山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

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PDF未定稿はこちら ⇒ 189-参-内閣委員会-7号-2015年05月14日(未定稿)-初版-山本太郎質疑

○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
 高校生と生活保護の視点から、子供の貧困に関する質疑をいたします。お伝えしたいこと、お聞きしたいこと、たくさんございます。答弁者の皆様には簡潔にお答えいただきますようお願いいたします。
 皆様にお配りしている資料の一枚目、御覧いただきたいと思います。同じものをフリップで用意しております。(資料提示)厚生労働省、平成25年国民生活基礎調査をグラフにしたものです。これは何のグラフかお分かりになりますか。皆さん御存じのとおり、日本の貧困率の推移でございます。
 我が国では、一人当たりの収入、年122万円未満が貧困ということになっています。月収に直すと10万円以下、これが年々悪化しています。平成24年には16.1%になりました。子供の貧困率は全体より悪く、16.3%。いずれも過去最悪です。16.3%ということは、6人に1人、40人学級だと6人から7人は貧困な子供がいるということです。母子家庭等の一人親世帯の貧困率は54.6%、半分を大きく超えています。先進国と言われるOECD加盟国中、最低、最悪ということです。これ、本当にゆゆしき事態だと思います。有村大臣、どのようにお考えですか。短く一言でお願いいたします。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 御指摘いただきました相対的貧困率、相対的な貧困とされる境界線となる金額はその国の全体的な所得の水準、分布によって引っ張られるために、おのずからこの指標ですと諸外国に比べて日本の子供や一人親家庭の貧困が絶対的に高くなってきますので、絶対的に比べて物理的に日本の子供たちが、貧困がほかの国の子供よりも厳しいというわけでは必ずしもないということには留意をしなければなりません。さはさりながら、子供の貧困という今日的課題に直視して、世代間で貧困の連鎖がないようにやっていくことは極めて大事だと思っております。
 短くということですので結論だけを申し上げますと、これまで必ずしも十分に行われてきたとは言えない子供の貧困に関する実態調査、これは今年初めてしっかりと調査を本格的にしていくという予算を取らせていただきました。厚労と内閣府、我が方でどのような指標があるのか、その指標を改善した先に本当に子供の現場にとって改善策が図られるのかということを精緻に研究をして、そして、今回立ち上げました子供の未来応援国民運動発起人集会で決議をしていただいた趣意書に基づいて、しっかりとお金とそしてお金以外の支援が行くように実行を今年進めてまいります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 短くと言いましたけれども、今のお言葉を聞けるんだったら本当に有り難かったです。とにかく調査がなければ実態が分からない、調査は絶対にしなきゃいけないんだということを力強くおっしゃっていただいたと思います。
 子供の貧困の何が問題か、皆さん御存じのとおり、貧困の連鎖という言葉があります。例えば、生活保護家庭で育った子供たち、進学、就職の機会に恵まれず、大人になって生活保護を利用せざるを得ないといった事態に追い込まれると。
 一般世帯と生活保護世帯の高校等進学率、大学等進学率、それぞれどうなっていますか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 議員御質問の数字でございますが、平成25年4月のものが、公表されているものがあって、最新でございますので、その数字でお答えさせていただきます。
 平成25年4月の高等学校等進学率でございますが、生活保護世帯で90.8%、一般世帯で98.6%でございます。また、専修学校等を含む大学等進学率でございますけれども、生活保護世帯で32.9%、一般世帯で73.3%となっております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 高校の進学率というところでは8%ぐらいの開きなんですけれども、これ大学の進学率ということになると40%以上の格差になってしまうと。今の日本、いい悪いは別にしまして、やっぱり学歴社会なんですよね。いい高校、いい大学に入れないと給料の高いいい会社に入れません。高校を留年しただけでなく中退までしました、中卒資格しかない私が言うんですから間違いございません。
