山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

○山本太郎君
自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、質問をいたします、TPPについて。
TPP協定と先頃改正法が成立した官民連携の手段であるPFI事業との関係についても聞いていきたいと思います。

まずは大臣になんですけれども、TPPにおいてコンセッションは政府調達の対象に含まれるでしょうか。

 

○国務大臣(茂木敏充君)
TPP協定の第十五章、政府調達の規定の適用範囲となる対象調達については、各国ごとに附属書の15―Aに規定が置かれているところであります。
同附属書において、我が国の対象調達において規定した日本国の表においては、同項のPFIにおけるいわゆるコンセッション事業は対象外となっておりまして、TPP協定第15章、政府調達の規定の適用範囲に含まれていないと考えております。

 

○山本太郎君
ありがとうございます。
条文を引用しながらのちょっと硬い感じで御説明いただきましたけど、含まれないということですよね。

PFIのコンセッション制度とは、公共施設の所有権を自治体などが有したまま施設の運営権を民間事業者に設定する方式だと。TPPにはこのコンセッションは含まれないとのことでした。

 

TPP協定では、第15章が政府調達の章、各国の特殊事情を考慮した附属書というパートがありますと先ほど大臣も教えてくださいました。
資料の①です。日本に関する附属書15―Aというものですよね。その中にPFI法、つまり「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」という名前が書かれている、いわゆるPFIの正式名称が書かれている箇所が二つあると。

 

資料①

資料①

 

F節、建設サービス、主に建設を主とするPFI事業と、

G節、一般的注釈であると、この二つであると。

F節には、「2011年11月30日時点のPFI法の適用範囲内の建設事業」について適用とあり、G節では、「2010年12月10日の時点での適用範囲の事業に係る調達」について適用とあります。

二つの節では適用対象となるPFI法の範囲が違いますと。

G節では、2011年よりも古いPFI法の対象事業しか対象にしていない。

もう一方のF節では、2011年11月30日時点とある。
その日何があったか。PFI法でコンセッション制度が認められた、改正が行われた日だと。

 

あっ、じゃ、やっぱりTPPにコンセッションは含まれるんじゃないかって最初私は勘違いしたんですけれども、よくよくF節をちゃんと読めば、PFIの適用範囲内の建設事業について適用と書かれている。

コンセッションは運営権についての部分ですので関係がない、大臣がお答えいただいたその内容だと思いますけれども、TPPにコンセッションは含まれないということになりますと。

 

資料の②。

TPPよりも加盟国が多いWTO、世界貿易機関における政府調達ルールの日本国の別表6と7においても、実はF節とG節と同じ内容が書かれている。

 

資料②

資料②

 

つまり、PFI事業の中のコンセッション事業については、TPPの政府調達ルールにおいてもWTOの改正ルールにおいても含まれないということになるんだと。
資料の③。今年5月16日の衆議院内閣委員会の議事録です。

 

資料③

資料③

 

TPP整備法審議の際、立憲民主党の福田(昭夫)委員が、自治体の水道事業について、TPPで民営化されたらというような内容を御質問されたんですけれども、政府側の澁谷参考人の答弁が、ラインが引かれています。

読みます。

 

「水道事業につきましては、どちらかといいますと、これは公営サービスということで、政府調達の分野に属するのではないかと思いますけれども、コンセッションも含めて、今回は政府調達の対象にしているところでございます。」。

 

この答弁、明らかにコンセッションはTPP15章の適用範囲に含まれないというような感じにはちょっと伝わりづらいんじゃないかなと思うんですよね。
大臣から非常に細かく、固いお言葉といいますか、正しい内容でお伝えいただきましたけれども、例えば「対象調達」とかいう言葉ですよね。

これは、TPP15章、政府調達の中に小さな適用範囲があって、そこのことを対象調達と呼ぶんだと、この中に入っているものしか適用されないんだというような細かい説明をなされたんですけれども、澁谷さんの場合はもっとざっくりと説明をなさっているので、非常に誤解が生まれやすいと思うんですね。
澁谷さんのされた御答弁は、これ、TPP15章の適用範囲に含まれないというようなふうに受け取りづらいというふうに私は思うんですけれども、これはこういう答弁の仕方で問題ないのかということを大臣にお伺いしていいですか。(発言する者あり)

 

