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国会活動

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18.12.6教育


○山本太郎君
自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、研究開発力強化法改正案についてお聞きします。

 

まず、配付資料を見ながら始めたいと思います。
資料の①、IMF(国際通貨基金)のデータ、戦争、紛争をしていない国々180か国以上を比較したものです。

 

資料①

資料①

 

20年間の政府総支出、政府総支出、つまり国が人々にどれぐらい投資をしたのかとも言えるグラフ化ですね。日本どこにいますか。最下位です。つまり、人々に投資をしない世界一のどけち国家が日本だということが明らかになっています。

 

資料の②、同じデータです、名目成長率のグラフです。

 

資料②

資料②

 

つまり、20年でどれぐらい成長しましたかということ。日本どこにいますか。最下位です。グラフにもならない。投資がなければ成長もない。当たり前ですよね。20年のデフレの犯人は誰だ。政府ですよ、これまでの歴代の。間違った経済政策が原因。民主党云々っていいますけど、3年とか4年しかやっていませんからね、ほとんど自民党なんです。

 

一方、教育ではどうなんだって話です。資料の③、2018年OECDの高等教育(注:大学など)における支出のグラフ。

 

資料③

資料③

 

高等教育機関への公的支出、対GDP比は、OECDの中で最下位、北欧諸国と比べれば支出は3分の1以下。人々に金を使わないどけち国家の世界一ですから、当然教育に関してもどけち、これ当たり前の話なんですね。

 

景気回復をうたわれる総理御自身が教育分野に関しても財政支出を減らすこと自体、今少し来年の予算増えるとかって話ですけれども、基本は減っていますよね。景気回復をうたっている総理自身が教育分野に関しても財政支出を減らすこと自体、これ経済の仕組み理解されていないのか、若しくは意図を持って予算を削りに掛かっているのかのどちらかになりますよね。私は後者だと思っています。

 

国立大学に入る国からの「運営費交付金」、これを政府の行政改革の一環で2004年から毎年1%ずつ減額。それに加え、政府は、国立大学中期計画の改革計画書を出させて、その評価に応じて運営費交付金を傾斜配分する仕組みを16年に導入決定。要は、国が認める学問、研究には予算付けされるが、そこから外れれば予算が減る。国が行っている傾斜配分によって、学問の自由を事実上制限しているのが現政権です。「選択と集中」の姿をした学問の破壊でしかありません。

 

この本法案の中に、ごめんなさい、これお伝えしていないんですけれども、本法案の中に、これ、大学の軍事研究、これに対する歯止めになるようなものって何か入っていますかね。

 

○委員長(上野通子君)
どなたですか。

 

○衆議院議員(大野敬太郎君)
基本的には、軍事研究に、この支出方法に対する歯止めというのが掛けられているかというと、本法律案ではそういった旨の規定はございません。

 

○山本太郎君
そうですよね。(発言する者あり)あっ、軍事研究の定義が分からないというとぼけ方もありですよ、今お声をいただきましたけど、自民党側から。デュアルユースという言い方にも言い換えられますよね。

本法(注:改正前の研究開発力強化法の第28条)には既に、「我が国及び国民の安全に係る研究開発として、防衛を含む開発研究に必要な資源の配分を行う」という規定が既にあるわけですから、歯止めなんてあるはずもないんですね。

これ、ちょっとお聞きしたいんですけど、政府の方向性、政府の方向性をこれ補完するために、閣法ではなく審議時間が短いこの議法で出されたというわけではないですよね。これ確認させてください。

 

○衆議院議員(渡海紀三朗君)
決してそういうことではありません。
政府は政府でいろんな決定をされておるわけでありますが、やはり我々、これ約半月ぐらいにわたっていろんなヒアリングもし、なおかつ、その結果としていろんな議論をさせていただいて、むしろ政府に対していろんなことを促すというプログラム法になっているということは是非御理解をいただきたいというふうに思っております。

 

ですから、再三議論になります若手研究者の問題であるとかそういった問題について、現状でいろんなことが行われておりますが、それだけでは不十分だというような認識もございます。

 