 生活保護家庭の子供が大学に進学したいと考えたときに、現行の生活保護制度上、予備校や進学塾代、大学の入学試験料や入学金等を給付する仕組み、ありますか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 最低限度の生活を保障するという生活保護法の趣旨からいたしますと、高等学校等卒業後は修学によって得られた技能や知識の活用を図るべきであるということから、生活保護を受けながらの大学への進学は認めておりません。したがいまして、生活保護制度におきまして、議員御指摘になりました予備校代や模擬試験代、受験料、大学入学金等、大学への進学のための給付は行っておりません。
 一方で、生活保護世帯の高校生が卒業後世帯から分離して大学に進学することは認めておりまして、大学への進学後、希望される場合には、本人のアルバイトの収入のうち大学進学のために事前に必要となる経費に充てる分を収入として認定せず、預貯金することを認めております。また、保護費を含む世帯全体の収入のやりくりによりまして大学進学のために事前に必要となる経費に充てる分を預貯金することを認めております。そうしたことによりまして、保護世帯の高校生の大学への進学を支援しているところでございます。
○山本太郎君 だから、給付としての仕組みはないということですよね。生活保護世帯の子供の大学進学を後押しする、生活保護制度上での給付がないなら、せめて自分で頑張って手に入れた奨学金、ほかにもバイト代、活用できるようにしてあげるべきですよね。でも、実情ってどうなっていますか。
 続いての資料を皆さんに御覧いただきたいんです。
 福島県の高校生A子さん、母子家庭で生活保護を利用されています。高校三年間、年17万円の給付型奨学金を受けられることになり、頑張って勉強して希望の高校にも合格しました。平成26年になって、奨学金の一部、14万円を受け取りました。ところが、福祉事務所がその全額を収入認定し、その分、保護費を減額してしまったんです。あり得ませんね、本当に。
 A子さん、せっかく奨学金をもらえることになって、充実した高校生活が送れる、塾にも通えるかもしれないと思っていたのに、全額収入認定して取り上げるなんて、高校生の夢と希望を奪うのと同じですよ。余りにも酷じゃないですか。
 3月18日、参議院の予算委員会で共産党の田村智子議員、すばらしい質問をしてくれました。それに対する塩崎大臣の答弁も、生活保護世帯の高校生が奨学金を受け取った場合については、その給付される趣旨に鑑みて、就学のために必要な経費として、例えば修学旅行費、クラブ活動費に充てられる場合には収入として認定しない取扱いを設けていると答弁されました。
 ということは、奨学金の趣旨に反していなければ、参考書、問題集の購入、大学に進学するための塾、模擬試験の費用などに充てることも許されますよね。どうでしょう。短めに。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 生活保護世帯の自立更生のために支給される金銭につきましては、収入認定から除外することで生活保護受給世帯の自立の助長を図ることとしております。議員御指摘のように、そのため、奨学金が生活保護の高等学校等就学費の支給対象とならない修学旅行費やクラブ活動費等の経費に充てられる場合には収入認定から除外し、保護費を減額しない取扱いとしております。
 また、議員御指摘の塾代、参考書代、模試代の扱いでございますけれども、塾代に充てられる場合には収入認定から除外することとはしておりません。また、参考書につきましては、基本的には生活保護費の中の高等学校等就学費で支給されますけれども、賄い切れない経費であって必要最小限度の額については収入認定から除外することとしております。また、模擬試験につきましては、その実施実態等を勘案しまして、恐らく保護の実施機関におきまして収入認定から除外する判断があり得るものというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、生活保護制度は全額原資は税金でございまして、利用できる資産、能力、その他のあらゆるものを活用することを前提としておりますので、最低限度の生活を保障しながら、どこまで収入として認定しないこととするかについては、生活保護を受給されていない方との均衡を考慮する必要があると考えております。
○山本太郎君 余りにもおかしいんですよ。だって、酒飲むために控除しろとか言っている話じゃないんですよ。競輪、競馬やりたくてそう言っているわけじゃないんですよ。
 厚生事務次官通知でも出ていますよね、次に挙げるものは収入として認定しないことって。高等学校等就学費の支給対象とならない経費及び高等学校等就学費の基準額で賄い切れない経費であって、その者の就学のために必要な最小限度の額。最小限度の額じゃないですか、こんなの、参考書、問題集の購入、模擬試験の費用。これ、認められないと余りにもおかし過ぎませんか。せっかくの奨学金、もらった奨学金、何の検討もなし、全額収入認定なんてあり得ない。奨学金の趣旨に完全に反するものですよ、これ。個別の判断としてもあり得ないと思うんです。
