山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動


 

○山本太郎君 れいわ新選組代表の山本太郎です。参議院に出戻っての初質疑ということでございます。

最初に一言、永田町における統一教会汚染について。

本委員会に出席の三役にも関わりがあったといいます。先ほど山下先生の方からも追及がありました。これはまだ入口だと思います。

長年にわたり統一教会が国政に与えた影響を各委員会で追及していては、これ、様々重要な事項を、事柄を政府とやり取りする時間が奪われてしまうんですね。

なので、委員長、旧統一教会問題の特別委員会の設置をお諮りください。

 

○委員長(滝沢求君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。

 

○山本太郎君 これはもう全ての委員会からそのような要求をしていくことによって特別委員会の設置をしっかりとしていけば、これ、それぞれの委員会でも本当に必要最低限の追及でこれはいくんじゃないかというふうに思っております。問題山積ですので、そのようなことを実現するために、やましい気持ちのない方は是非後押しをお願いいたします。

質疑に入っていきます。

資料の①ですね。御覧いただくと、済みません、パネルにしてきました。(資料提示)岸田内閣でどういうことが言われているかということなんですけど、先日の本委員会でも大臣の御挨拶の中にもございました、岸田内閣では、社会問題の解決を付加価値創造のプロセスと位置付け、経済成長との同時実現を図る新しい資本主義を掲げているとのことなんですね。

大臣、これ簡単に言えば、これピンチをチャンスに変えていこうぜと、そういう話でいいですよね。それでいいか、それではないというか、そこだけお答えください、簡単に。

資料①

資料①

○国務大臣(西村明宏君) ピンチ、ピンチをチャンスにとおっしゃいますけど、ピンチということではなくて、今抱えている課題の解決をチャンスに変えるということだと承知しております。

 

○山本太郎君 ちょっと認識がお互いに違うんですかね。

ピンチ、山ほどあると思うんです、この国には。けれども一方で、チャンスはつかめていないということだと思うんです。

特に原発事故に関してはチャンスにできていないんですね。溶け落ちた核燃料、どこにあるかも分からないと。これでは廃炉など夢のまた夢なんです。だからこそ、世界最悪の事故を教訓として、日本が廃炉ロボットの最先端技術を生み出すと、世界に貢献できるじゃないかと、まさにこれピンチをチャンスにする必要があると、私自身そう思っています。

そういった意味で、ピンチをチャンスにするというのが新しい新自由主義ということとかぶっているならば、これまさにいい話だなと私は思うんですね。

けれども、結果はどうだったかということなんです。2号機のデブリ取り出し用ロボットアーム、これ三菱重工も関わっていますけれども、イギリスのヴェオリア・ニュークリア・ソリューションズが参加してイギリスで開発。粒子状のデブリを収集するロボット開発したのはアメリカメーカーのジェイコブスなどなど。

資料の②。例えばですけれども、福一の二号機建屋の調査作業ロボットとして活用が決まっている四脚ロボットのSPOT。そのメーカーであるボストン・ダイナミック社は元軍事関連企業であることは皆さん御存じのとおりです。

資料②

続いて資料の③。フランス軍が軍事訓練にSPOTを活用するなど軍隊でも活躍中なんですね。物すごく性能の高いロボットを世界は持っているという。そこに日本の廃炉という部分に関しても関わってきていると。

資料③

資料の④です。こちら御覧いただいているのが、いかにもどんくさい空気が漂っていると思うんですけれども、日本の技術なんですね。東芝の四脚ロボット。かつて東芝も2012年、福島第一原発での現地調査用に開発をしたと。2年間活用されただけ、もうとっくに使われていません。

資料④

国産ではなくて海外メーカーに開発を頼んで、それを日本が購入すると、そしてリース、レンタルなどをすると。残念ながら、原発事故後、廃炉を前に進めてかつ産業発展につながるような実用性のあるロボットをほとんど作れなかったんですね。原発事故というものをチャンスにしたのは海外企業なんですよ。国内企業は、一方で埋没しているんです。これっておかしくないですか。

加えて、発注を受けた海外メーカーは、特殊な環境下、とてつもない高線量下での実験まで行えると。これ、利点なんですよ。

先ほどのSPOT、これは事前にチェルノブイリとかロスアラモスでもテストを行っているんです。それをはるかに超える過酷な環境、実際に1Fの2号機内などでテストできるようになれば、これ更なる高度な技術を新たにつくり出すというチャンスを得ることになるんですね。

