山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

点字版はこちら
Web-0422-900S

 

○山本太郎君 熊本、大分におけます震災で亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
予測不能な地震の多発に鑑み、最大限の予防原則にのっとった危機管理、政府にお願いをいたしまして、質疑に入りたいと思います。
改めまして、生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法案について質問をいたします。
もう当然なんですけれども、日本は島国ですよね。いわゆる島嶼、大小様々な島を全て合わせると6852、そのうち有人の離島は418。日本の領土、領海のアウトラインを描く離島の数々に対して人口が減らないように振興させようなどの離島振興策も盛り込まれているのが本法案であると。
この法案の原案には、我が国の主権的権利を侵害する行為であるとか国の行政機関の施設の設置として自衛隊等の文言が入っていたと聞いたんですけれども、原案の方に、本法案が成立した先、領土の拡張を図る他国との無用な紛争の原因になる可能性、そういうことを心配しちゃうんですよね。そんな心配は無用ですからと、あり得ませんからと一言で是非言い切っていただきたいんですけれども。

○衆議院議員(武部新君) 委員にお答えいたします。
そのようなことを想定してこの法案を出したわけではございません。
以上です。

○山本太郎君 では、もうそのような心配はないと、安心してくれと。

○衆議院議員(細田健一君) ありがとうございます。
まず、この法案の提出者の思いでございますが、先生先ほどお話ございました、例えば私の地元の佐渡でございましたら、本当にピーク時の人口のもう半分以下に人口が減っておりまして、先ほど共産党の先生からもお話ございましたが、本当にこの人口減少、非常に厳しい状況をもう何とかしてほしいという切実な声がございます。この切実な声に応えるためにこの法案を発議者としては提案をさせていただいております。

それで、具体的なその方策といたしましては、今後、法案にありますとおり、内閣総理大臣がいわゆる基本方針というのを定めて各種の施策を講じていくわけでございますが、この基本方針の内容でございます。法案を御覧になっていただければ、例えば有人国境離島の保全に関する政策としては、国の行政機関の施設の設置でありますとか港湾等の整備でありますとかを掲げておりますし、あるいは、有人国境離島に関する地域社会の維持に関しては、これはもう先ほどからお話ございました、いわゆる定期航路事業に関する運賃の低廉化でありますとか、あるいは生活又は事業活動に必要な物資の費用の負担の軽減、あるいは雇用機会の拡充ということを入れております。

こういう政策メニューを御覧になれば、基本的にはその御懸念は当たらないというふうに私どもとしては考えております。

○山本太郎君 なるほど、非常に手厚い内容になっているんだと。島の皆さんの暮らしが豊かになるような手厚いメニューになっていますというお話がよく分かったんですけれども、それでは提出者の方にお聞きしたいんですけれども、今回の法案による施策の予算規模ってどのくらいを想定されていますか。

○衆議院議員(細田健一君) 今、私どもとしましては、先ほど、新規の予算としては、この法案というのが有人国境離島が有する我が国の領海等の保全に関する活動の拠点としての機能を維持する目的で離島に関する施策を講ずるということで、各府省が現在離島について講じている施策とは全く別に新たな施策が講じられることになりますので、その新たな施策について、既存の施策についての予算とは全く別に新たな予算がしかるべく計上されるというふうに考えております。

ただ、その新規予算の規模については、これらに掲げられております特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する施策が着実に実施されるよう、政府において種々の状況を勘案した上で適切な額が計上されるというふうに私どもとしては大きな期待を寄せております。

○山本太郎君 具体的に言うと分からないんだと、値段についてというか予算については。政府が具体的に決めるということなんで、じゃ、政府の方にお聞きしていいですかね。これ、どれぐらいの規模の予算というものを考えられていますか。

○政府参考人(加藤由起夫君) お答え申し上げます。
本件、議員立法でございまして、政府といたしましては、法案が成立いたしました後に、法律の趣旨を踏まえまして必要な措置について政府全体で検討してまいりたいと、かように考えてございます。
以上でございます。

○山本太郎君 手厚いいろんな施策というものがメニューとして並んでいるにもかかわらず、そこに幾らぐらい投入するというような、何というんですか、イメージというものも伝えられないというのが非常に不思議な話だなというふうに思うんですよね。

