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資料1と2

○山本太郎君 ありがとうございます。自由党の山本太郎です。
会派を代表しまして、一億総活躍に関係する生活保護家庭の子供の進学についてお聞きします。
生活保護を受けながら大学に就学することは認めない、高校までのスキルで生きろ。大学の受験料や入学金につきまして、奨学金の収入認定除外の対象にはならないと毎回氷のように冷たい答弁が繰り返され、私はそのたびどん引きしていましたが、その状況をどうやら変えていただけたようなんですね。

まず、一枚目の資料を御覧いただきますと、今年五月十四日、朝日新聞の記事がございます。奨学金を大学などの受験料、入学金に使う場合、収入認定除外する通知を今年度中に出すという記事ですね。二年前に、アルバイト代などを大学等の受験料、入学金に使う場合、収入認定から除外するという通知が出されてから、更に二年掛かってやっとこの通知を出していただけた。厚生労働省、大変すばらしい判断、ありがとうございます。そして、この答弁を勝ち取ってくださった、現在は厚労副大臣の古屋さん、ありがとうございます。
先ほどの変更、この新しい通知についてなんですけれども、当然大学などでどのような考え方に基づいて行われたのでしょうか。

○大臣政務官(堀内詔子君) 厚生労働省といたしましては、子供の貧困対策に取り組む観点から、生活保護世帯の子供の大学等への進学や、就労による自立を支援することは大変重要な課題と考えております。
このため、本年五月三十一日付けで関係通知を改正し、奨学金等を大学等の入学料及び受験料、そして就職などに伴う転居費用などの被保護者の就労や早期の保護脱却に資する経費に充てた場合に、生活保護制度における収入認定から除外し、その金額が手元に残るよう運用を改めさせていただいた次第でございます。

○山本太郎君 ありがとうございます。
安倍総理も、子供の貧困問題に関して国会で次のように発言されているんですね。「子供たちの未来が家庭の経済状況によって左右されてはならないと、このように思いますし、望めば全ての子供たちが大学や専修学校に進学できるような状況をつくっていきたいと思います。」。
この安倍総理の御発言は、一億総活躍大臣でもあり、子供の貧困対策に関わる加藤大臣のお気持ちと一致されていますでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今総理の発言をお述べいただきましたけれども、子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがあってはならないという考え、これは子供の貧困対策を担当する私としても、それを踏まえて進むべきものというふうに思っておりますし、そうした全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現に向けて総合的に施策を推進していきたいと考えております。

○山本太郎君 ありがとうございます。
現在、状況を見てみますと、高等学校等進学率は一般世帯で九八・八%、生活保護世帯で九二・八%。ですけれども、専修学校などを含む大学等進学率では、一般世帯七三・二%、生活保護世帯三三・四%と、これ大きく差が開くんですね。生活保護世帯の大学等進学率は一般世帯の半分にも満たないと。
子供の貧困をなくす、本気でそう考えるならば、まず最低限やらなきゃいけないことがあると。生活保護世帯の大学等進学率を高めるための支援の取組、特にこれが重要になってくるんじゃないかなと思うんですね。
先ほどの資料の記事によりますと、大学などの授業料、授業料ですね、これ、いまだに収入認定除外を認めていないということなんですけれども、どうしてこれ、授業料について認めてもらえないんですか。

○政府参考人(中井川誠君) お答え申し上げます。
生活保護制度におきましては、利用できる資産、能力、その他あらゆるものを活用することを要件としておりますことから、高校卒業後は就学によって得られた技能や知識の活用を図って就労していただくこととしております。
このため、生活保護を受給しながら大学に就学することは認めておらず、将来大学の授業料に充てる目的で奨学金やアルバイト収入を収入認定除外することは実質的に生活保護費からその授業料を支払うことと同じになるため、認めていないところでございます。

○山本太郎君 政府が言っていること、総理が言っていること、一億総活躍大臣、子供たちの貧困ということを考える大臣が言われていることと真逆じゃないですか、やろうとしていること。それ、変えないのという話なんですよ。
で、どういうことなのか。授業料、これ、収入認定除外されないということはどういうことなのかということを説明したいと思います。
生活保護家庭の子供が自分で頑張って働いてためたアルバイト代や民間が出してくださった給付型奨学金を大学の受験料や入学金に使いました。結果、お金が余ったとなった場合、余った分取り上げますね、収入とみなしてって、これ、ひどいでしょう。
だって、元々国が出したお金じゃないですよ。自分で頑張って働いたお金、若しくは民間が出してくれたお金、どうしてこれ、収入認定して取り上げられなきゃいけないんですか。見かねて民間の方々が善意で出してくださったお金や本人がバイトしてためたお金を授業料に使うって、どうして国が出てくるんですか。行政が出てきて収入だから取り上げるという話って、おかしいでしょう、これ。
収入認定して取り上げるなんて、余りに中途半端で酷なんですよ。せっかく頑張って大学に合格したんです。余ったお金がもしあったとしたら、授業料に使うことも認めてあげてくださいよ。それ、人の道じゃないですか。貧困の連鎖を解消するため生活保護世帯の子供の大学等への進学支援は重要な課題、このように言われている。このような中途半端なやり方を放置せずに、授業料についても認めるべき、是非そこまで踏み込んで通知を出せるように動いていただけませんか。堀内政務官、いかがでしょう。