廃炉ロボットは海外から調達、おまけに海外製品の更なる技術の向上にも貢献、これ、このままでいいのかなって思うんです。政府はこの分野に投じる予算、2桁少なかったんじゃないですか。世界中の知能と技術力を日本に集結させて廃炉という新たな産業を大々的に進める、その覚悟がないから負けたんじゃないか、私はそう思っています。

ロボットでは負けました、ぼろ負けです。でも勝てる可能性があるもの、ほかにもあるんですね。ピンチをチャンスに変えていただきたいんです。ビジネスチャンスです。物にしていただきたい。汚染水です。

政府は2021年4月、ALPS処理水の海洋放出を決定しました。決定の参考となったのは、2020年の2月発表、いわゆるALPS小委員会報告書です。

資料の⑤。この報告書では、実用可能なトリチウム分離技術はないとの結論になっています。

実用性のあるトリチウム分離技術は存在しないとの評価結果を示した検証試験事業はいつ行ったものですか。教えてください。

資料⑤

○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。

御指摘のトリチウム分離技術検証試験事業でございますけれども、平成26年10月から平成28年3月まで、当時におけますトリチウム分離技術に関する最新の知見を得るため、分離に必要な設備の分離性能などの検証を目的としまして、国の事業として実施されたものでございます。

同事業における検証の結果、直ちに実用化できる段階にある技術は確認されなかったと結論付けられているものです。

 

○山本太郎君 資料の⑥。検証試験は2014年から始まっていたんですね。その時点から数えたら、既に10年近く前の技術なんですよ。10年近く前の技術。10年近く前に最新とされた知見を、今も最新の知見としているっておかしくないですか。この10年の間、技術革新も起こせなかったんですか。それとも、分離技術などどうでもいいから、さっさと汚染水、海に流して、なかったことにしたいんですか。

2015年度の検証試験が終了して以降、現在まで、国内、国外のトリチウム分離除去技術にどのような進歩があったか、政府は把握していますか。簡単に教えてください。

資料⑥

 

○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。

御指摘の検証試験事業終了後も、国として、文献等の確認ですとかヒアリングを通じて、国内外の最新の技術動向の把握に努めております。しかしながら、実証事業当時の評価を覆すような進展は見られていないと理解しております。

 

○山本太郎君 2021年5月から、東京電力、東京電力は公募を始めています。トリチウムを除去するための技術の公募です。

公募事業を実施するのは、東電の委託を受けた民間企業、ナインシグマ社。昨年6月から第1回公募が始まって、合計3回公募が行われています。

資料の⑦、上段。本年9月時点で、東電の資料ではそれぞれの結果が公表されています。一次、二次評価を通過して、今後、実証試験まで進めようとすると。その対象の技術は13件です。うち国内4件、海外が9件。

資料の⑦の下段。これら二次評価を通過した13の技術について、東電は資料でこう評価しています。トリチウムを実用的に分離するために求める必須要件を将来的に全て満たし得る可能性があると判断されたものですと。

一方で、東電及びナインシグマ社、これらが一体どのような技術でどのくらいの性能のものなのか、内容を公表していないんですね。これ、東電とかシグマ社とか、どうして一般的にこれ内容、公表しないと考えられますか。教えてもらいたいんですけど、御存じなら。

資料⑦

○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。

今御指摘のありましたトリチウム分離技術の公募事業ですけれども、こちらは東京電力の事業として実施しているものでございまして、公募結果につきましては、事業実施主体であります東京電力から随時公表の方を行ってございます。

その上で、一般論としてでございますけれども、技術内容あるいは課題といった応募した企業に関する情報につきましては、当該法人の権利あるいは競争上の地位その他正当な利益を害することにつながり得るということも考えられますため、慎重に判断する必要があると考えております。

今後ですけれども、東京電力において提案された技術のフィージビリティースタディーを行ってまいりますけれども、この際については、高い専門性を持つ有識者を交えて議論を行うと承知しております。

その際、当該技術を有する企業からの同意を得られればですね、その議論内容、経緯について公表していくというふうに承知しております。

 

○山本太郎君 事前にやり取りしていて、答弁短めにするという約束だったから座れているんでしょう。話、おかしいじゃないですか。随分ゆっくりと説明するんですね。

東電やシグマ社が二次評価まで通過した技術について公表しない理由は、それ企業秘密だろうとか営業秘密だろうとか、ごめんなさい、そういうこと関係ないんですね。どうしてかといったら、評価基準の中には推奨要件として2つの項目があるんです。

