をされておるものでないお店に行くようにいたしておりますので、まずそのことを申し上げておきたいと思います。

その上で、問題となった事案ということでございますけれども、実際に今回のこの改正に当たりまして種々議論が行われます中でも、例えば深夜に行われましたクラブにおいて、近隣に大変ないろんな迷惑を掛けるような事案があったというようなこともありまして、多くの議論の中で、やはり深夜にそういった遊興を行うということであれば、一定の規制というものは必要であろうというような御意見もあったかというふうに思っております。

 

○山本太郎君 御本人はそういうことを目にしたことがないということですよね、ほとんどね。

これらの行為が、歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になり、風俗上の問題が発生するって、これおかしくないかと思うんですよ。まるで意味不明の校則が作られている中学校レベルみたいだなと思うんです。

例えば、男子を刺激しないようにセーラー服の下に体操着を着用すること、一度登録した髪型は卒業時まで変えてはならないなど、実態を見ず、ただただ規制を厳しくするためだけに作られたお笑いのような校則が実際に存在するんですけれども、今回の法改正、変な校則がある中学レベルというような、お粗末な話だと思うんです。世の中の実態と全く懸け離れている、ずれていると思いませんか。中には、もちろん、歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になって、風俗上の問題を発生させる、生じさせるおそれがあるものが一部にはひょっとしてあるかもしれませんけれども、ほとんどの場合はそんなこと全くないと私は思います。

解釈運用基準には、さらに、のど自慢大会等客の参加する遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為」と書いてあります。深夜の酒類提供飲食店でのど自慢大会やカラオケ大会、じゃんけん大会などの様々な遊興で歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になって問題が発生し、指示処分をした事例は、警察庁の資料によると、27万7千店の深夜酒類提供飲食店で、平成26年は8件、25年は4件、24年は3件、23年は7件、22年は3件しかないんです。

深夜、酒、遊興、これ三つが一つになってもう風俗上の問題を発生させる、生じさせるおそれがないものが圧倒的なんですよ、そのほとんどなんですよ。ということを、警察庁、認めますよね。

 

○政府参考人(辻義之君) 平成26年中におきまして、深夜における遊興の禁止に違反したとして飲食店営業に対して行った指示処分の件数は8件ということが事実でございます。

 

○山本太郎君 そんなこと聞いていませんよ。全く聞いていないです。

深夜、酒、遊興、この三つが一緒になったときに過度な状態に陥るのを何とか食い止めるというような話になっているわけですよね。そこに網張りたいと言っているんでしょう。でも、実際見てみたらば、26年8件、25年4件、24年3件、23年7件、22年3件。

深夜、酒、遊興が一つになっても、風俗上の問題を発生させる、生じるおそれがないものが圧倒的なんですよ、ほとんどなんですよ。警察庁、認めますよね。

 

○政府参考人(辻義之君) 現行法におきましては、風営法の32条で、深夜において飲食店営業を営む者は深夜において客に遊興をさせないことということになっているわけでございます。基本的に、深夜においては遊興をさせないということになっているわけでございます。

 

○山本太郎君 ちなみに、この26年の指示処分、8件あった内訳なんですけれども、DJの演奏が3件、バンドの生演奏が2件、カラオケが1件、ショーが1件、トランプ遊技が1件、そういうことなんですよね。でも、認めないんですね。認めたら、こんな法律要らなくなりますからね。とにかく網を掛けるために、規制を厳しくするためにこういうものが欲しいんだということがよく分かります。

続きます。

本改正法律案が成立した場合、政令、規則などを定めようとするときは、義務としてパブリックコメントが行われるわけですけれども、新しい解釈運用基準についても任意の意見募集としてパブリックコメント行うことを約束してください。

 

○政府参考人(辻義之君) 行政手続法上、命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には意見公募手続を実施することが義務付けられております。したがいまして、この度の改正法案が成立した場合、特定遊興飲食店営業の営業可能な地域に関する基準等を定める政令や国家公安委員会規則については、当然に意見公募手続を実施することになります。

