国会活動
2015.12.11 復興特委「明らかに多発、異常事態」
2015年12月14日
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○山本太郎君 ありがとうございます。
生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
10分しかございません。是非、端的にお答えいただけると助かります。
11月30日開催されました福島県県民健康調査の第21回検討委員会で公表された資料によりますと、当時18歳以下だった子供を対象に行っている甲状腺検査の結果、2011年から今年9月30日までの間に、153人の子供が甲状腺がんの悪性又は悪性疑いと診断されました。これって、多いんですかね、少ないんですかね。皆さんはどう思われますか。
現在も官邸に対する助言を行う原子力災害専門家グループの一員であり、県民健康調査検討委員会の初代座長でもあったミスター100ミリシーベルト、山下俊一さん、2009年、日本臨床内科医会会誌で、日本では思春期を越えた子供の甲状腺がんをまれに見るくらいです、その頻度は年間100万人に一人と言われています、これは欧米、日本、ほぼ変わりありませんとおっしゃっておりました。東電原発事故後の2011年10月、日本原子力学会誌においても、100万人に一人というまれな小児甲状腺がんとおっしゃっているわけですね。
あの山下俊一さんでさえそうおっしゃるくらいに超レアケースだった小児甲状腺がん。今回、福島県県民健康調査では、38万人中153人に甲状腺がん又は疑いとのこと。38万人のうち153人。現在、福島の県民健康調査で分かった甲状腺がん又は疑いとされた子供の数、これ明らかに多発ですよね。
今年7月の6日行政監視委員会で、小児甲状腺がんの私の問いに対しまして、環境省環境保健部長の北島さんは多発とは言えないという趣旨のお答えをされました。現在の状況も、先日の答弁のとおり、多発とは言えないんでしょうか。改めて北島さんにお聞きしたいんですよ。多発である、多発でない、二択でお答えください。
○政府参考人(北島智子君)
二択でお答えするのは大変難しい問題でございます。
福島県の県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会の中間取りまとめにおきましては、甲状腺検査の結果、甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いと評価されたものが、議員御指摘のとおり、通常の有病率に比べて数十倍のオーダーで多いことは指摘されております。ただ、この評価につきましては、被曝による過剰発生か過剰診断のいずれかが考えられるとした上で、過剰発生を完全に否定するものではないが、過剰診断の可能性が高いとの意見があった旨が記載されているところでございます。
○山本太郎君
ごめんなさい。これ、多発であるか多発でないかを答えにくいという話じゃないんですよ。多発であるということはもう認められているんです。
11月30日、福島県の県民健康調査検討委員会の後に行われた記者会見におきまして、日本甲状腺外科学会前理事長であり県民健康調査の甲状腺検査評価部会部会長清水一雄先生も、いずれにせよ予想を超えるような多発が起こっていることは事実とおっしゃっています。同日の記者会見では、県民健康調査の星北斗座長も清水先生との意見にそごはないと認め、県民健康調査検討委員会の座長も甲状腺検査評価部会の部会長も多発を認めています。
認めにくいとか、認めにくいの話じゃないんですよ、最前線の人たちが多発だということを実際にもう記者会見で言ってしまっているんですから。福島へ行かれているんですよね、北島さん、毎回、この集まりがあるときに。
福島の小児甲状腺がんは多発です。しかし、多発と認めない方々も存在している。その中の主な理由は二つとされる。
まず、スクリーニング効果。数年後に臨床症状をもたらすがんを前倒しで見付けているんだから多発に見えるんだよという論調。これ、フリップお願いしていいですか、スクリーニングの方です。(資料提示)しかし、甲状腺検査評価部会に属し、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長の津金昌一郎さんは、多発との関係、スクリーニング効果だけで解釈することは困難であるとおっしゃっている。つまり、確かにスクリーニング効果で、大規模な検査をしたから以前よりたくさんは見付かるけれども、それだけでは説明が付かないということをおっしゃっているということですよね。
