山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動


○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。

資料①
大臣、ALPS処理水のことをトリチウム水と呼ばれることがありますけれども、これに違和感感じますか、感じませんか。一言でお答えください。
○国務大臣(土屋品子君) ALPS処理水という理解でありますので、余り感じません。
○山本太郎君 これ、違和感持ってもらわなきゃ困るんですよ。トリチウムだけに矮小化というのはまずいんです。説明します。
福島第一原発では、毎日10万リットルほどの新たな汚染水が生まれる。これまでの様々な汚染水がタンク保管されており、今年の11月の時点で約13億3千万リットル。
資料の②。

資料1

汚染水には理論上210種類の放射性物質が含まれる可能性が想定される。可能性が想定されるとは何か。実際には全て測っていないので、理論上の想定。測定すらされない核種は100以上。測定しない理由は、微量だから、影響が低いから。
当初、測定しなくてよいレベルとされていたカーボン14は、その後、想定されていたよりも影響があると判明しました。このような事例から見ても、全ての核種を測定する努力が必要と考えるんですが、それは行われません。
ALPS処理で濃度を減らせる核種は、セシウム、ストロンチウム含む62種類。その濃度を減らし、基準値未満にするが、放射性物質そのものが消えてなくなるわけじゃない。
一方、海に放出する前、測定は約30核種に限定。海洋放出は、トリチウムだけではない様々な核種が混ざり合った汚染水である。
資料の③。

海洋放出、セシウム換算で総量どれくらいになりますか。計算していますか。端的に結論だけ教えてください。(発言する者あり)
○委員長(野田国義君) 止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(野田国義君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。
 通告なかったものですから今手元にデータありませんが、ファクトだけ申し上げますと、放出、全期間を通じての計算しておりません。1回1回の放出については総量を公表しております。
○山本太郎君 1回1回の総量なんて聞いていませんよ。全体でどれぐらいの総量になるかということを聞いていて、それを計算していないというのが日本政府だということになるのです。むちゃくちゃです。
汚染を環境中に排出する際の基準は、原則的に濃度規制方式、つまり、海、川に流すなら1リットル当たりの濃度で規制する方式。汚染原因物質ごとに排出口での濃度について許容限度が決められる。
しかし、これには問題あり。事業者がより多くの汚染原因物質を適法に排出したいと思えば、希釈すればいい、薄めればいいとなりますから、全体でどのくらいの汚染が環境中に放出されるかが把握できず、それによって過去には様々な公害が生み出された。その反省から、総量で規制する総量規制を導入。ちなみに、総量規制の対象は、河川、湾など閉鎖性水域が総量規制の対象で、太平洋など外海は対象になっていません。
東電原発事故による汚染の海洋放出は、量的な規制は行われていない。東電原発前、放射性物質は大気汚染法、水質汚濁法による規制対象外。原発爆発後の改正を受けてもなお、放射性物質はモニタリング対象となっているだけ。そのようなことから、現在の汚染水の海洋放出は1リットル当たりの濃度でのみ規制。それさえ守っていれば、天井なしの排出が許される。
これまで福一から垂れ流された又は放出する中には、工場集積地など、そういったものから放出されるものとは比べられない、人体、環境影響を考慮すべき物質が大量に流されています。総量を明らかにした上で、それぞれの汚染物質をどのくらい自然環境中に廃棄するか、将来的にどのように環境への負荷を、人体への負荷を長期的にどうコントロールするか、科学的はもちろん、倫理的観点からも熟慮し、世界的にもコンセンサスを得るべき案件。しかし、そのような面倒をすっ飛ばしたのが、現在の海洋放出、海洋投棄です。
大臣、1回ごとの放出の話は聞いていません。全体的な話を聞いています。一言でお答えください。被災地の100年後、1000年後を考えても、総量を把握する必要ってあると思いますか、あると思いませんか。一言でお願いします。
○国務大臣(土屋品子君) それは規制委員会等で管理しているので、私ちょっと答えられません。
○山本太郎君 答えられなかったら困るんですよ。復興大臣なんでしょう。どうして被災地に寄り添わないんですか。被災地に将来的にどのような影響が出るかということは、先回りして、それやっていかなきゃ駄目なことでしょう。総量分からなくて、どれぐらいの環境影響が起こるかってことを予測しなきゃ駄目なんですよ、それがなされていないんだから。それがなされなければならないことだという答えが一番の最適解じゃないですか。
総量を考えず、1リットル当たりで基準値未満だから大丈夫という、その基準値とは告示濃度比の総和。
資料④。

