山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

審議法案:重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の実施に関する法律案(PCSC協定)

 

○山本太郎君 新党と名のりながら独りぼっちの山本太郎です。新党ひとりひとり、山本太郎です。よろしくお願いします。
重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う、コンバットする上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定と、PCSC協定の実施に関する法律案について御質問いたします。
私は、このPCSC協定、日米指紋照合、情報提供システム協定は、何かこれ、同じ臭いがするものがあったなと思うんですよね。それ思い出したんですけれども、去年大変な問題となりました、多くの国民の反対の意思を押し切って成立してしまった、現在も多くの議論がある、そして私自身これは廃止するべきだと思っております特定秘密保護法と何か似ているところがあるんじゃないかなと思いました。行政機関が市民、国民のコントロールの利かないところで、市民、国民の自由と人権を侵害する協定、法律になるんじゃないかなと心配しております。
日本弁護士連合会、日弁連ですね、この協定と法案の問題点を大きく分けて六つ挙げられておられます。第一に、日米捜査共助条約の運用状況から見て制度新設の必要性に疑問があること。第二に、自動照会システムであるため自動照会の要件を確認する仕組みとなっておらず、照会の濫用をチェックすることができないこと。第三に、対象犯罪が広範に過ぎると考えられること。第四に、対象となる指紋情報等の範囲が広過ぎること。第五に、提供された指紋情報等が本来の利用目的以外の目的で利用される可能性があること。第六に、提供される情報が将来拡大されるおそれがあること。以上の問題点が克服、解決されない限り、本協定の締結は承認されるべきではないと、本実施法案は成立させるべきではないと日本弁護士連合会の意見書には書いてあります。僕もこれを読んだときに、ああ、同じ意見だなと思いました。
そこで、まず外務省に質問したいと思います。
この協定、法案は、重大な犯罪(特にテロリズム)を防止し、及びこれと戦うためのものということなんですけれども、この重大な犯罪(特にテロリズム)の中に特定秘密保護法違反、含まれていますか

○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。
この協定におきまして重大な犯罪というのを定義付けておるわけでございますけれども、それは二つのカテゴリーございますが、一つには、死刑、無期又は長期三年以上の拘禁刑に当たる犯罪、それと、もう一つのカテゴリーが長期三年未満一年超の拘禁刑に当たる犯罪であって附属書㈵に掲げる犯罪の類型に該当するものと、こういうふうに書いてあります。
特定秘密保護法におきましては、特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処するなど、それ以外にも罰則規定はございますけれども、そういった罰則規定を置いておるものというふうに承知しております。
このように、協定に定めます重大な犯罪の定義、長期三年以上の拘禁刑に当たる違反行為につきましては、この協定におきまして重大な犯罪に該当することになります。
いずれにしましても、具体的な事案によりまして特定秘密保護法の違反に当たるのかどうか、またいかなる罰則が適用されることになるのかというのは、個別の事案に応じてしかるべく判断されていくことになるというふうに考えております。

○山本太郎君 協定第一条、定義では、重大な犯罪とは、死刑又は無期若しくは長期一年を超える拘禁刑に処することとされている犯罪を構成する行為であってこの協定の不可分の一部を成す附属書㈵に規定されるもの、この附属書㈵には、犯罪又はこれらの犯罪の未遂、共謀、幇助、教唆若しくは予備と書いてあり、さらに、及び死刑又は無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に処することとされている犯罪を構成するその他の行為と書いてあります。随分幅が広いなあって感じてしまうのは、これ、僕だけなんですかね。
現在の日本の法律でこれらに該当する犯罪、幾つあるんでしょうか。法律の条文の数で答えていただけますか