 次に行きます。
 せっかく給付された奨学金、全額収入認定するというのには余りにも酷、厚生労働省として実情をきっちりと調査して、このような非人道的決定、取り消すように市を、各自治体を指導すべきじゃないですか。指導してください。短めに。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、生活保護世帯の高校生が奨学金を受け取られた場合には、収入申告をしていただいた上で、その使途を確認して、奨学金が高等学校等就学費の支給対象とならない修学旅行費やクラブ活動費等の経費に充てられる場合については収入認定から除外する取扱いとしております。
 厚生労働省といたしましては、こうした取扱いにつきまして今後とも様々な機会を通じまして各自治体に周知徹底し、適切に運用されるよう努めてまいりたいと思っております。
○山本太郎君 続きまして、資料ケース二と書かれたものを御覧ください。
 神奈川県川崎市の生活保護世帯のB子さん、今は大学生になっていますが、高校生であった平成22年6月から平成23年6月までアルバイトをし、月2万円から3万5千円、合計33万円の収入を得ました。このアルバイト料のうち、9万8千円は修学旅行費に、バイト代の9万8千円は修学旅行費です。残りは大学入試の受験料等に使い、実際、見事大学に合格しました。
 B子さん、バイト料の申告義務があると知らず申告していませんでしたが、福祉事務所の調査で判明し、不正受給、生活保護法七十八条違反として33万円全額の返還命令を受けました。B子さんの父親、これを不服として争っていましたけれども、横浜地方裁判所、平成27年3月11日、不正受給と断ずるのは原告に酷として、決定の取消しを命じる判決を言い渡したというケースです。
 このケースの問題点を御理解いただく前提として、生活保護を利用している世帯の高校生がアルバイトをした場合、きちんと収入申告すればどうなるのかという具体例を見てみます。
 続いての資料、アルバイト料月3万5千円の場合と書かれたものを御覧ください。
 例えば、ある高校生が月3万5千円のバイト代をもらった場合、未成年が働いたというだけで一律1万1400円が収入認定から控除されます。これを未成年控除というらしいです。また、働いて得た収入の基礎控除、これは収入が増えるほど控除額も多くなりますが、3万5千円の場合は1万7200円です。これだけで2万8600円、3万円近くが控除されるということですよね。さらに、修学旅行費やクラブ活動費など、高校生活や将来の自立のために必要と認められた経費についても控除が認められます。
 つまり、高校生のバイト代、バイト代程度の収入であれば、きちんと収入申告さえすれば全額控除されて充実した高校生活や大学進学のために使うことができると。この説明、理解で間違いありませんか。短めに。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、生活保護におきまして、勤労収入は本来生活に充てるべき資力ではございますが、収入認定の過程におきまして、その収入から勤労に伴う必要経費を控除することとなります。
 御質問の高校生のアルバイト収入でございますけど、3万5千円ある場合につきましては、ここにございますように、基礎控除1万7200円、未成年者控除1万1400円を差し引いたまず6400円が収入認定額の基礎となります。さらに、本人や世帯の自立の助長に資する観点から、学校等就学費の支給対象とならない経費及び高等学校等就学費の基準額で賄い切れない経費、また就労や早期の保護脱却に資する経費に充てられると認められる額については収入として認定しない取扱いができることとしております。
 以上でございます。
○山本太郎君 同じことを言われただけですよね。間違いがなかったということですよね。
 だからこそ、横浜地裁の判決も、申告さえすれば全額自分のために使えたものを、申告漏れがあったというだけで不正受給として全額返還命令をするのは酷と判断したんですよね。
 じゃ、なぜ川崎市は全額不正受給扱いしたんでしょうか。川崎市だけおかしな扱いをしたんでしょうか。実はそうじゃないと。詳しい人に聞きますと、全国的に同じようなケースはごまんとある、川崎市のケースは氷山の一角だということなんです。不正受給のうち四分の一くらいは高校生のバイト料の未申告が占めていると言うケースワーカーが多いようです。
 生活保護ケースワーカー、生活保護事務、生活保護監査、ホームレス支援、介護保険事務などをされ、現在、花園大学社会福祉学部の教授、吉永純さんの著書「生活保護の争点」、これの285ページには、ある福祉事務所では、ある年度に不正受給とされた18件中6件、つまり三分の一が高校生のアルバイト収入の未申告であったと記されています。
