国会活動
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎と申します。
日本年金機構から125万件の年金情報が流出したと、この委員会でも何人もの先生方がもうお触れになったことですけれども、触れさせてください。
この流出、今分かっている時点で125万件。でも、これ、今分かっている時点ですから、増える可能性もあるということですよね。今後増える可能性ありと。
今回の件、サイバーテロだ、サイバーアタックだなどなど大げさに言われますけれども、実を言うと、それ以下、それ以前のお話だと思います。添付ファイルのウイルスチェックってやっていないのと、送信元がはっきりしない場合は添付ファイル開かないというのは常識でしょうと。これ、一般の方皆さんやられていることですよね。普通の方々が普通にやっていることをやっていない、パスワードの設定もやっていないと。
これ、セキュリティーレベルの低さ、危機管理能力の低さからいって、マイナンバーなんてやめてくれと思っている人たち、この国に生きる多くの人々が、すごくたくさんの人たちが感じたというのが率直な感想じゃないかなと思う今日この頃なんですけれども、そんなこと言っている間に、もう一分過ぎてしまいました。時間が今日は限られております。是非、簡潔明瞭な答弁をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
今回の税番号制度によって、財務省は、富裕層の資産と資産性所得を、いずれは富裕層の皆さんの海外での資産と資産性所得等も含めて本気で捕捉していく方針であるということでよろしいですか。
○政府参考人(藤田博一君) お答えいたします。
番号制度の導入によりまして、申告書、法定調書等の税務関係書類に番号が記載されるわけですが、株式等の譲渡の対価等の支払調書などの法定調書の名寄せや申告書との突合がより効率的かつ正確に行えるようになりまして、所得把握の正確性が向上し、適正、公平な課税につながるものと考えております。
国税当局といたしましては、新たに導入される番号を利用しながら、引き続き、法定調書を含め、あらゆる機会を通じて課税上有効な資料情報の収集に努め、適正、公平な課税の実現に向け、所得、資産の把握に努めてまいりたいと存じます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
先ほどお話ししたようなこと、それらを捕捉するためには、このマイナンバーというのは国税にとって喉から手が出るほど欲しい制度なんですかね。これが導入されれば画期的に徴税率が変わるものなんでしょうか。
○政府参考人(藤田博一君) 先ほど申しましたように、番号が記載されることで、突合ですとか名寄せですとか、そういう作業が効率的に行われるわけでございますけれども、ただ、もちろん、消費者に対して販売等が行われた場合、その消費者を反面調査として網羅的に徹底的に調べるということはなかなか困難なところがございますので、ですから、番号が導入されたからといって、完全にいろんなことが全て分かるというわけではございません。
ただ、今までと比べまして、いろんな、先ほど申しました申告書、調書等の突合が効率的にできるようになりますので、より適正、公平な課税につながるものというふうに考えております。
○山本太郎君 今のお話からいうと、マイナンバー、これが実施されたとしても、なかなかそれ難しいだろうということを表現されていましたよね。その難しいという点は、やはりこれ強制されていないという部分が大きいんじゃないですかね。どう思われますか。
○政府参考人(藤田博一君) 国税庁、法令の執行を任務としておりますので、マイナンバーが強制されているかされていないかについてコメントをする立場にございませんので、答弁は控えさせていただきます。
○山本太郎君 でも、やはり国税としては、適正な税金というものを徴収していかなきゃいけないという中で、マイナンバーというものが入ればもっと広がるし、もっとはっきりとした数字が分かるということなのであれば、これ強制されていなかったら意味ないよなとかというふうに思わないんですか。
○政府参考人(藤田博一君) 申し訳ございません。もちろん、いろんな資料情報がより充実している方が、我々、適正、公平な課税を実現するという任務でございますので、それはよろしかろうと思いますけれども、マイナンバー制度、預金等の強制の有無についてちょっとコメントすることは差し控えさせていただきます。
○山本太郎君 なるほど。今のままのマイナンバーであれば余り国税的にはそんなうれしくもないし、まあちょっと便利になるかなぐらいかなというような雰囲気が、勝手に解釈してしまいましたけれども。
続いて質問します。
私は、税番号制度によって富裕層の皆さんの資産と資産性所得を捕捉して、資産性所得は分離課税ではなく総合課税とすべきだと思います。財務省、いかがお考えですか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