○大臣政務官(堀内詔子君) お答え申し上げます。
生活保護制度においては、生活保護を受給しながら大学に就学するということは、働き得る場合にはその能力を十分に活用するという生活保護の要件との関係や、生活保護を受給されていない方とのバランスも考慮する必要があり、慎重な慎重な検討が必要と考えております。

○山本太郎君 いつまで検討するんですかという話も言いたくなるんですよね、本当に。今そこで苦しんでいる子供たち、たくさんいるということを知っていただきたい。
現在、生活保護を受けながら大学に就学することは認められていない。もし、生活保護世帯の子供が大学などに進学した場合、実際には同じように親や家族と同居を続けていても、観念的に世帯分離、つまり、一緒には暮らしているけれども、いないものとして扱い、進学した者の分は生活扶助費が支給されなくなるというルールになっていますよね。そのため、生活保護世帯の子供が大学等に進学する場合、学費と生活費を奨学金やバイト代から自分で全て賄うことになると。学ぶために大学などに進学したのに、実際は多額の奨学金を借り入れ、ほかにもアルバイト掛け持ち、働き続けなきゃいけない、生活できない、こういった状態で進学した意味ってあるんですかね。
生活保護世帯の子供が大学などに進学した場合、世帯分離で保護費を打ち切る扱い、やめていただきたいんですよ。生活扶助費を支給するように運用を改めていただきたい。生活保護世帯の子供、大学などに進学しているのは全国で四千五百五十人ほど。一人当たりの生活扶助費は都市部でも四万円程度なんです。これ、現在、生活保護世帯から大学などに進学する子供に全員に支給したとしても、約二十二億円ほど。たった二十二億円というと、財源どうするんだという声も飛びそうですけれども、このような投資が将来大きなリターンとなって返ってくるというお話をしたいと思います。

日本財団による推計、子供の貧困対策をしなければ、二〇一三年時点で十五歳の子供の生涯所得の合計は二・九兆円少なくなり、それによって税金など将来の政府の収入も一・一兆円減る、このような発表をしている。この推計、当時十五歳の一学年だけを対象とした結果で、ここでいう貧困の子供とは、生活保護世帯、児童養護施設、一人親世帯の十五歳の子供十八万人を指す。

この一学年の子供に貧困対策をすれば、政府の財政収入、一学年で一・一兆円改善するという試算なんですよね。じゃ、これ一学年だけじゃなくて、ゼロ歳から十五歳の子供全員を対象とした場合、対策した場合で推計を行ったら、所得は四十二・九兆円増えて、財政収入に至っては十五・九兆円増に達すると。

これは、加藤大臣、長い目で見たら、子供の貧困対策、これ十分にリターンが期待できるという意味のある先行投資と言えるんじゃないかなと思うんですけれども、この件、検討してみる値打ちってあるんじゃないかなと思うんですけど、いかがお考えですか、今の推計を聞いて。

○国務大臣(加藤勝信君) たしか日本財団でしたかね、の推計だというふうに思いますし、その推計にはいろいろな考え方があるんだと思いますけれども、やはり子供さんあるいは若い方々に言わば未来への投資という形でそうしたことを行っていくと。そしてそれによって、言わばそうしなかった場合にむしろ社会の中で落後してしまい、逆に生活保護等の対象になっていく。他方で、将来に対する希望を持ってそれを切り開いていくことによって、自らがその夢を実現し、併せて所得等を稼得することによって言わばタックスペイヤーになっていく、もちろんその差というのはかなりのことがあり、それをそういった形で集計されたものというふうに考えております。
そういう意味で、個々の政策について一つ一つ申し上げる立場ではありませんけれども、ただ、トータルとしては、総理もおっしゃっておられるように、その生活環境によって将来が左右されないように、そして若い方々がその夢と希望が実現できるようにしっかり取り組んでいくというのは我々の基本的な姿勢であります。

○山本太郎君 これは、本当に子供たちに対する先行投資をすればリターンがあるんだと、財源はどうするんだじゃないんだ、これは先行投資なんだという話なんですよね。
日本財団は、他学年やこれから生まれる子供について考えれば経済への影響は甚大、子供の貧困対策を経済対策として捉えて、格差の解消に有効な施策を模索することが求められると指摘しています。これ、子供の貧困を解決することが将来の税収入を上げると、そのためには大学等の進学率を大幅に上げる必要がある、そのためには当然大学などで勉強できる安定した経済的環境などの先行投資必要だという話ですよね。