そして、もう一つ、多発を認めないと言われるもう一つの理由は過剰診断。将来的に症状が現れたり命を脅かしたりすることのないがんをわざわざ見付けたんだから多発になったんじゃないの、このような論調。しかしこれ、現場の医師に対して大変失礼な発言なんですよね。多発の原因が過剰診断だと言うんだったら、じゃ、今まで100人以上行われた手術というのは何なんだよ、不適切だったのかと。
福島医科大学主任教授で前県民健康管理センター甲状腺検査部門部門長、つまり福島県の小児甲状腺検査のトップである鈴木眞一さん、過剰診断ではないという現場の事実、これは甲状腺検査評価部会の第3回、第4回で説明しておられる。これ、フリップ変えていただいていいですか。そのときに使われた資料がございます。
これは、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会編集の甲状腺腫瘍診療ガイドラインの一部なんですけれども、現場の医師の判断はこれに沿ったものだったと、基本に忠実なものだったということが示されていると思うんですね。腫瘍の大きさやリンパ節転移などからハイリスク群に当てはまっている、つまり危険性が高いという診断で、通常の診療でも治療を勧める範囲、決して過剰にならないと説明をされています。
福島県の小児甲状腺がんの多発、これを今でも否定しようとする人々は二つの理由を主に挙げる、スクリーニング効果と過剰診断。これらは、それぞれ検討委員会や甲状腺検査評価部会に参加する最前線の専門家からも否定されている。多発の原因が何かは分からない、でも多発であることは間違いない。100万人に一人と言われていたものが38万人中153人にも増えてきている。明らかに多発であり、異常事態じゃないですか。このまま、根拠のない大丈夫だとか様子見るとか、放置していいわけはないですよね。
現在福島県で多発している小児甲状腺がんが、もし元々潜在的に我が国の子供たちが持っているものだったとするならば、これ全国の子供たちに福島県の子供たちと同様の検査、調査、必要じゃないですか。健康調査必要だと思いますよ。言うまでもないですよね。決してこれ、福島県内だけで終わっていい話じゃないんです。
これ、多発であるという専門家たちの最新の知見を持って、福島県以外の地域にも子供たちの健康調査を広げる、フォローアップする必要性というのをもちろん考えなきゃいけないと思うんですけれども、井上副大臣、いかがお考えですか。
○委員長(櫻井充君) 北島部長。
○山本太郎君
おかしいでしょう。聞いていないですよ。呼んでいないです。
副大臣としての見解をお聞きしたい。
○副大臣(井上信治君)
福島県外で甲状腺検査を行うことについて、環境省の見解ということでありますが、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射線に係る住民の健康管理については、医学等の専門家の御意見を十分に尊重した上で、コンセンサスが得られた科学的知見に基づいて進めることが何よりも重要であると認識をしております。
詳細については事務方の方から答弁をさせます。
○山本太郎君
事務方からの答弁は結構です。
要は、これ2014年の12月のあり方会議、ここから内容を引いてきているんですよ、環境省は、見解として。でも、それ古いんですよ、もう。見直してくださいよ。最新の結果を反映させてください。
このあり方会議に参加されてきた方々の見解が変わってきているんですよ。どう変わってきている、これは多発だなって、原因は何かははっきりしないけれども多発であることは間違いがないというような見解になってきている。だとするならば、最新の知見を持って、この検討会であったりとか、そして、これからフォローアップどう広げていくかということを、つなげていかなきゃいけないと思うんです。
もう一度井上副大臣にお聞きしたいんです。
この2014年12月の考え方から引いてくるんじゃなくて、最新の知見を持ってこのフォローアップにしろ検討会の話の内容というのを考えていかなきゃいけないと思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○副大臣(井上信治君)
先ほど申し上げたとおり、この問題につきましてはやはり科学的知見ということが非常に重要だと思っておりますので、引き続きそれに基づいた対応をしていきたいと思っております。
○山本太郎君
科学的知見を用いるというならば、最新の内容、そして最前線の医師たちの考えていること、知見というものを考えなきゃいけない。逃げないでいただきたい、環境省。去年の12月の考え方を引きずらないでいただきたい。現場の最新の知見を利用してこれに対処しないと大変なことになります。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
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