○政府参考人(河野章君) お答えを申し上げます。
この協定に規定します重大な犯罪というのは、今委員から御指摘ありました長期三年以上というのと、それから長期一年から三年ということに分かれておりますけれども、附属書㈵におきまして、その長期一年から三年につきましては三十四の類型というものを掲げてございます。
この三十四の類型という書き方になっておりますのは、それはアメリカにおける規定の仕方と日本における規定の仕方、法律の規定の仕方というのが必ずしも一致していないことから、あるいはアメリカにおきましては州と連邦においても違うと。そのような事情もあって逐一、一対一でその法律と対応させるということは極めて煩雑といいますか非常に膨大な作業になるということもありまして、この犯罪の類型という格好で掲げたものでございます。
この三十四の犯罪類型というのは我が国の法令における罪名と一対一に対応しているものではございません。この犯罪類型に該当する具体的な事案というのが我が国の法令においていかなる罪名に該当することになるのかというのは、それぞれの個々別々の具体的な事実関係を踏まえて個々の事案ごとに判断されることになるということになります。
具体的な事案を離れまして、一般論として附属書㈵の犯罪類型が我が国においてどのような犯罪に該当するのかとか、あるいは該当する犯罪の数について包括的にお答えをすることは、申し訳ございませんが、困難でございます

○山本太郎君 条文の数は答えられないという一言で終わるような話だったと思うんですけれども、随分と丁寧に御説明ありがとうございました。
とにかく一年以上、三十四の犯罪の類型。一年以上というところ、三十四の類型と、そしてそれ以外にも三年以上という部分をくくりにしてざっくり切っているだけだと、その一つ一つの犯罪、どういうものに当たるのかということはまだ一度も数えたことがないんだという話ですよね。
それでは、条文の数とその法律の条文の一覧表というのを資料請求したいんですけれども、提出していただけますか

○委員長(水岡俊一君) 河野参事官、質問に答えてください。

○政府参考人(河野章君) 申し訳ございません。
ただいま申し上げましたとおり、この類型として書いております犯罪につきまして、逐一該当する国内の犯罪というのは何であるかという条文を特定するというのはちょっと困難でございますので、今御指摘いただきましたその一覧表というものを作ることはちょっと困難かと思います

○山本太郎君 まあ面倒くさいということだけなんだと思うんですけれども、そうですか、残念ですね、本当にね。
協定の附属書なんですけれども、㈵には三十四の犯罪類型、先ほどから言っております、というのが示されているんですけれども、日本の法律でどういう犯罪になるのかというのがよく分からないものありますよね。例えば、二番目にある拷問であったり、十九番にあるコンピューター犯罪であったり、三十四番目にある妨害行為、サボタージュ、これ日本ではそれぞれどんな犯罪に当たるのかという部分を説明していただきたいんです。手短にお願いします。

○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。
全般的な前提は先ほど申し上げておりますので繰り返しませんけれども、今御指摘ありました拷問ということにつきましては、あえて一般論として申し上げれば、傷害罪、刑法で申し上げれば第二百四条、あるいは暴行罪、刑法第二百八条などが該当するのではないかというふうに思われます。それから、コンピューター犯罪につきましては、不正指令電磁的記録作成罪、これは刑法第百六十八条の二でございます。あるいは、不正指令電磁的記録取得罪、刑法第百六十八条の三などがこれに該当し得るだろうというふうに考えております。それから、妨害行為、サボタージュでございますが、これにつきましては建造物損壊罪、刑法第二百六十条、あるいは器物損壊罪、刑法第二百六十一条等に該当する可能性があるというふうに考えております。
ただ、いずれにしましても、個別具体的な事実関係を踏まえて、個々の事案ごとに該当、何であるかというのを判断することになると考えております。

○山本太郎君 協定第六条、要請がない場合の情報の提供なんですけれども、事前の要請がない場合でも、重大な犯罪の防止、探知及び捜査のために、自国の法令に従い、他国の政府に情報を提供することができると書いてあります。その提供する情報の中身、何なのか、簡潔に御説明ください