駄目ですよ。いやいや、ちょっと待ってください。これは、説明、当時答弁をなされた澁谷さん、その澁谷さんの答弁内容がそのまま受け取って、ちゃんと理解できているかということに関してしっかりとコメントを大臣からいただきたいんですよ。(発言する者あり)

 

いや、それは後で時間設けますから、大臣、お願いします。

 

○国務大臣(茂木敏充君)
まず、私に御指名いただきましたので、基本的な考え方、TPP協定の政府調達書の中で我が国が約束している内容、これは先ほどもありましたように、既に我が国がWTO政府調達協定において約束しているものと同様でありまして、現行の国内制度を変更したり、新たな市場を外国企業に開放したりするものではありません。
また、多分御懸念をいただいておりますISDS等につきましても、投資受入れ国の政府に我が国投資家の利益を不当に侵害させない、こういう効力を持つものでありまして、我が国の中小企業等の海外展開を促進する効果を持つと考えております。

 

他方で、TPP協定の投資章では、投資受入れ国が公共の福祉に係る正当な目的のために必要かつ合理的な措置を講ずることは妨げられないこととされておりまして、また、必要な留保等を行うことなどによりまして、国内法との整合性をしっかりと確保しているところであります。

 

その上で、5月16日の澁谷統括官の答弁、確認をさせていただきましたが、

通告をいただいていない御質問であったため、いわゆる建設事業を民間に委ねるような、コンセッション以外のPFI事業を念頭に置いて答弁したため、答弁で間違えたということでありまして、コンセッションは先ほど申し上げたように対象ではなく、誤った答弁であることから、議事録の修正等、必要な対応を取ることとしたいと思います。

 

○政府参考人(澁谷和久君)
今大臣が申し上げたとおりでございまして、山本先生が御配付の資料③、今朝拝見をいたしまして、自分の間違いに気付きました。先ほど大臣が申し上げたとおりでございますが、大変申し訳ないと思っております。

 

○山本太郎君
実際とは違う内容が議論されて、それが答弁として、議事録として上がっているって、これ大問題なんですよ。大問題じゃないですか。

だって、TPP15章の適用範囲に含まれない、コンセッションは含まれないっていうことを、全く違うふうに取れるように答えているわけですよね。

 

で、間違いだっていうふうに言われたという話なんですけど、このような間違いが恐らくほかにもあるんじゃないか。
当然ですよね。TPP12、元のTPPの話になっていったら、もっと複雑、もっと量が多いわけですよ。これ、ちゃんとした議論ができているかどうかということは、精査されなきゃ分かんないという状態なんですよね。このままTPP、まあ11という形、仕組み、12が組み込まれているから同じことだけれども、これを採決するなんてあり得ないんですよ、はっきり言って。
今朝気付いたんですよ、間違いだってことが。恐らくこの資料を挟み込んだ時点でってことですよね。資料を確認した時点で内容を見ていったら、これは違うかったと。適用されないものを適用されるというふうに言ってたということですよね。これ、まずいでしょう、それは当然。

 

大臣、これはこのまま採決していいような話じゃないと思うんです。やっぱり議論深まっていないと思うんですね。で、このような間違いがちゃんとないように、統括官がそのように理解が深まっていなかったと。

 

まあ、これ、かわいそうですよ。だって、もう超天才一人に荷物を全部預けてしまっているような状況で、一人で答弁なさっているから、スーパーマンみたいにね、こういうことも生まれるってことなんですよ。

 

やっぱり澁谷さんみたいな人がもういっぱいいて、それぞれがみんな掘り下げられるという状態にして、答弁もできるという状態にできていないということですよね。これ、非常に悲劇的なことだと思うんですけれども、今の状態でこれ、今日間違いが見付かりましたと、このまま進んで採決なんてあり得ないということなんですよ。
丁寧に、採決までに一旦、採決する前にもう一度チェック、今までの答弁、TPP12のときの答弁から間違えがないかということですよね、そういうことをちゃんともう一回掘り下げていくという作業をまずやらなきゃ、これ、とてもじゃないですけれども無理ですよ。

 

で、それに加えて、恐らくこういうことがあるという話だったら、恐らく相手国とのやり取りでもこういうことがあり得るという話になってくるんですね。当然ですよね。いや、外国では気を引き締めて言っていますのでという話じゃないでしょう。じゃ、日本ではどうなんだという話になりますから。そういうことではないんです。これ、非常に大きな問題だと思っています。大臣、いかがお考えでしょうか。

 