これに対しまして、命令等を定めようとする以外の場合におきましては意見公募手続を実施することとはされていないことから、解釈運用基準の改正に当たっては意見公募手続を実施することは予定しておりませんけれども、本改正に当たりましては、事務事業者を始め広く関係者の御意見を伺った上で、特定遊興飲食店営業に該当する営業形態を当該基準の中に具体的に明記してまいりたいと。また、新たな制度の広報や、事業者等に的確に御理解いただくための広報や相談対応の取組についても併せて検討してまいりたいと思います。

 

○山本太郎君 多くの人たちの声を聞くためには、パブリックコメントってむちゃくちゃ役に立つんじゃないですか。これ任意でと言っていますけど、任意だからやらなくていいという話じゃなくて、やってくださいよ。みんなの声、聞きたくないんですか。解釈運用基準について、任意の意見募集としてのパブリックコメントやってください、約束してください。

 

○政府参考人(辻義之君) 先ほども御答弁させていただきましたとおり、行政手続法、これ意見公募手続を実施することとされておらず、それは予定しておりませんけれども、本改正に当たりましては、事業者を始め広く関係者の御意見を伺った上で特定遊興飲食店営業に該当する営業形態を当該基準の中に具体的に明記してまいりたいと考えております。

 

○山本太郎君 パブリックコメントやるということですか。

 

○政府参考人(辻義之君) 意見公募手続、すなわちパブリックコメントを実施することは予定はいたしておりません。

 

○山本太郎君 本当に不誠実ですよね。極力声は聞きたくないと、そういうことなんですよね。やればいいのに。任意だからってやらなくていいということじゃないですよ。たくさんの人たちに関係することなんだからやってくださいよ。

歓楽的雰囲気、享楽的雰囲気が過度になって風俗上の問題を発生させる、生じさせるおそれがある深夜酒類提供飲食店の遊興が許可制の対象であると解釈運用基準に明記すべきだと思うんですよ。明記してくださいよ。お願いします。

最後に、山谷大臣、規制緩和をしまして、営業の自由、表現の自由、自由な文化、ビジネスの発展を目指していたものが、世の中の常識から全くずれた警察の解釈運用によって台なしになっては本末転倒、元も子もないと思います。今のままでは風営法は、憲法22条の職業選択の自由、営業の自由、憲法21条の一切の表現の自由、憲法31条の罪刑法定主義に反する憲法違反の法律になってしまいます。本来の目的が達成されるよう、大臣に是非考えていただきたいんです。大臣のお考えを聞かせていただけませんか。そして、パブリックコメント、是非お願いいたします。

 

○国務大臣(山谷えり子君) これまでも、風営適正化法の施行に当たっては、関係事業者や関係団体から相談、要望等があった際には、その内容を丁寧に伺い、誠実に対応してきたところでございます。

冒頭にも申しましたように、今回の法改正ですが、ナイトライフの充実や国民の意識の変化、規制改革会議の議論などを踏まえまして、規制緩和の方向で考えた法改正でございます。この改正法案が成立した場合には、事業者を始め広く関係者の御意見を伺った上で、特定遊興飲食店営業に該当する営業形態を解釈運用基準の中に具体的に明記していくように警察を指導してまいりたいと思います。

自由な文化は大変に大切だと考えております。

 

○山本太郎君 規制緩和と思いきや、規制強化につながっていた。たくさんの人たちの声を受け入れるためには、やはりパブリックコメントをしていただきたいんです。よろしくお願いいたします。

自由な文化、すごく必要だと思うという大臣の言葉、心に響きました。ありがとうございました。

 

○委員長(大島九州男君) 与党から、先ほど、山本君の発言中に不穏当な言辞があるとの御指摘がありました。

委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。

他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。

本案の修正について山本君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎君。

 

○山本太郎君 私は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。この内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。

これより、その趣旨について御説明いたします。

本改正案では、一定の場合を除き、ナイトクラブ等の客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業を風俗営業から除外し、そのうち客に酒類を提供するものについては、都道府県公安委員会の許可を受けた場合には、特定遊興飲食店営業として深夜においてもその営業を営むことができることとしておりますが、無許可で特定遊興飲食店営業を営んだ者に対する直罰規定も盛り込まれており、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこれらの併科となっております。