 私たちの中には、生活保護イコール不正受給、不正受給イコール悪質といったイメージが刷り込まれてしまっていますよね。恐らく、メディアであったり政治の場の発言であったりということだと思うんですけれども。この不正受給とされるものの中に悪質とは言えないものもかなり含まれているという現実があるんですよね。
 お聞きします。不正受給のうち高校生のアルバイト代の未申告、どれだけあるか、調査しているなら教えてください。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては把握しておりませんけれども、平成25年度におきます不正受給の総件数は4万3230件でございまして、金額ベースでは約187億円となっております。そのうち稼働収入の無申告、過少申告の件数は2万4699件となっております。
○山本太郎君 済みません、質問したことだけに答えてください。
 不正受給全体の2%しかいないということを言いたかったんですか。それ、金額に直したら0.5%しかないということを言いたかったんですか。もちろん、僕も不正は良くないと思います。正されるべきだと思います。でも、不正受給とされている中に、本当に不正受給と認めていいのかと言われるような案件がたくさんあるんだという話を今しているだけなんです。
 話戻ります。調査はされていない、そういうことですね。調査していないんです。この高校生、例えば不正受給、不正受給認定された高校生のバイトという意味での調査なんてされていないですよね。されていない。調査しなければ実態が分からない、当然なんですよ。調査して、実態を知って、対策をどう練る、どうしていくのかということを考えなきゃいけない。これ、基本だと思われませんか、有村大臣。このことだけじゃなくて、この調査をして、実態を知って、そして対策をしていくというのは、この生活保護だけじゃなく、それ以外のことにもイコールだと思うんです。いかが思われますか、大臣。
○国務大臣(有村治子君) 山本委員御指摘のとおり、本件は厚生労働省さんが所管をされています。実態調査の必要性、適切にその対応をしていただくというのは、所管を持っていない私がそのすべを持っておりませんので、御主張は真摯に受け止めますが、厚生労働省さんにお聞きいただくものでありますので、お気持ちに沿ったお答えが、所管の組織のすべを持っていないので、できないということを率直にコメントさせていただきます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 この縦割りという中で、その中でいろんな発言を求めるというのは非常に難しいことだということが分かりました。でも、冒頭に、やはり調査は必要だと、その調査をやっていくんだという力強いお言葉、今も覚えております、先ほどのことですから。
 川崎市のケースのように酷なケースが埋もれている可能性が高い。夢を奪われて泣き寝入りしている高校生、たくさんいるかもしれないんですよ。ケースワーカーの皆さんにもお聞きして、この調査どうなんですかと言ったら、手間もさして掛からないんだよということなんです。是非調査すべきだと思います。調査してくださいよ、お願いします。いかがでしょう。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 御指摘のような調査の実施につきましては、実際に事務を担当される自治体、ケースワーカーの方は全国で一万六千人余いらっしゃいますけれども、自治体の負担を考慮する必要があると考えておりますので、自治体の意見を踏まえつつ、慎重に判断すべきものだというふうに考えております。
○山本太郎君 自治体の判断を踏まえつつと言いながら、いろんな通知出しているじゃないですか。いろんな通知出して、不正受給ではないのに不正受給だと決め付けられるような通知も幾つも出しているじゃないですか。なのに、この件に関しては、どうしてそこ、足踏み込もうとしないんですかね。非常に不思議です。
 全国的に同じようなケースがたくさん起きてしまう、その諸悪の根源とも言える理由がこれです。資料の最後を御覧いただきたいと思います。平成24年7月23日に出された「生活保護費の費用返還及び費用徴収決定の取扱いについて」という厚生労働省社会・援護局保護課長の通知、これが諸悪の根源です。未成年である世帯員についても、稼働年齢層であれば当然に保護の実施機関に対し申告の義務はあるので、申告を怠っていれば原則として七十八条の適用、つまり不正受給として扱うべきであると指示しているわけですよね。
 この通知があるから、全国の福祉事務所は高校生のバイト料も不正受給扱いせざるを得ないんですよ。しかも、この通知、申告義務の説明、徹底するよう求めていますよ。申告していないから不正受給と言われるんだろうって。申告義務の説明、徹底するように求めているんですけれども、先ほど説明したような、いろんな控除があると言いましたよね、皆さん、四つ目の資料でお示ししたとおり。申告すればいろんな控除があって、自分のために使えるんですよと説明しなければならないこと、この通知の中で一切求めていないんですよ。