○国務大臣(茂木敏充君)
先日の答弁につきましては先ほど申し上げたとおりでありまして、通告をいただいていないことに対して誤解した形で答弁をして、そこに間違いがあったということで、そこは謹(つつし)んで訂正をさせていただきたいと思っておりますが、先日、山本委員から政府調達について御指摘を受けました。私の方で、先生の御意見違うんではないかなという話を差し上げて、次回先生も自分の発言が間違いだったと、そういったことはあるんだと思います、基本的に、いろんなやり取りの中で。正しいことを確認していくということでありまして、決して私はあのときに鬼の首を取ったように先生のことを責めたことは全くなかったと、このように記憶をいたしております。

 

○山本太郎君
申し訳ないんですけど、説明者と質疑者、ここに対して、質疑者は、質疑者が間違えるということが、それはあるでしょう。もちろん、質疑者も、質問者も間違えることはあるでしょう、それは。でも、絶対的に間違えちゃならない部分で間違われたら困るという話なんですよ。鬼の首取ったようにという話じゃないですよ、大臣、基本中の基本ですから。
だって、この日に政府調達、15章の中のコンセッションを含まないことを聞かれると思ったという話でコンセッションの話になったから、これ答えられなかった、違う認識で答えちゃったという理解ですよね。

 

でも、これ、15章の政府調達、この中で対象調達となるもの、PFIに限ったという話で話していけば当然コンセッションが外に出るというのは、これ、私、何度も確認して、これびっくりしたんです。要は、政府側の答弁はこう言うし、これ、PFIの係の人にも外務省にも、TPPとの関係で調べていっても、でも、何か違うのかなと、自分が違うのかなと、そんなような混乱を生み出しているという話なんですよ。
鬼の首取ってという話なんですけど、それ、全然違う話なんです。だって、統括官であったり……(発言する者あり)いやいやいや、言われたじゃないですか、今。

 

○委員長(柘植芳文君)
個人間の対話はやめてください。

 

○山本太郎君
個人間の対話じゃないんですよ、これ。
鬼の首取ったようにという話ではなく、これは、だって、説明していただかなきゃいけない方々、完全に理解された上でこれを国会で説明をしていただくという場においてこのような間違いがあった。

 

私、当然です、間違えることありますよ、だって山本太郎ごときですもの、間違えることあります。先日、大臣とのやり取りの中でも謝罪させていただきましたよね、先日私間違えていましたと。(発言する者あり)いえいえ、だから、私から言ったんですよ。それを鬼の首取ったように言わなかったでしょうという話じゃないんですよ。間違いは間違えたとして認めますと、私はそういう立場です。
間違いとして認めていただいたんですけど、一議員が質問のときにその内容を間違えたという間違いと、これは、統括官が重大な国際協定において、これ本当に……(発言する者あり)そうですよ、交渉にも関わっていた人がこのような間違いがあったというのは大問題だという話なんですよ。そこを同等に捉えられているという時点でちょっとお話にならない感じがするんですけれども。
これ、済みません、もう一度、採決どうしたとか出口ありきの話ではもうなくなったんです、この時点で。これ、もう一回やり直しが必要だと思っています。これ、一旦仕切り直しということをお願いしたいんですけれども、委員長に。

 

○委員長(柘植芳文君)
ただいまの提案につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

 

○山本太郎君
いやあ、本当に、ということは、いろんなところで同じようなことが起こっている可能性があるということですね。

日本の国益を担ってTPP交渉の中心で活躍されてきた方の説明が事実とは正反対、それが伝わるというのは大変まずいことであると、同じような間違いであったり説明不足だったり誤解をさせたまま外国との交渉が行われている可能性も否めないじゃないですかと、このことは大変危うい事態だということを大臣に危機感を持っていただきたかったんですが、あなたも間違えたけど、そのときには私たち言わなかったというような答弁というのは、非常に筋違いといいますか全く違った話であって、要は、説明者と、説明責任を果たすというところの側にいるということを少しお忘れになっているのかなというふうにも思います。
PFIのコンセッションはTPPの政府調達の対象調達にはならない、つまり15章の義務の適用から逃れるということで、次に参りたいと思います。
現在のPFI法でのコンセッション、建設含まないものですけれども、資料の④、新聞記事、これは、2013年、日刊建設工業新聞の記事、この中で、今のコンセッション制度には存在しない、施設全体を対象として新設や改装も伴うフルパッケージ型へと展開させていく戦略が書かれています。新設というのは建設を伴うという意味ですよね。将来的に、国内のPFI法改正やTPPの見直し協議があった場合には含まれる余地はあるはずです。

