山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

○山本太郎君
れいわ新選組、山本太郎です。
参考人の先生方、大変勉強になるお話、ありがとうございました。
まず、加藤先生の方にお聞きしたいと思います。
これからより高度な資源リサイクルが求められるという動きになっていくと、当然そのためにコストが増えていくということになると思います。
そのコストに見合った価格を支払ってもらえなければ、リサイクル高度化しろ、そう言われても難しい事業者というのは結構多いんじゃないかなというふうに思うんですね。
今回の法案には、リサイクル高度化に取り組み、優良な事業を行う中小事業者の後押しとなるような財政措置というのが定められていません。
これでリサイクル高度化を求められて、何かできるものなんでしょうか。
率直な感想をお聞かせください。

○参考人(加藤宣行君)
ありがとうございます。
お答えがすぐ出るわけじゃないので、ちょっと今調べてみましたが、まず、この法律に関しては、私たちの中小企業を含めた高度化に資するお金が掛かるのは今おっしゃるとおりであります。
これを効率化するためにリサイクル設備の導入に対する補助とか実施事業を行うとともに、GXに向けた資源循環に資する設備投資への支援として、政府全体で令和6年度から3年間で300億円の予算を確保するなど、必要な財政上の支援が実施されるものと理解をしております。
この300億ってものすごい大きなお金ですけれども、先ほど言ったその初期投資の高度化というその程度にもよりますけれども、この程度で足りるかどうかは全く分かりませんが、例えば、私のやろうとしているというか今やっている、プラスチックを選別する工場から一気に、プラスチックというのは先生方お分かりかと思うんですが、一言で言うとプラスチック類であって、いろんな種類に分けないと、何もごちゃ混ぜにして破砕したところで使い道がないんですね。
ポリエチレンですとかポリプロピレンですとか、いろんなものにごちゃ混ぜに集めてきたものを分けるならば、それをソーティングする技術が必要です。
今、廃棄物処理業の中で何が困っているかというと、材料の高騰化や、また人材不足であります。
こういったものを解決するのもやはりお金が必要になります。
このプラスチックを、想像論で恐縮ですが、世界に名立たる高品質な材料によみがえらせていただいて、それを国際競争力でも勝るとなるものに変えて材料供給をするというのはやったこともないし、やるとしたら恐らく数百億円の投資が必要になる可能性もあります。
ですから、今先生がおっしゃっていただいたように、300億今あると言いましたけれども、そのお金でどれだけできるかというのはいささか疑問ではありますけれども、これを皮切りに、軽微な施設の変更から含めて変えていくことが始まらないと備わらないというふうに思っています。
また余談でありますけれども、私たちの廃棄物処理施設というのは、廃掃法で定められた一定の、まあ当たり前です、基準で許可をもらっています。
例えば、経年劣化、若しくは年数がたって、1つの工場、工場の中には様々な機械がドッキングして1つのリサイクル施設になっているんですけれども、その1つに、老朽化を迎えて、その設備のみを交換したいということが数年たつとよくあるんですね。
これを買ってこようと思うと、もう7、8年たっておりますので、メーカーが存在していても、そのメーカーはもうとうの昔にそれを廃番して、より高効率な機械に変えていることって往々にしてあるんですよ。
何ですか、皆さん方が、例えば、そうですね、車でも洗濯機でも冷蔵庫でもいいんですが、7年前のものと今を比べれば、より安く、小さく、そして高効率なものって多いじゃないですか。
それの処理版ですよね。
いいことずくめなんですが、残念ながらここで問題があるのは、処理能力も上がるため、その能力が上がるということは1日に与えられているごみの処理量を上回ってしまうこともあるんですね。
これ1つ取っても、廃棄物処理法上、許可の取り直しとは言いませんが、かなりのハードルを越えなきゃいけないこともあるんです。
こういったものをチャレンジするのも、補助金も含めて、今回のこのGX予算を活用できるというふうに僕は承認しております。
今先生がおっしゃっていただいた大きな目線でいえば足りない可能性は大でありますけれども、一歩ずつ進めていきたいというふうに考えております。
以上です。