所得税でございますが、基本的には原則として総合課税ということで、全ての所得を集めまして累進課税というのが基本でございますが、金融所得のような一種の資産性所得というものの特殊性に鑑みまして、今先生がおっしゃいましたような形での分離課税ということを取ってございます。
そこには三つほど状況がございます。一つは、金融商品が非常に多様化している中で、一般投資家にとって簡素で分かりやすい税制であるということ。それから、多様な商品がいっぱいありますので、課税方式というのをできるだけ統一した方がいいというふうな話。それから、グローバル化が進んでおりまして、言わばクロスボーダーの取引が大変増えているということになりますと、この金融性の所得というのは、いわゆる足が速いとよく言いますけれども、非常に動きが速いものですから、言わば一種のキャピタルフライトといいますか、要するに逃げていきやすいという性質とか様々なものがあるところで、最も適切な課税方式を考えるという場合に、総合課税よりも分離課税の方が望ましいんだろうということで今の方式を取ってございます。
ただ、その場合にどういう税率を掛けるかということがポイントでございまして、25年度の税制改正によりまして行ったことですが、平成25年12月までは上場株式の配当、譲渡益に対しましては10%の課税でございましたけれども、26年1月からは20%の本則税率を掛けるということで、税率を引き上げるということも併せて行っているところでございます。
○山本太郎君 今、三つぐらいの条件を考えてみたら、総合課税ではなく分離課税でやっていった方がいいよというようなお話になったと。
ということは、一度は試算してみたということですか。分離課税にされているものを総合課税でやってみて、税収を見てみたときに、計算してみたらやっぱり分離課税の方が税収としては多いよなという決断になったということなんですかね。ごめんなさい、これ通告していないんですけど。
○政府参考人(佐藤慎一君) 試算ということではなくて、結局、今申し上げました、金融商品が非常に多様化している中で、例えば500万円の収入の方、それから例えば5千万の収入の方、その方が例えば同じ配当を得たという場合に、それぞれ掛かる税率が違ってくるわけです。そうしますと、商品は一つですが買う人の所得によって税率が変わってくるというのが本当にいいんだろうかというふうな現実がございます。
非常にシンプルな金融市場であればよかったんでしょうが、最近のやはり非常に高度化している中で、やはり課税が簡素で分かりやすくという観点も重要だということで、政策的にそちらの方を選んでいるということでございます。
○山本太郎君 なるほど。人によっては税率が低くなったり高くなったりということを考えてみたら、これはそうじゃない方がいいだろうということなんですけれども、試算ぐらいしてもいいと思うんですけどね。
今から25年前、消費税導入直後の1990年度の税収は60.1兆円、今より8.4兆円も多かった。そのときの所得税収は26兆円、今年度の所得税収の見込みは16.4兆円ですから、現在よりも10兆円も多かった。1990年度の法人税収は18.4兆円、今年度の法人税収の見込みは11兆円ですから、現在よりも7.4兆円多かった。所得税と法人税合わせて、1990年度の方が現在よりも17.4兆円も税収が多かった。消費税の増税は、所得税と法人税の減税の穴埋めのためだったということがもう歴然としていると思うんですよね。所得税と法人税の減税、これやり過ぎていると思うんですよ。
1990年度の法人税の実効税率、去年度の実効税率、今年度の実効税率、来年度の実効税率、それぞれどうなっているかということをお聞きしようと思ったんですけど、また話長くなったら一分しかないので、僕から言いたいと思います。
90年度は49.98%、昨年度は34.62%、今年度が32.11%、28年度が31.33%、とにかく、これ、所得税は資産性所得を総合課税として、法人税は少なくとも租税特別措置を全面的に見直し、さらに、企業の海外からの所得、配当や投資収益等も正しく反映して、実際の法人税負担率と実効税率を同程度にすることが必要だと思います。
財務省、既に1990年度と比較すると、法人実効税率、18.65%も引き下げられていますよね。租税特別措置など特例は廃止して課税ベースを拡大することが重要だと思います。短めにお答えいただけますか。ありがとうございます。
○委員長(大島九州男君) 簡潔に。
○政府参考人(佐藤慎一君) 課税ベースを広げながら税率を引き下げるというこの方向で今回も法人税改革をしておりますので、その方向で進めたいと思っております。
○山本太郎君 質問を終わります。
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