現在、離島は人口が減り続けていると。昭和30年には99万人だったのが平成22年42万人、大幅に減少した。離島での生活を支えるために、過去、離島振興法というものが作られたけれども、現在も離島では収入が低いと。ぎりぎりの生活を送っている方々、多くいらっしゃいます。

国土交通省離島振興課、平成21年度離島の生活構造改善に関する調査報告書によると、離島と全国の年間世帯収入を比較すると、全国637万円に対して離島は513万1千円。支出のうちで光熱費、水道費を比較すると、一世帯当たり、冬場、離島は本土の1.6倍、交通費については、一世帯当たり、夏場は離島は本土の1.5倍だそうです。あくまでもこれは世帯年収ですもんね、その支出を平均したものから出されていると。離島の生活が詳細に反映されたものとは言い難いと思うんですけど、しかも調査、これのみなんですって、これ以降の調査も行われていないと聞きました。離島の方々の暮らしについて余り関心ないんじゃないかなって心配しちゃうんですよ。

離島の役場に勤める私の何人もの友人がいるんですけれども、この件について聞いてみたんですよね。こんなに世帯年収って多いわけというふうに聞いていくと、まあ大手が参入している地域であったりとか公務員であったりとか建築業などでもうかっている社長さんとかが離島で平均年収を押し上げているだけのことなんじゃないかと。実際は、一般の方々の収入、月額12万円から15万円、いいところで20万円超えたら島ではすごいなという話になるというのが共通の意見だったんですけどね。

島の物価は、先ほど山下先生の方からもお話あったとおり、輸送費などもかさんで、とにかく物価が輸送費なども上乗せさせられて高くなると。その上に消費税ですもんね、踏んだり蹴ったりというような状況にされてしまうと。ワーキングプア若しくはそれに近い収入で都会よりも高い物価なんだって、それは人口減るの当然ですよね。それで生活していけるのは、それでも生活していけるのは、農家から野菜をいただいたりとか漁師から魚などをお裾分けしてもらったりとかという支え合うという状況、そのおかげもあるのかもしれませんよね。

バスが一日に二便しか来ないんだと。行きと帰り、それしか来ないという現実の中では、生活は成り立たせていくというのはすごく大変だと思うんですね。だから、車は一人に一台というのが離島の常識だというお話をされていました。

例えばガソリン代でいうと、先日仕事で私がお邪魔いたしました鹿児島県の本土で私が給油した際、一リットル当たり百七円。その後、同県内の離島で給油した際は一リットル135円。この差28円。これはかなり大きいですよね。

本法案の国境に近い島に人が継続して住めるようにすることが安全保障上においても重要だということも私も理解いたしますし、そのためにも離島振興が必要だという考え方にも大賛成なんですよ。逆に、離島という部分を選別せずに、どこが特定だ、どうしたとかという話じゃなく、もっと幅広く大胆に離島振興に本気で力を入れてほしいんだというふうにさえ思うんですよね。

だから、先ほどの予算の話じゃないですけれども、大体イメージとしてこれぐらいだという話が聞けたとしたら、もうちょっと離島の皆さんというものも、離島で暮らされている方々、人々に対しても本当に希望が持てると。メニューだけではなく、それに対しての裏付けとなるような、これぐらいは付けようと思っているという何か話も聞きたかったなという話なんですけれどもね。済みません。

そして、人口減少が続く離島をどうしていけばいいのかと、お金付けるだけでいいのかという話なんですけれども、やはり本土からも移住したくなるような、そういう魅力、本気の離島振興策、必要だと思うんですよね。離島での子供の教育を充実させる必要性ってあると思われますか

○衆議院議員(武部新君) 委員の御指摘のとおり、離島の教育の充実の必要性というのは大変重要だと思っております。

今、離島振興法のお話もありましたけれども、離島振興法におきましても、第15条で教育の充実について書かれており24年の振興法の改正におきましても離島振興活性化交付金を新しいメニューとして用意させていただいて、高校生の修学支援を行っております。