○山本太郎君
ありがとうございます。
もう先ほどから参考人の先生方が、時間がない、待ったなし、土俵際というような言葉がいろいろ出されていまして、まさにもう選択の余地がない、やるしかないんだと。
そういう中で考えるならば、一番意欲的な、昔 瓶を再生利用してきたように、今回はペットボトルでという一番野心的なというか、そういうものを大胆にやっていくということを考えた場合には、やはり大胆なこれは財政措置というものが必要になってきて、中小事業者をしっかりと支えていくと、そこから大きな転換をしていくというものが一番本当は狙っていくべきところなんだろうというふうに感じます。
ありがとうございます。
続いて、原田先生によろしくお願いいたします。
先生は、ペットボトルのリサイクル事例、論文の中で指摘されています。
社会制度に何ら手を着けず、高度なリサイクル技術の導入、高価な代替素材の導入を進めても、それは単に人々に手間、費用の負担を強いるだけであり、拒否感が生まれるのは当然であると。
今後、何でしょうね、非常に大きなシェアというか、現実問題として大きく突き付けられるものとしては太陽光パネルのリサイクルなどが考えられると思うんですけれど、これまで経験の少ない分野でのリサイクルの高度化が求められると。
この今回の法案というのは、そのような高度なリサイクルを進めるために十分な社会制度の変革、十分な社会制度の変革というものを保障していくものだというふうに評価なされますか。

○参考人(原田禎夫君)
ありがとうございます。
初めの一歩として私は評価したいと考えております。
といいますのは、今までこのリサイクルというものがこれほどまでに明確に打ち出された、しかも特定の製品ではなく包括的にいろんな分野にわたって高度なリサイクルを進めていきましょう、そういう法律は確かに日本にはございませんでしたので、その意味で大きな一歩なのかなと、初めの一歩なのかなと感じております。
ただ一方で、いろいろこれまでのほかの参考人の皆様からもご指摘もあったとおり、課題もまだまだ山積しておりますし、また社会の制度そのもののまだ未整備な部分もたくさんございますので、むしろこの一歩を踏み出したがゆえにより多くの宿題を私たちは与えられたのかなと、そのように評価しております。
そのときに、では、法律の制度の整備を待っていていいのかというと、これは時間が本当にかかるばかりです、政治的にも経済的にもコストが非常に掛かりますので。
一方で、今も既に行われていますが、企業の皆さんによる例えば自主的な取組、こういったものは一定の評価をすべきだとも考えております。
ただ同時に、そこで満足してしまってもいけないのかなというふうに感じております。
じゃ、例えばどういうことができるのかというときに、非常に興味深いなと思いますのが、先ほどから何度も出ていますEUは指令を出して、これ、昨年の夏にフィンランドに調査に行ったときにも先方のリサイクルの担当の方が、今までフィンランドの中の小さな法律でやっていたらよかったものが、スライドは大きな津波の絵が描いてあるんですね。
本当にまさに津波がやってきて、もう有無を言わさずやらなきゃいけなくなったということがあるんですけれども、ただ、その大きな波というのは細かいところまで制度が設計されているわけでは当然ございません、各国の法制度の整備に委ねられる部分もたくさんありますので。
大事なことは、いつまでにどの目標を達成するのかという期限を切った数値目標を掲げる、この大きな波にとって大事なことはそこがあるかないかではないかなと感じております。
今回は法律ですので、その法律の中に期限を切った目標を掲げるということはできないのかなと思っておりますが、先ほど、最初にご質問あった基本方針のようなところで、しっかりと年限を切った数値目標を掲げていただく、それを基に皆様が、あっ、これをしたらいいんだというふうに行動していくようになるんじゃないかなと期待をしている部分でもございます。
以上です。

○山本太郎君
ありがとうございます。
北村先生にお伺いしたいと思います。
先生は、リサイクルの高度化に向けて、収集から処理、最終処分までの一貫して受注できるスーパー優良事業者が必要になるというようなご指摘をなさっています。
実際には日本の静脈産業には中小零細事業者が多い現実の中で、先生の考えではそのようなスーパー優良事業者になり得る潜在的なプレーヤーは十分な数あるとお思いになりますかというのが1点、もう1点が、そのようなスーパー優良事業者を育てていくために、今回の法案や既存の制度に足りないものがあるとするならばどんな点でしょうかというこの2点をお聞かせください。