 実際、全国的にこうした説明と控除をきっちりと行っている自治体、非常に少ないと聞きます。生活保護受給のルールも現場で十分に説明されない、受ける側が。申告した場合のメリットも全然説明せずに、後になって不申告が分かれば不正受給として全額取り上げるなんて、これ詐欺みたいな話じゃないですか。生活保護世帯の高校生は、頑張ってバイトしても不正受給扱いされて全額返還を求められるというなら、これ裏切られた思いになるし、働く意欲だって失いますよ。これもう人間不信になりますよ、こんなことになっていたら。
 今回の横浜地裁の判決を踏まえて、こうした保護課長通知の規定の仕方、課長通知の規定の仕方、一方的ですよね。足りないものもあるんじゃないですか。削らなきゃいけないものもあるんじゃないですか。見直す必要があると思うんです。
 見直す必要があると思う部分は三点、具体的に三点あります。一つ、高校生のバイト料も原則不正受給と扱うべきというように取れる部分、これ削除すること。二つ、申告義務の説明だけじゃなく、未成年者控除、基礎控除、自立更生控除などを申告した場合のメリットの説明も徹底するよう明記すること。三つ目、この問題の平成24年7月23日通知では、収入申告義務があることを説明する際、説明を受けたことの確認のためサインを取るようにと指示しています。世帯に高校生がいるときには、当該高校生の本人の自署による署名等の記載を求めることとされていると。署名を求める書式には義務の説明だけで、先ほどから繰り返しているように、控除についての説明はありません。このような書類に高校生にサインさせて、後で不正受給として扱う根拠としようとしているんじゃないですか。そういう考え方自体がひきょうとしか言いようがない、余りに酷なやり口だと思いませんか。このような取扱いもやめるべきです。
 今申し上げた三点、改正していただけませんか。通知、この課長通知、是正してもらえませんか。残り二分しかないので、引き延ばすのはやめてくださいね。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 生活保護制度につきましては、全額公費によってその財源が賄われることに鑑みまして、国民の理解が得られる公正な制度とすべく、不正受給対策等を図っていくことが重要であると考えております。そのため……(発言する者あり)
○委員長(大島九州男君) 聞かれたことに答えるように。
○政府参考人(谷内繁君) はい。
 そのため、不実の申請その他不正な手段により保護を受けた等の場合については法第七十八条により費用徴収を行っており、具体的には、保護の実施機関が被保護者に対し届出又は申告について口頭又は文書による指示をしたにもかかわらず被保護者がこれに応じなかったとき、また、課税調査等によりまして当該被保護者が提出した収入申告書が虚偽であることが判明したとき等の場合に適用することとしております。
 未成年者である世帯につきましても同様に、保護の実施機関に対しまして収入の申告の義務があると考えております。したがいまして、申告を怠って先ほど申し上げた場合に該当すれば、法第七十八条を適用する必要があると考えております。
 一方で、収入申告をすれば収入認定除外や控除等の対象になることと、収入申告の徹底については別の問題と考えているところでございますが、生活保護世帯の皆様が収入認定控除につきまして理解されることが大事でございます。また、収入認定除外や控除が適切に適用されるよう、今後とも保護の実施機関に対しまして、あらゆる機会を通じて当該制度の周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○山本太郎君 全く答えてくれなかったですね。二分近く時間使って全く答えないって、どういうことなんですか。不正受給は許されるべきものじゃないですよ。是正されるべきです、そこは、もちろん。そのための七十八条は必要でしょう。だけど、それを不正受給じゃない人たちまで巻き込まれるようなことに対して、こういう通知は改めてくださいと言っているんですよ。
 大臣、最後にお願いします。もちろん持ち場が違うということは分かります。けれども、縦割りに対し横串を入れるんだという言葉を言っている安倍政権の一員であり、そしてその中で子供の貧困担当なんです。是非お一言ください。
○委員長(大島九州男君) 有村国務大臣。簡潔に。
○国務大臣(有村治子君) 委員が御主張されたように、申告義務があることを丁寧に説明していくこと、申告した場合に控除があるというメリットをやっぱり明確に伝えていくことは、高校生の自助努力の善意ということを拾っていく上でも極めて大事な御主張だなというふうに敬意を持って拝聴いたしました。
 この議事録をしっかりと厚生労働省の三役にもお伝えをさせていただきたいと思います。

 

 




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