 

資料④

資料④

TPPにおける政府調達章では、附属書15のAに記載のあるように、地方における一定の基準額以上の公共事業あるいはPFI事業については、十五章における内国民待遇の遵守が求められることになっています。その基準額に満たない事業に関しては、外資が入ってきた場合には、入れるけどルールでは守られませんよという理解であると。
資料の⑤。TPPにおける政府調達ルールは、協定の効力がスタートするときにはWTOと同じルールなんですけれども、別途、TPP15・23条、24条では、「政府調達に関する小委員会」という締約国同士の会議で自由化の範囲を議論することになっています。

 

資料⑤

資料⑤

 

先日の磯田参考人もそのようにお話をくださいました。補足すると、小委員会開催は、TPP11では3年以後が5年以後に変わったそうです。

 

〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕

 

これ、数年後の小委員会において、日本の政府調達の適用範囲、これが拡大されるという可能性も当然ありますよね。大臣、いかがお考えですか。

 

○政府参考人(澁谷和久君)
第15章の24条の「追加的な交渉」は、元々、これはアメリカなど州政府を開けていない国が5か国ほどあったものですから、それらの国に対して、TPP協定においては我が国も地方政府は開けておりません。地方政府を持っていながら開けていない国に対して、まずは地方政府はWTO協定並みに開けてくれという交渉をするというのが追加的な交渉の一番の趣旨でございます。
もちろん、条文上それ以外のことも協議できるということでございます。もちろん、これは協議ですので、誰かがこういうことを協議したいと言えば、それは小委員会の議論の対象になるわけでございますが、小委員会での意思決定は全てコンセンサス方式ということでございますので、我が国の意思に反して合意がなされるということはないということでございます。

 

○山本太郎君
じゃ、大臣、数年後のこの小委員会で日本のこの政府調達の分野が適用拡大されるということは、大臣御自身はないんじゃないかなというふうに思われるんですか。

 

○国務大臣(茂木敏充君)
小委員会におけます決定、これはいずれの国からも反対がないことが条件となっております。この点は協定の27の3条において全ての決定をコンセンサス方式で行うと明記をされておりまして、我が国の意向に反して合意がなされることはないと、そのように考えております。

 

○山本太郎君
一国でも断ればそれは成立しないというお話なんですかね。なるほど、ありがとうございます。

 

〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕

 

でも、それはこの3年以後、5年以後、まあ11と12で違いますけれども、そこからの流れでどういうふうに転んでいくかということは全く先が読めないわけですよね。小委員会によってその平等性を広げていく範囲が広まっていくんだよと。外資も平等に入れてやれよという話になるのが普通の流れですもんね。
そればかりか、日本という国はといいますか、安倍政権によるこの外交交渉という部分に関しては、ハイスタンダード、自由貿易の旗手という部分を表に出して、先ほど、何でしたっけ、アメリカの例を出されて、202、301(注:米通商法202条、301条)というようなお話が出て、鉄鋼、アルミ、自動車、それと301がルールという役回りで、202よりも301なんだというようなアプローチのお話をされたと思うんですけど、とにかく実を取るというよりか大きなルールを、そこを作っていくというところに重きを置かれているような部分があると思うんですけど、そう考えると、これ、政府調達においても開かれていくという可能性は否めないものだと思うんですね。
TPPにおいて、コンセッション事業を15章に適用させている参加国を教えてくださいという話だったんですけれども、私が答えますね。今のところ、オーストラリアが確認できると。コンセッション方式を含む幅広い方式を活用していて、明示的に除外する規定は存在していないんだと。

 

コンセッションに限れば、そこだけはオーストラリアは取りあえず扉を開いているわけですよね。だとしたら、この後、オーストラリアに続けという話になる可能性も否めないという話だと思います。

 

日本が譲っていない部分で既に譲っている国があると。

日本側も、自由化に向けて常に前向きにどこよりも率先してその姿勢を示すスタンスでしたよね。この数年間の間、何も交換していないのに勝手に差し上げているものもありますもんね。

 

これ、PFIの話を脇に置いたとしても、15章、政府調達では、ハイスタンダードのグローバリズムを目指すため、15・23条、15・24条の「政府調達に関する小委員会」で追加的な交渉を行い、調達機関の表の拡大、基準額の改定、それに加えて、差別的な措置の削減及び撤廃を議題にするということがもう書かれているわけですから、どんどん自由化をしていく。