資料の⑧。分離技術の原理が、学会などで広く認められていること。そして、分離技術の原理について、査読付論文で公表されていることを第三者が認めていること。要は、二次評価まで通過しているのは既に世の中に公表されている技術なんですよ。それを使ってトリチウムを分離できる技術を持った13の事業者が選ばれているって話なんですね。

資料⑧

東電は、本当は秘密にする必要全くないはずなんです。けれども、これら技術の内容については公表していないんです。なぜ非公表なんですかって話について、民間企業による技術公募という位置付けだから公開しなくてもよくなるという話なんです。一企業が取り組む案件を一々世間様に公表する義務、義理ないだろうということなんですけど、これ、東電の公募に関して、どんな技術があって実用化に向けてどんな取組をしていく計画なのか、政府は東電が持つ情報を共有、指導もしていると言いますよね。

これ、政府として、東電から得た様々な情報を一般に公開するという、これ予定ないんですか。予定はあるかないかで答えてください。

 

○副大臣(太田房江君) 今もお答え申し上げましたけれども、東電の方で公募した事業につきましては、フィージビリティースタディーに至ったものについて、専門性を持つ有識者と議論をした上で、高い専門性を持つ有識者とともに議論をして、技術、企業からの同意が得られますれば、その議論内容や経緯について公表していくというふうに聞いております。

政府の方も、実用化に向けた課題やその解決方法等について、具体的な検討を進めるように東電を指導していきたいと考えております。

 

○山本太郎君 これ、資料の⑨、2015年度のトリチウム分離技術検証試験事業は、公募を元に行われたんですね。当然、公募の実施は経産省でしょう。

資料⑩資料⑨

で、資料の⑩、A、Bなんですけれど、経産省はそのとき、公募の結果ね、選定企業名、技術の概要だけではなくて、技術の詳細内容や課題、評価結果も含めて報告書で公表しているんですよ。以前、経産省マターでやったときには情報公開していたということ。今回は東電の中で情報を出させないというような形になっているということ。

資料11

 

どうして今回、これ、東電任せにしているんですか。どうして以前行ったように、経産省が公募を行って報告書で公表することをしないんですか。おかしくないですか。どうして今回は東電に任せているの、どうして国がやらないの、そのことについて教えてください。

 

○副大臣(太田房江君) 先ほどもお答えしましたけれども、トリチウムの分離技術につきましては、過去に国の事業として技術の実証実験を行っておりまして、いずれも今御指摘がありましたように公表しつつ、データの精度や再現性、分離能力などに課題があって、直ちに実用可能なものはないというふうに評価をいたしております。

東電の方の事業につきましても、これに任せるべきでなく、国の研究事業として行うべきではないかということでございますが、過去のこのような経緯を踏まえますと、これを国の事業として予算化するということについては慎重を期する必要があるというふうに考えております。

ただ、東電の公募事業につきましては、先ほども申し上げましたように、実用可能性が出てきているそのフィージビリティースタディーの段階において、公表すべきかどうかはしっかりと判断し、東電を指導していく所存でございます。

 

○山本太郎君 直ちに使える技術はないということなんですけど、でも、東電が公募をした結果、13件、4件ってものが当たって、それらについて東電は、これは必須要件、これ分離するために求める必須要件を将来的に全て満たし得る可能性があるとまで判断しているんですよ。だから次に面談、その次に小規模で実験みたいなことで進んでいっているわけでしょう、今。その先行くわけでしょう。国が合流するのはもっと後だって、ちょっと問題意識薄過ぎません。危機意識がなさ過ぎるんですよ。

一刻も早く分離させる技術を採用させるために、確立するために、どうして国が一生懸命力尽くさないのよ。2015年の段階では公募は自分たちでやっていたのに、どうして今、一民間企業任せになっているんですか。本来なら公募の段階から政府のプロジェクトとして行うべきことでしょう、これ。ピンチをチャンスに変えるには、一民間任せという態度では、まさに政権がやろうとしている、これ、何でしたっけ、新しい、まあちょっと中身がないので名前も忘れてしまいそうになりますけれども。

今、二次評価を通過した13の企業と面談後、実行可能性調査、フィージビリティースタディーって言っていたやつ、そして小規模実証実験、その後に福一原発構内で実証実験が行われるんでしょう。敷地内での実用に向けた試験を行うなら、それ純粋に民間企業のプロジェクトと言える話じゃなくなりますよ。だって、実証実験に入れば政府の予算だって使うわけでしょう。