また、先ほどから議論になっています運営費交付金の問題につきましては、我々も、同じような危機意識というものが今特に国立大学等を中心に広がっているということは、私は党内の大学改革の議論をまとめさせていただきましたから、よく分かっているつもりでございます。
そういう中において、今何が求められているか、これは大学自身もやっぱり変わらなきゃいけないということであろうと思います。それをどういう形でやっていくかということに関してはいろんな御意見があろうかなというふうに思っているところでございまして、余り私が長くしゃべっていると山本先生の時間を取ってしまうわけでありますけれども、やっぱりまず大学が自ら、先ほどから盛んに出ているように、大学に余り政府は口出すなって、当然です。それは私は当然だと思いますが、しかし、じゃ、かといって大学の中で改革が行われていないという現状をほっておいていいというものでは私はないというふうにも思っているところでございまして、その辺のところをどのようにバランスを取っていくかということは非常に重要な問題であると思います。

 

○山本太郎君
ありがとうございます。ちょっと球を投げたらしっかりとお話しいただけるという、もう政治家のかがみのようなお話でした。ありがとうございます。
入口を絞ったんだから出口が大変なことになるだろうと、大学経営が大変だろうと、だから出口を何とか活性化して、今窮地(きゅうち)に立たされている大学経営を何とかしたいんだという思いでこの議員立法を出されたということをお話しされたと思います。ありがとうございます。
本法案では、若年の研究者の雇用の安定に触れられています。これ、非常に問題意識としては共通している部分だと思います、私とも提案者とも。主に任期付博士研究員、いわゆるポスドクについて、12条の2、本法案の12条の2では雇用の安定等に資するために必要な施策を講ずるとあるんですけど、どんな施策でしょうか。

 

○衆議院議員(大島敦君)
御質問ありがとうございます。
私も、国立の研究所、ほぼ全て行っておりまして、研究者の方と意見交換をさせていただいています。その中で、やはり我が国が成長を続け新たな価値を生み出していくためには、この科学技術、イノベーションを担う創造性豊かな若手研究者の育成、確保が不可欠であると考えております。

 

このために、例えば、優秀な若手研究者を雇用した研究機関への支援、業績評価の適正化や年俸制、クロスアポイントメントの導入などによる人事給与マネジメント改革の推進、科研費など競争的研究費における若手研究者支援の重点化などに取り組むことが必要と認識をしておりまして、先生が御指摘になりました改正案第12条の2の規定を踏まえて、国、研究開発法人、大学等において、若手研究者の雇用の安定化が進み、この部分が大切でして、若手研究者の雇用の安定化が進み、その活躍が期待、その活躍が促進されるよう、思い切った施策が政府で講じられることを期待をしているところです。

 

○山本太郎君
ありがとうございます。
これ、まあ一応若年研究者ということなんですけど、ちょっと今研究に関わっているとかというところ以外にも、以前国の失策で大量に生み出された、何ていうんですかね、超高学歴、それだけじゃなく、本当に専門的知識を持った、もう今や中年に差しかかった人たち、たくさんいらっしゃるんですね。その人たちもカバーされているかといったら、恐らくされていないと思うんです。

 

科学分野におけるロスジェネ問題といえば、96年から2000年に実施したポスドク1万人計画が発端。

博士号取得者1万人にするって国が旗振ったんですけどね、結局、ロスジェネ世代、これどんかぶりなんですよ。大量の博士号取得者が出たけれども、生活困窮状態を今も続けている。「奨学金返せず自己破産、収入200万、借金600万」などの見出しがあふれるほどですよ。この方々に何とか、もちろん若年もそうなんですけれども、ポストを与えていただきたいんですね。今教えていただいたことは、今あるパイの中でやりくりするだけの話で、今までの延長線上でしかないんです。

 

じゃ、何があるかといったら、資料の④、2015年の4月、生物科学学会連合が皆さんに対して要請しているんですよ。

 

資料④‐①

資料④‐①

資料④‐②

資料④‐②

 

何か。「国家、地方公務員の採用に博士号取得者の枠を要請しています」ということなんですけれども、ほかにも、国会議員のスタッフとかにも、これを例えばもう1人公費で雇えるようにするとか。

アメリカの国会議員見てみたら、雇っている秘書、日本の比じゃないですよ。人口比で見ても日本の方が少ないという状態なんですね。こんな感じで霞が関、永田町というようなところにもエリアを広げて、こういうポスドク、ロスジェネ世代から今の若年層にわたる人たちまで、本当に人材を活用するという意味でそういう枠を広げていくというような取組というのは、これから先生方、先輩方は議員立法などでやっていくおつもりはあるのでしょうか、いかがでしょうか。