それにもかかわらず、この新たに設けられる特定遊興飲食店営業における遊興の定義について、本改正案では定められておりません。経営者の方が、自分のお店は特定遊興飲食店営業には該当しないと思い、その許可を取らずに営業していても、警察が特定遊興飲食店営業に該当すると判断すれば、無許可営業の罪で検挙されかねないのです。

現行の風営法においても遊興という文言は使われておりますが、その定義について、法律、施行令、施行規則には規定がなく、警察庁生活安全局長が発出した通達である解釈運用基準に簡単な説明があるだけです。

日本国憲法第31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」と定めています。客にダンス、飲食をさせるクラブを無許可で営業したとして罪に問われたクラブNOONの訴訟では、大阪地裁、大阪高裁いずれの判決においても元経営者の方は無罪となっております。

特定遊興飲食店営業における「遊興」の定義について、風営法の本来の目的に沿った形で限定すべきであり、それを警察任せとするのではなく、法律上明確にすべきです。

そこで、修正案では、遊興の定義として、「異性間における享楽的雰囲気その他の享楽的雰囲気において遊び、興じることであつて、その雰囲気が過度にわたる場合には善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすこととなるおそれがあるものをいう。」と定めることとしております。これは、ダンス営業規制に関する裁判例や警察庁出身の蔭山信氏の「注解風営法Ⅰ」、衆議院内閣委員会での警察庁の答弁等を参考にしたものです。

以上が修正案の趣旨でございます。

何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

 

○委員長(大島九州男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。

それでは、これより風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。

まず、山本君提出の修正案の採決を行います。

本修正案に賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

 

○委員長(大島九州男君) 少数と認めます。よって、山本君提出の修正案は否決されました。

それでは、次に原案全部の採決を行います。

本案に賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

 

○委員長(大島九州男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

この際、藤本君から発言を求められておりますので、これを許します。藤本祐司君。

○藤本祐司君 私は、ただいま可決されました風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。

一 今回の改正によって無許可での営業に対して罰則が設けられたことに鑑み、特定遊興飲食店営業に該当する営業形態を、広く関係者の意見を聴いた上で解釈運用基準等において明確に定めるとともに、都道府県警察において事業者からの相談に適切な対応がなされるよう、必要な措置を講ずること。また、これらを行うに当たっては、法の趣旨に十分配慮すること。

二 風俗営業及び特定遊興飲食店営業について、営業所の構造や設備等の基準を定めるに当たっては、照度及びその測定方法並びに面積について具体的かつ明確に定め、基準の趣旨や内容について周知を図ること。

三 特定遊興飲食店営業の営業可能な地域の指定に関しては、関係する事業者や地域住民の意見を聴いた上で、政令において適切に定めること。

四 本法の施行前から風俗営業や飲食店営業を営む者が、本法に基づく規制について円滑に対応できるよう周知し、行政手続法第六条の趣旨に鑑み、速やかに適切な措置を講ずること。

五 特定遊興飲食店営業者がその業務の適正化と営業の健全化を図ることを目的として組織する団体による自主的な取組を支援すること。

六 特定遊興飲食店営業の新設及び風俗営業の営業時間制限の緩和等に伴い、営業所の周囲の風俗環境が大きく変化する可能性があることから、風俗環境保全協議会を積極的に活用すること等により、良好な風俗環境が保全されるよう努めること。

七 本法の運用に当たっては、表現の自由、営業の自由等憲法等で保障されている基本的人権に配慮し、職権が濫用されることのないよう十分留意すること。

右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

 

○委員長(大島九州男君) ただいま藤本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。

本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

 

○委員長(大島九州男君) 多数と認めます。よって、藤本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

ただいまの決議に対し、山谷国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山谷国家公安委員会委員長。

 

○国務大臣(山谷えり子君) ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

 

○委員長(大島九州男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

本日はこれにて散会いたします。

 

 

 

 

 




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