○参考人(北村喜宣君)
スーパー優良事業者という言葉を書いた論文は確かにございました。
超マイナーな雑誌に書いたのによく見付けたものだというふうにびっくりしましたけれども。
1つは、最初から最後まで一貫して責任を持てる、これは排出事業者との関係で、この方に頼めば最後まで全部やっていただけると、これが出す側からとって一番安心であることは確かですよね。
しかし、それにはかなりの大きな投資、施設、設備、人員等が1つになることがこれまた確実でありますから、そういうものが日本国にあるのかということになれば、恐らくは両手で数えられるぐらいの方々がそろうかなというぐらいのことであります。
これは廃棄物リサイクルの分野では有名な話ですけれども、ドイツでは、アメリカではというところはかなり大きな会社が廃棄物の処理をなさっており、かなりそういうのに近いところがございます。
しかし、加藤参考人がおっしゃいましたとおり、日本国の場合は経緯もございまして、中小ということでございますけれども、まだまだ多いということであります。
私は業界の人間でもございませんのでお気楽にこういうことを言うわけですけれども、かなりそういうところの方々がM&A等々を通じて体制を強化されて、排出事業者と言わば対等に話ができるようなところまで自分たちの地位を上げていただくというのが1つの将来方向なのかなということを考えているところでございます。
今回の法案にそれがインプットされているのかということではありますけれども、これは明確な形ではないのかなという感じはいたします。
今回の法案の大きな特徴は、先ほど原田参考人もおっしゃいましたけれども、廃棄物の種類を問わず、全ての廃棄物事業者に対してあるアプローチをしていることなんですね。
ただ、全ての、ついて同じくやっているわけじゃなくて、特定産業廃棄物処分業者というかなり大きなところが想像されますけれども、そこについては、判断の基準となるべき事項を守れ、やれというふうに具体的に義務付けていることなんですね。
それ以外の方については、そうではなくて、言わば行政指導でそういう方向に向かってくださいねと、こういうふうにおっしゃっています。
そういう方向に向かうことがあるかどうかというのは、これから議論されます判断の基準となるべき事項がどのように作られるのかということが大きいかなと思っております。
これを、言わば全ての廃棄物事業者を想定した一枚岩で作るのか、それとも、そうではないところと考えて二枚で作るのかということが1つはポイントかなというように考えております。
これをあまり低いレベルにしちゃいますと、政策効果があまり行きませんよね。
でも、あまり高過ぎると誰も付いてこられないということになりますので、この辺りは、環境省がどうお考えかは存じませんけれども、1つのポイントかなというように思っております。
容器包装ならば、プラスチックならばというふうに限定すると、ある程度の同一性が見えるので一枚岩でいいのかもしれませんけれども、包括的にやろうとすると、かなり多くのものを取り込まなくちゃいけないとなってまいります。
そうした点について、先ほど加藤参考人もありましたけれども、きめ細かな処理業者の側のご要望、実態を踏まえたものでないと絵に描いた餅ということもございましたから、そういうこともあろうかと思います。
そして、その延長線上に、私自身は、この産業廃棄物でございますれば産業廃棄物処理業の許可基準というものも、将来的には一枚岩じゃなくて例えば2つにすると。
1種、2種というふうにして、より高度化した対応をできる業者については、厳しい基準ではあるけれども規制を例えば緩和する、全国展開をより容易にすると、こういう形で、この国のリサイクル、産業廃棄物処理、あるいは再資源化等、コストパフォーマンス良くやっていけるような体制への変革というのが、これは国際的な状況に鑑みても不可避ではないかなというように考えているところであります。

○山本太郎君
ありがとうございます。
もう既にお答えいただいている部分もあると思うんですけれど、排出者の、排出する側が、安かろう悪かろうではなくて、スーパー優良事業者のような高度なリサイクルを行う事業者を選んで発注するようにするためには、市場とか投資家の価値判断に任せるというだけでは十分ではないだろうと。
そういった意味で、何らかの公的な支援という部分で何かしら考えられるものありますか。

○参考人(北村喜宣君)
例えば、そういう事業者というのは、恐らくは処理費用、処理費用という言い方が正確かどうか分かりませんけど、委託費用が高く付くというのは、これは経験則で明らかですよね。
そうすると、そういうものに対して費用を払わなくちゃいけないことに対しては、企業の内部部局においてはかなりネガティブな意見も当然に出てくるかと思います。
こういうところに関しては、例えば、そういうような、やっぱりスーパー優良であり、ここで申せば特定産業廃棄物処分業者であり、そういう方々への委託については、損金において若干の対応をすると。
少なくとも、単純な損金として控除するんじゃなくて、もう少しその割合を膨らましてあげるとかですね、1種の税制対応ということになりますが、そういうインセンティブも含めた形での仕掛けを入れ込むことによって、回っていきやすくなるのかなという気がしてございます。
それは、この環境委員会の所掌ではないのかと思いますけれども、国費全体としてはそういう税制措置を使うことも考えていただいてもいいのかなというのが私の考えでございます。




最新の記事

カテゴリ

過去ログ