資料4

平たく言えば、海洋放出する際、1リットル中に含まれる様々な核種を足し合わせた合計、総和で考え、それが一、1未満なら海に流されるルール。
セシウムの濃度限度は、1リットル当たり90ベクレル。でも、実際は様々な核種が含まれているから、一という枠を調整する方式。例えば、1リットル当たりのセシウムが45ベクレルだった場合、セシウム濃度基準の半分だから0.5となる。セシウムだけ基準値一の半分が埋まったけど、残りの0.5までは違う核種流せるねといった具合。一を下回る水を流すから安全というのが政府の基準値未満の意味なんですね。
この告示濃度限度比の総和は、人体影響を何年間考慮していますか。
○政府参考人(大島俊之君) お答え申し上げます。
御指摘の告示濃度限度の総和は、原子炉等規制法に基づく線量告示に定められました放射性廃棄物を環境中へ放出する際の基準でございます。(発言する者あり)はい。
具体的には、原子力規制委員会が放射線審議会の指針に示した算出式を用いて、人が生まれてから70歳になるまで告示濃度限度の放射性核種を毎日摂取し続けたときを仮定をいたしまして、年平均線量が実効線量限度1ミリシーベルトに達する量として算出したものでございます。
○山本太郎君 少数会派は質問の時間が短いんだから、長い答弁を用いて邪魔しにくるのやめてくださいね。何年だって聞いているんですよ。
告示濃度限度比の総和以外で、今の70年以外で、はっきりと年数示して人体影響又は環境影響を見積もったものありますか。なければないとお答えください。
○政府参考人(大島俊之君) ございません。
○山本太郎君 汚染された水、毎日2リットル生涯70年間飲み続ける人なんていないんですよ。評価すべきは、長期の放出により食物連鎖、生体濃縮、どのような影響があるかを評価しなければならない。それには何が必要ですか、総量が必要なんですよ。でも、計算しないんですね。スルー決め込んでいるんですよ。
処理水の放出、1リットル当たり告示濃度限度比が最も高い核種ベスト3を教えてほしいんです。名前だけでいいです、核種の。数字要らない。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。
第3回放出に係る告示濃度比の高かった3核種ですが、ヨウ素129、炭素14、セシウム137でございます。
○山本太郎君 資料⑤。海洋放出1リットル当たりで最も比率が大きいものがヨウ素129。

資料5
 大臣、放射線の威力が半分になる半減期なんですけれども、ヨウ素129の半減期は御存じですか。知っているか知らないかで結構です。
○国務大臣(土屋品子君) 存じておりません。
○山本太郎君 1570万年、1570万年です。
資料の⑥、大臣、御覧いただきたいんです。資料の⑥。

資料6
 この方、御存じですか。大臣、資料の⑥。すぐめくってください。済みません、時間がないんで。
○国務大臣(土屋品子君) 我々の祖先です。
○山本太郎君 そうなんですよ。人間の祖先なんですね。700万年前の人、サヘラントロプス・チャデンシス。
 人間の祖先誕生から700万年、その倍以上の時間を掛けて、ようやくヨウ素129の放射能がやっと半分になるんです。今放出されているヨウ素129、100年後も1万年後も繰り返し繰り返し、何万、何億回、生物被曝させ続けるんです。
仮に、1年に0.1ミリシーベルトの被曝だとしても、年間被曝限度の1ミリシーベルトの10分の1じゃないか、問題ないという人いるだろうけれど、1570万回繰り返されれば、合計157万ミリシーベルト。つまりは、1570シーベルトの被曝を起こす。1シーベルトといえば、放射線を引き起こすと言われるレベルです。それを合計1500回以上引き起こすほどの汚染がもたらされる。薄めたからって、こんな物質、環境に流しちゃ駄目なんですよ。
資料⑦、⑧。

アメリカでは、ネバダ州ユッカマウンテンの核廃棄物処理場計画の評価に際して、当初、1万年の期間で環境影響評価を行う基準が使われていた。しかし、全米科学アカデミーが長寿命核種の影響が1万年を超えることを指摘。この指摘が裁判でも考慮。判決を受けて、2008年には、100万年の期間に及ぶ影響を評価する基準に改定された。この基準改定は、半減期が約21万年のテクネチウム99などの影響を考慮するために改定されたんです。
そのテクネチウム99よりも約75倍半減期長いんですよ。ヨウ素、1570万年ですから。それに対して、たった70年程度の影響評価で基準値以下だから大丈夫ってごまかしているのは日本政府なんですよ。いいかげんにしろなんですよ。環境テロなんですよ。もう犯罪ですよ、これ、やっていること。
政府の海洋放出の根拠となったもの、ALPSの小委員会報告書です。この小委員会は、2016年11月から2020年1月まで合計17回開催された。報告書発表が2020年の2月、政府が海洋放出決定したのは21年の4月。
 この政府の有識者会議、通称ALPS小委員会の報告書、資料の⑩。