 

対象機関の拡大、適用基準の引下げ、地方自治体を中心にどんどん行われていくということが盛り込まれた条文なんだろうなと思うんですけれども、自由化のためのTPPなんですから、後戻りは許されないはずですよね。自由化に向かって進んでいくというのは当然だと思います。
大丈夫ですか。騒がしいですけど、何かあるんですか。急に採決とか、そういう話じゃないでしょう。大丈夫ですか。(発言する者あり)そうですか。いやいやいや、そんなことないですよ。何かイベントがあるんじゃないですか、この後。そういうことじゃないんですか。

 

○委員長(柘植芳文君)
どうぞ質問を続けてください。

 

○山本太郎君
いやいや、これも質問のうちに含まれています。私から今質問したんです、皆さんに。

 

続けます。もう一回、コンセッションに戻します。

 

TPP15章の政府調達章の「対象調達」にはならないということなんですけど、でも、そうは言ったって、「コンセッション以外の建設などのPFI」については15章が適用されるが、コンセッションについては除外していると。

 

また、コンセッションについては、9章で言うところの政府調達の網の中には入りますから、資料の⑥、前々回の大臣の答弁のとおり、9・4条、9・10条、内国民待遇とか履行要求の禁止も対象にならない。
一方で、コンセッション以外のPFI事業については、15・4条の内国民待遇の義務に係ると。

 

資料⑥

資料⑥

 

いろいろ外されているから安心なのかなとは思うんですけれども、でも、コンセッションがTPPの15章の適用から外れているとしても、コンセッションに参加あるいは参加しようとしている事業体が外資系企業である場合には、9章により保護される投資家や投資財産に当てはまるわけですよね。

 

9章の中で、政府調達が適用されないとなっている義務以外の部分、つまり前回の質疑で取り上げた資料の⑦、9・6の「公正衡平待遇(義務)」、9・8の「収用及び補償」に関しては、その違反を理由にISDSで訴えられる危険、依然と残っていると思うんです。

 

資料⑦

資料⑦

 

投資する目的は政府調達に参加するためかもしれないけれども、投資した、何かを会社設立しましたとなると、会社自体が投資財産になるじゃないかと。そうなるとISDSの対象になってしまうよね、9章は投資章だからと。
非常に、もうISDSのどこでも引っかかるというような作られ方がしているのかなというふうに思っています。非常に悲惨なことにならなきゃいいなと。

 

もちろん、ISDSに対して一番危機感を持っていた自民党の皆さんですから、私の言っている意味は非常に御理解いただけるとは思うんですけれども。

 

続きまして、資料の⑧。

ちょっと話、話題変えますね。以前、TPP特別委員会で、福島みずほ議員の質疑に対する当時の石原大臣の答弁です。

ライン部分だけ読みます、要点なので。

 

資料⑧

資料⑧

 

「TPP協定では、いわゆる予防原則について明示的には触れられておりません。TPP協定のSPS協定の規定は、」「WTOのSPS協定と同様に、加盟国に食品の安全を確保するために必要な措置をとる権利というものを認めております。」。

 

政府見解、これ、今も間違いがないということで、大臣、よろしいですか。

 

○国務大臣(茂木敏充君)
TPP協定におけますSPS、衛生植物検疫措置に関するルールはWTOのルールと基本的に同じでありまして、我が国の食品安全を脅かすようなルールはないと考えております。

 

TPP協定においては、いわゆる予防原則について明示的に定める規定は存在してございません。

 

○山本太郎君
ありがとうございます。
明示的には書かれていないけれどもという話ですけど、じゃ、シンプルに、TPPで予防原則に基づいた食品の安全のための措置というのは行えるんでしょうか。大臣にお願いします。大臣です。いや、大臣、大臣ですよ。

 

○国務大臣(茂木敏充君)
先ほど申し上げましたように、TPP協定においては、いわゆる予防原則について明示的に定める規定は存在いたしません。
また、TPP協定のSPS章、第七章になるわけでありますが、ここはWTOのSPS協定と同様に、食品の安全を確保するため各国に科学的根拠に基づく適正な措置をとることを認めるものでございます。

 