政府は、トリチウム分離技術の公募調査について、これ前面に出たくないんじゃないのというのが、資料の⑪です。

本年の4月21日、中部経済新聞、匿名の経産省関係者がこの技術公募について発言をしている、もし分離ができれば夢のような話ではあるが、可能性を振りかざすことで起きる混乱も恐れていました。

混乱って何なんですか。政府にとっての混乱は、せっかく海に捨てられるのに、余計な情報が大々的に取り上げられればせっかくの海洋放出に待ったが掛かる、混乱するじゃないか、俺たちがという話でしょう。海洋放出に地元は反対していますよ。それを無理やりねじ伏せて、海に流すとせっかく決めたんだと、余計な期待を持たせるな。だからこそ、分離技術については国は指導せず、主導せず、主導せず、民間にしこしこ分離技術をだらだらやらせておくという消極的な態度になるんじゃないですか。

汚染水の海洋放出、何年掛かりますか。来春から2051年まで、順調に海に捨て続けても30年後なんですよ。

先日の本委員会での西村大臣御挨拶でね、以前、復興副大臣だった頃に被災地に何度も赴いて地元の方々のお話伺った、現地の状況をしっかり捉え、地元の皆様の思いに寄り添い、環境再生に、環境再生に誠心誠意取り組んでいくとおっしゃられた。

大臣、先日のこの御挨拶の中、偽りの言葉はないということでいいですよね。なければノー、いや、なければイエス、あるならばノーでいいですよ。イエスかノーかでお答えください。

 

○国務大臣(西村明宏君) 偽りの部分はございません。

 

○山本太郎君 平成30年8月30日から31日にかけて富岡、郡山、東京の3会場で開催された公聴会、意見表明された意見は延べ54件、そのうち明確な賛成は2件だけ、これ汚染水の話ですよ。福島県の資料では、2021年3月時点までで、県内44議会、県内自治体73.3%が海洋放出に反対あるいは慎重の意見を可決。

全部海に捨てるまでに30年掛かるんだったら、すぐに使えるトリチウム除去技術が今すぐなくても、例えば仮に5年後に実用化できる見通し、そういうものができてくるんだったら、海洋放出の開始は5年間延期してトリチウム除去の可能性を追求するべきではないですか。

これは西村大臣にお聞きしたい、地元の方々の声を聞いているんだから。延期するべきか、その選択肢はないのか、そこだけお答えください。

 

○国務大臣(西村明宏君) 環境省とすれば、このALPS処理水の関係に関しましては、海域の環境モニタリング、この部分を担当しておりますので、今委員御質問の部分に関してはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 

○山本太郎君 逃げたら駄目なんですよ、委員長、あっ、大臣。これ、安倍さんの時代も菅さんの時代もずっと言っていたじゃないですか。閣僚全員が復興大臣なんでしょう。これ、頭が替わったら全部変わるんですか、その考え方。

 

閣僚全員が復興相との認識の下に行政の縦割りを排しということだったら、今私が言っていること、これ環境省、直接は関係ないと言ったって、関係あるでしょう。これ経産省に対して言うべきでしょう。何よりも総理に対して言うべきでしょう。自分は縦割りだからという意見って一番言っちゃいけないですよ、それ。これまでと全く逆の話になっちゃうから。

もう1回お聞きしますよ。

これは、技術ができる、前倒しができるということを見込んで、今13件、14件というものがもういいところまで来ているというふうに東電が判断しているんですよ。これに対して、その時期を、放出する時期を待って技術が確立されてから流すということは考えられないですか。それをほかの閣僚の方々とこれ認識共有してもらえないですか、特に総理に。

そして、もう1つ、もし途中で技術が確立されたときには、汚染水の放出方法というのは変えるという選択肢はあるものですか、ないものですか。

被災地に対して思いが深い、これは西村大臣にお聞きしたい。

 

○委員長(滝沢求君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。

 

○国務大臣(西村明宏君) 今の山本委員の思いというのは私も被災地の人間として非常に感じるものはございますが、つかさつかさの仕事でございますので、環境省とすれば、環境大臣とすれば、海域の環境モニタリング、これをしっかりとやってまいりたいというふうに考えております。

 

○山本太郎君 まとめます。

復興に関しては縦割りじゃないんだよと、全員が復興相なんだ、被災地を思いやるんだということを言っていたのに、つかさつかさという言葉をお使いになられましたか。あの環境大臣の御挨拶、何だったんですか。しっかりと、これは汚染を広げないためにも、それだけじゃなくて、風評じゃないんですよ、実害なんですよ、総量で見なきゃいけないから。この件に関して、また西村大臣ともお話をさせていただきたいと思います。

ありがとうございます。




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