資料⑩
 大臣、申し訳ない。資料の⑩の一番下の赤線の部分だけ読んでください。
○国務大臣(土屋品子君) では、お読みします。
技術的には、実績のある水蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択肢である。
○山本太郎君 ALPS小委員会が言う実績ある現実的な選択肢って何ですか。通常原発、通常原発ではトリチウムの海洋放出が行われてきたという実績を述べたにすぎないんですよ。
資料⑪。

資料⑪

先ほど聞いた処理水の放出、1リットル当たり告示濃度限度比が最も高い核種のベスト3、その中のセシウム137、事故を起こしていない運転中の通常原発から排出されていますか、いませんか。一言で結論だけ答えてください。
○委員長(野田国義君) 誰が答えますかね。大臣。
じゃ、止めてください。速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(野田国義君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。
資料⑪には、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素などが通常の原発では燃料棒の中にとどまっており、その排水からほとんど検出されませんと書いてあります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
今見ていただいたのは環境省の資料ですよ。排出されていないということが書かれている資料を基にお答えいただきました。ありがとうございます。
第2位のカーボン14も、これ通常原発から排出されていません。トップのヨウ素129も、これは通常原発からは排出されていません。
海洋放出の根幹である小委員会報告書は、あくまで、過去にトリチウムの海洋放出、トリチウムの海洋放出は通常原発でも行われてきたという実績について述べたにすぎないんですよ。通常原発からヨウ素129、炭素の海洋放出実績があるとは言っていない上に、それらがどう環境に影響を与えるかというのは議論されていないんです。
 だからこそ、現在も、トリチウム水とか、トリチウムは基準値以下でしたとか、これ印象操作でしかないんですね。問題を矮小化し続けているんです。こんな汚いことをやったら駄目なんじゃないですか。
資料の⑫。

資料⑫

過去に遡り、ALPS小委員会の議事録確認すると、資料でお示ししている程度しかヨウ素129の話題上がっていないんですね。
何が言いたいか。時間がないからまとめていかなきゃいけないんですけれど、資料の⑮を見ていただくと、何と、このALPS小委員会の中では話されていなかったことが、その取りまとめ、政府の海洋放出決定の根拠ともなるその報告書が出された後に問題になっているんです。

資料⑮
これは、規制庁の検討会。全ベータと主要7核種の値が離れていて、捕捉できていないベータ核種があることが判明した。これ、つまり何だったかといったら、ずっと一人で測っていたんだって。そこで、人数増やしたからという話をしているんですよ。それに対して、これに参加していた委員から物すごく批判を浴びているんです。これまでのデータが真っ赤なうそだったということじゃないかと、これまである意味欠測だったということかって。つまり、何かというと、ALPS小委員会の中ではまともなデータを用いての議論は行われていなかったって考えなきゃ駄目なんですよ。しかも、長寿命核種に対しての影響、環境、人体、そういったものも考慮されていない。
○委員長(野田国義君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をまとめてください。
○山本太郎君 ありがとうございます。まとめます。終わりますね、今から。
 何が言いたいか。大臣、ヨウ素129などの長寿命核種の影響について、内外の独立した立場の専門家を交え、それこそ数百万年を視野に入れた環境影響評価やり直すべきなんです。やっていただけますか。やらなきゃ駄目なんです、これ。
○委員長(野田国義君) 時間が参りましたので。
○山本太郎君 それが1つと、もう1つ、最後に。
今お願いしたことを本委員会として……
○委員長(野田国義君) 時間が参りましたので。守ってください。
○山本太郎君 政府に本委員会としてお願いをしていただきたいです。お取り計らいをお願いします。
じゃ、大臣、お答えどうぞ。
○委員長(野田国義君) いやいや、もう時間が来ておりますので。(発言する者あり)
じゃ、最後。
○国務大臣(土屋品子君) この件に関しましては規制委員会に対応しておりますので、規制委員会の方にお任せします。




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