○山本太郎君
TPPには、だから、予防原則に立てるというような明示的なものはないということですよね。けれども、科学的に立脚したものであればそのような措置がとれるというお話をしたと思うんですけど、ということは、それ、予防原則には立てないということじゃないですか。予防原則には立てないということでよろしいですね。大臣ですよ。

○国務大臣(茂木敏充君)
先ほど来、同様の質問に対しまして厚生労働副大臣等々も答弁をしているところでありますが、各国に科学的根拠に基づく適切な措置をとることを認めるものだと、そのように理解をいたしております。

 

○山本太郎君
絶対に言わないんですけど、予防原則に立てないんですよ、要は。そういうのは予防原則とよう言わないんですよと。だから、ずっと言っているんです。分かりながら言ってはるんです、石原大臣の時代からずっと。食の安全が守られるなんて大うそなんですよって話なんですよ。
WTOルールと一緒だって。じゃ、WTOルールのとき、どうでしたかって。

ホルモン牛輸入しようとした、ホルモン牛を輸入していた。ホルモン、成長剤を打たれたというのをアメリカ、カナダがヨーロッパに輸入するということに対しては、ヨーロッパはもう入れないと、これ人体に影響あるかもしれぬからと、予防原則の感覚で立てたけれども、これ全く無視したじゃないですか、WTOのパネルが、上級審も。結局、決断下ろさなかったでしょう、決断しなかったんですよ。予防原則に全く立てないってことですよ、これ。どうやって国民の命守るんですかって。

 

予防原則に立てずに、この国に一体どんなこと起こったのかってことを考えてくださいよ、国民の生命、財産を守ると言うんだったら。予防原則に立てないような新たなTPPというルールをこの国のSPSに含めるのかって話ですよ。

 

例えば、水俣病でどうですかって。原因が分かって、そこから対処されるまでにどれぐらいの長い期間が掛かったんですかって、20年ですよ。ほかにはって、例には事欠かないじゃないですか、この国に。すごいなって。

 

魚介類の捕獲、発売が禁止されたのは、最初の兆候として現れたもの、猫が狂い死んだんですけど、そこから数えたら20年間何もやってこなかったんですよ、この国は。それで今どうなっているかって、認定された患者だけでも3000人と、既に亡くなった方、認定されていない人を含めると10万人だと、20年間放置しっ放し。国が予防原則に立って判断をしていれば、こういうことにならないんですよ。

 

でも、TPPでは予防原則立てないじゃないですかって。予防原則に立とうとしたら、これ、また訴えられる話になるんじゃないですかってことですよ。

 

予防原則の非適用による典型的な失敗例、アスベスト被害も有名。環境省、アスベスト問題に関する環境省の過去の対応についてというレポートで、予防的アプローチができなかったことがアスベスト被害を拡大させた原因と認めている。

 

ほかにもどんなのあった。イタイイタイ病、四日市(よつかいち)公害、六価クロム鉱滓(こうさい)事件、土呂久ヒ素公害、カネミ油症事件、杉並病などなど。被害が確認されてから対症療法的に取り組んだのでは手遅れだって、取り返しが付かないんよ。だから、予防、予見的なアプローチが求められる、だから予防原則が重要なんだって。
暫定措置にもなっていないんじゃないですか、ほとんど、WTOの扱いは。判断を避けた、二つの闘いになった。牛を入れる入れない、その話と、もう一個はそれに対する対抗措置。牛の方は、ややこしいからと判断するのをやめて、結局ヨーロッパ側が年間四万トンを超えるような牛をアメリカから関税ゼロで入れることになったじゃないですか。そういう目に遭うんですね、この国も。予防原則に立てないんですね。

 

TPPになれば、これ、パネルで闘うんじゃないですよ。国と国とのやり取りじゃないじゃないですか、これ。ISDになったら企業と国なんでしょうって。何でも入れなきゃいけなくなるんじゃないですかって。
TPP11もTPP12に関しても全く議論が深まっていない。答えられる答えさえ答えない。メモはあったんですか、紙があったんですか。なかったですという一言も言えない。基本的なことも言えないような議論で、どうやって深めて、どうやって採決するんですかって。無理です。もう一度やり直しですよ、こんなのは。

 

よろしくお願いします、委員長。仕切っていただきたいと思います。どのような段取りにすればいいのかは、私、ごめんなさい、ちょっと今、キャリアが少ないので、なので、ちょっとあっち行ってですか、お願いします。

 

○委員長(柘植芳文君)
後刻理事会で協議をいたします。

 

○山本太郎君
終わります。




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