まず手始めに、生活保護世帯の子供が大学等に進学した場合、世帯分離で保護費を打ち切る扱い、これやめていただきたい。堀内政務官、生活扶助費を支給するように運用を改めるということを、まず政務三役でシェアしていただけないですか、お話ししていただけないですか。ごめんなさい、今ちょっとペーパー入ったと思いますけど、厚労省の立場としてというよりも、政務官、是非今のお話を政務三役でシェアしていただけませんか、お話ししていただけませんか。ペーパーにはない話です、これは。済みません。

○大臣政務官(堀内詔子君) 委員御指摘のとおり、子供たちの未来がその家庭の経済状況によって左右される、それはこの日本の将来にとってゆゆしき問題だと思っております。様々な経済的困難を抱えている生活保護世帯の子供たちに対してきめ細かい支援を行っていくこと、その必要性は感じております。

今後においても、生活保護世帯や制度の見直しの中で子供たちの自立支援にとって必要な措置を引き続きしっかりと、この国への先行投資という覚悟の下に続けてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。

○山本太郎君 これ、生活保護世帯から進学する場合に生活扶助が削られるだけじゃない、これ住まいにも影響が出るんだと。生活保護についてのQアンドAが書かれた生活保護手帳別冊問答集、自治体職員とか福祉事務所などの方々、運用面などで疑問にぶち当たった場合、これを見て運用の判断をするというQアンドAスタイルの代物。

その生活保護手帳別冊問答集の二〇一五年バージョンで改定が行われた。資料の二枚目でございます。これが改定された、世帯分離された世帯についての住宅家賃の限度額についてというものですね。これ、援護局保護課長通知の事務連絡として出された新旧対照表でございます。右側の改正前、色が変わっています。七人以上世帯、そこは色が変わっている。左側の改正後を見てお分かりのとおり、七人以上世帯の文言、改正で削除されました。この七人以上世帯の文言が削られたことによって生活保護世帯の子供が大学進学した場合、大変なことになっていると、ベテランケースワーカーの方々から悲鳴が聞こえています。

説明に時間掛かるのでざっくりにします。改正前の問答、七人世帯以上を前提にしたものですよね、改正前は七人世帯以上にしか触れていない。例えば、三人世帯から進学のため世帯分離で二人になりましたとか、そういうことを書いていないんです、触れていない、何も言っていない。あくまで改正前は七人世帯以上についてです。

七人以上で暮らす生活保護世帯ってどれぐらいいるんでしょう。全体の〇・一四%、つまり、生活保護世帯の中でも超少数、〇・一四。生活保護世帯の中でも超少数派である七人世帯以上にしか改正前は触れていないんですよ、世帯分離のね、細かいこと。

例えば、母子二人世帯で子供が進学のために世帯分離された場合、この通知、何も言っていないんです。だから、以前は現場の判断で、住宅扶助費について減額せず二人世帯基準のまま出し続ける、こういう柔軟な運用ができていたということなんです。実際にそういう対応をしている福祉事務所も少なくなかった。進学で世帯分離したといったって、現にそこに住んでいる以上、家賃を元々の世帯員数に応じた基準にすることもやむを得ないと、福祉事務所の裁量に助けられた人々がいた。

全ては、この通知によって苦しんでいる人たちが更に増える、より厳格になる、これによって本当に困る人たちたくさんいるんです。この保護課長通知、是非改めていただきたい、事務連絡として出されたもの、これを以前に戻していただきたいんです。

堀内政務官、最後に、堀内政務官でお願いします、もう時間がないので。

先ほども言いました、あっ、ペーパーは結構です、政務三役とこのことをシェアしていただけませんか。先ほどの話です。

○委員長(難波奨二君) 時間が参っておりますので、堀内大臣政務官、簡潔に御答弁をお願いいたします。

○大臣政務官(堀内詔子君) 御指摘の通知改正は、平成二十七年四月の住宅扶助基準の見直しにおいて、住宅扶助の上限額を世帯人数に応じてよりきめ細かく設定することに伴うものでございます。

私たち自身、一生懸命、これからも、世帯分離前の三人世帯であったものが世帯分離に伴い二世帯となった場合は住宅扶助上限額が単身世帯の一・三倍から一・二倍になるなどという様々な現状を踏まえて、これからも、子供の生活環境、そして生まれた家庭の経済状況にかかわらず、しっかりとした未来が開けるように、政務三役として頑張ってまいります。

○山本太郎君 改定してください。それが重要です。
ありがとうございました。




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