 

○委員長(上野通子君)
時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

 

○衆議院議員(渡海紀三朗君)
当面そのことを議員立法でやろうという議論にはまだなっておりませんが、これは政府がこういった法律の要請に応えてしっかりと検討すべき問題であると。大きな意味で先生が今おっしゃいましたポスドク問題等については我々もいろんな課題があるというふうに認識をしておりますし、様々な方法を通じてこういう問題がしっかりと解決されるようにこれからも努力をさせていただきたいというふうにも思っているところでございます。

 

○山本太郎君
終わります。

 

【反対討論】

○山本太郎君
山本太郎です。本法案に反対討論です。

 

本改正案は、イノベーションのために更なる大学と企業の連携を強化することを明確に打ち出した法案です。

 

本法案は、大学などの研究開発の出口の部分での果実をキャッシュにする、「34条の5」では大学発のベンチャー企業の株式の保有を国立大学に値上がりまで保有することを認めて、その株価の含み益を研究資金捻出に利用させることを認めているのが大きな特徴。それは、現状の国の研究開発の支援が惨たんたる状況を踏まえれば、ある程度やむを得ず、米国での成功例もあり、日本でも導入することはやぶさかではありません。

 

一方、「28条」の「国及び国民の安全に係る研究開発」で、防衛、すなわち軍事も含めた技術開発の推進を政府の方針と連動して促進している点に懸念があるほか、「12条の2」では、若年研究者の雇用安定の施策を国が講じるとしているものの、具体的な対策案は今ある施策の延長線上、今のパイの中でのやりくりにすぎません。これでは国の施策により安定した職に就けない、専門的知識を有する者は多くが生活困窮のままです。

 

私が会った何人かの現役理系大学院生、ポスドク候補生にも本法案を見てもらい、気になる部分を聞きました。本法案「第6条」について、努力義務とはいえ、大学等が民間事業者と連携することが求められる条文になっている。大学研究者が企業の論理に絡め取られる方向では、教育への予算配分の根本的な改善が厳しくなるのではと不安を語ってくれました。

 

自民党の議員の方々は、本当にアベノミクスの仕組みというのを御理解されているんでしょうか。第1の矢、大胆な金融緩和。第2は機動的な財政政策ですが、2年でと豪語していたデフレ脱却がなされていないのは、第2の矢、財政出動が弱過ぎるからです。

 

その基本、大前提を理解されているならば、大学への交付金を絞った部分を出口で企業とひっつけ、金になるようなイノベーションにつなげて研究資金を担保させようとせずに、政府に新規国債の発行を要求し、大学の基金に積むということを政府に進言する方がよほど学問の健全性が担保されるのではないでしょうか。この方法をやるには、もうインフレ率、到達する前にやらなきゃいけない話ですから。日銀の買いオペによって、借金ではあるが財政に負担がない状態を担保できるだけではなく、その方法をもって実質今借金を減らしているのが現実です。

 

議員立法ではなく政府に教育国債の発行を求め、教育、教育に十分な財政支出をすることは、現政権の経済的スタンスの建前としてもマッチすると考えます。

 

「基礎研究は企業が投資できるものではなく、政府が担う。基礎研究の結果として種から芽や枝が出て花が咲きそうな段階に来たら、その後は産業界も費用負担して一緒に応用研究に取り組むべきだ。今の産業界はおいしい果実がいくつかできた段階から初めて金を出す。厚かましい」、これは今月3日、「日経新聞」で、今年のノーベル賞受賞者本庶佑(ほんじょたすく)・京都大学教授が語った言葉。(※資料⑤)

 

資料⑤

資料⑤

 

ひたすら企業との連携を強め、軍民共用技術までも射程に入れ、イノベーションを実現しようとする、もうかるならば何でもよいという倫理を失ったかのような政府や財界の姿勢と本法案が連動している点、それを圧倒的に審議時間が短い議員立法を使っての提案にも不信感を覚えます。閣法でしっかりと議論すべきです。

 

自由な学問を阻害する教育予算の配分の継続を許し、出口強化と称して企業側にアシストし続ける政府方針と一体の本法案には反対と申し上げ、終わります。




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