○政府参考人(河野章君) 御指摘ありました協定第六条は、事前の要請がない場合に、個別の事案において、重大な犯罪が実行される又は実行されたと信ずるに足る理由があるときには、重大な犯罪の防止、探知及び捜査のため、自国の法令に従い、相手国に情報を提供することができるというふうに書いてございます。
これは、この協定、既に議論されておりますけれども、基本的には聞かれたら答えるというふうなつくりになってございますけれども、そうではなくて、向こうから聞かれることがなくても一定のものについて提供することがあるということで書いてあるわけでございますけれども、この規定に基づいて自発的に提供される情報としましては、重大な犯罪の防止、探知及び捜査に資するものであるということが想定されております。
具体的にどのような情報を提供するかということにつきましては、その重大な犯罪が実行される又は実行された具体的な疑いがある個別の事案に応じて個々判断されることになると考えております。

○山本太郎君 もうちょっと何か、具体的に何か例を出して答えていただけたらすごく有り難かったんですけれども、まあとにかく何でもありなんじゃないかというようにこちらは思っております。
とにかく実行されたと信じるに足りると、それは思いっ切り主観的なのに、そのほかのものというか、物すごく決め付けに近いものに関しても情報というものを提供できる可能性もあるということですよね。こちら側からもそれを向こう側に自主的に提供する可能性もあるということですよね。
ヨーロッパとかで既にアメリカとかに対してDNAというものの情報を渡しているということを聞いたことがあるんですけれども、将来的には日本もDNA情報を提供するという予定はあるんですか

○委員長(水岡俊一君) どなたに。

○山本太郎君 申し訳ないです。答えられる方に。

○国務大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。
この協定は、あくまでも指紋でございますので、今御指摘のDNAの情報という、及ぶということは考えていません、ありません。

○山本太郎君 この先、それは広げていくというような可能性もないということですか。

○国務大臣(古屋圭司君) 今はあくまでも指紋情報でございます

○山本太郎君 このシステム、完成してから公文を交換するという話を聞いたんですけれども、要は、手続をした後に、公文を交換した日の後三十日目の日に効力を生ずると、担当者の説明ではシステムが完成してから公文を交換するよということだったんですけれども、それでよろしいですか。

○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。
この協定に基づく自動照会、今ないシステムでございますけれども、これを開始するためには、国会の御承認いただいた上で、日米間におきます技術的な協議を行って関連システムを整備する必要がございます。したがって、この協定の発効というのは協定の運用に実際に必要となるシステムが整備された後となりますが、既に大臣からも答弁あったとおり、こうした準備をできるだけ早く進めてこの協定を早期に発効させたいと考えております。

○山本太郎君 ありがとうございます。
この日本の指紋の照合システムとアメリカの指紋照合のシステムをつなぐシステムをつくらなきゃいけないんだよということですよね。これ、どのぐらい時間掛かるのか、費用どれぐらい掛かるのかということを簡単にあっさりと答えていただけると助かります。

○政府参考人(栗生俊一君) お答えいたします。
この協定を実施するためのシステムの設計、整備につきましては、まず協定の国会承認や法律の成立の後、日米間で自動指紋識別システムや通信回線の仕様等に関する協議を行う必要があります。現時点でこの協議にどの程度の期間が掛かるかということは非常に難しいわけでございますけれども、先ほど来大臣からスピード感を持って臨むようにというお話をいただいておりますように、何とか東京オリンピックまでには間に合うように最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

○山本太郎君 東京オリンピックまでにということであれば、随分時間があると思うんですよね。その前にやるべきことがあるんじゃないかなと思います。
先ほど山下理事の方からもお話にありましたとおり、とにかく無罪が確定した人、任意の捜査で逮捕されなかった人、送検されなかった人、不起訴になった人たちの指紋情報を削除する必要があるんじゃないかと思うんですよね。当然そのようなシステムを構築することになっているとは思っていたんですけれども、どうやらそうではないということがはっきりしました。このままでは、犯罪を犯していない方の情報まで国家間の監視対象になってしまうという話になってしまうと思うんです。
今日はもう時間がないので、この後、日米原子力協定についてお聞きしたかったんですけれども、またの機会にしたいと思います。ありがとうございました。

 




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