こういった離島全体の教育を充実させる必要性というのは大変重要だと考えておりますが、本法案の施策につきましては、有人国境離島地域が有する我が国の領海、それから排他的経済水域等の保全に関する活動拠点としての機能を維持するために特に必要な施策ということで、その観点から選定したものであります。検討段階では、もちろん委員の御指摘のとおり、教育等についても特定国境離島地域の地域社会の維持のメニューに含めるべきじゃないかという議論もありましたけれども、それは、先ほども申し上げたとおり、国境離島に限らず一般の離島においても同様に必要な施策でありますので、今回は国境離島であるがゆえに特に必要であると思われる施策に絞って実施することとしたものであります。

もちろん、先ほども申したとおり、離島の教育を充実させる必要性は十分に感じておりますので、今後、政府が国境離島を含めた離島全体に対して教育を一層充実させることを期待したいと思います。

○山本太郎君 ありがとうございます。

全ての離島が大切なんだというお話だったと思います。その中でも、特定有人離島という部分に関して力を入れるんだというお話なんですけれども、メニューを見ていくと、中身を見ていくと、高校に対する修学支援という部分は確かに存在するんですよね。例えば、船で学校に通うという高校生に対してその交通費という部分をアシストしたりだとかというような考えだと思うんですけれども、しかし、この離島振興法、元々の離島振興法でもこの本法案でも教育に関するものという、余り具体的なものというのがそんなに並んでいないんですよ。

現在、離島での、もちろんその特定有人離島という部分にも含まれます、教育に存在する大問題、定数についてお話しさせてください。

義務標準法では一学年40人と定数が定められていると。ただし、二学年合わせて16人以下しかいなければ一つの学級にしてよいとしてあるそうです。離島や山間部の場合はこれが当てはまってしまうことが多いと。

例えば一つの教室で、前の黒板、後ろの黒板を使って二つの学年が背中合わせに授業をする、それを教えるのは一人の教員だという話なんですよね。ということは、教員の負担、これ二倍ですよね。子供たちの側も教えてもらう内容というのは実質半分になってしまうと。そういう教育を受けるために移住はちょっとやめておこうかな。そういう教育を是非受けたいんだという方いらっしゃるんですかね。一人の先生に掛かる負担というのが物すごく大きくなるわけで、しかも、子供たちがそれによって本来なら学べるものが、それが半分ぐらいになってしまうというような場所にわざわざ移住しようと思うかなと。

ということを考えるならば、本当に特定有人離島として、日本のアウトライン、国境ラインに存在する島々だったりとかいろんなものに対して人口をもっと増やしていって活性化していく必要があるというんだったら、まずここに注目しなければ人口なんて増えようがないよなというふうに思うんですね。そんな教育を受けることになったら移住は諦めるという方も出てくるのは困ると。人口が減る現実を無視して人口を増やすことは不可能だと思うんですよね。

鹿児島で該当する離島は十六から十七あるらしいんですけれども、その状態が全てに当てはまり、山間部においても同じ状況だと。先生たちは学力向上を求められる、一方で教員の削減も行われていくと、一人の教師に掛かる比重がとんでもないことになっていく。これでメンタル壊れたりとか過労死したりとかということにつながっていきますよね。とてもじゃないけど、離島から人が減っていくのは避けられないという状況だと思うんですよね。

先ほど答弁いただいた際には、離島の教育の充実、必要という旨の御発言だったんですけれども、本法案では初等教育に関しての記述というのが一切ございません。どうして記述がないのかな。これは骨組みだけ決める、そういう法案だからだよと言われればそれまでなんですけれども、やはりそういうところにまで光を当てていただきたい。もちろん、その御認識がある方々だと、このような法案を出されるわけですから。法案提出された方々が責任を持って先ほどの件も取り組んでいただけませんかというお願いなんですけれども、いかがでしょうか。

○衆議院議員(武部新君) 先ほども答弁したとおりなんでありますけれども、教育について、特に離島の教育につきましては、離島振興法その他で充実していかなければならないという認識はございます。

ただ、本法案につきましては、領海及びEEZZ等を適切に保全するために必要な施策の中で、その上で委員の御指摘のとおり、地域社会を維持をすることが一番保全に資する政策でございますので、したがって、その上で航路、航空路の低廉化ですとか、あるいは教育もそうでありますけれども、やはり定住していただくには雇用もなくてはなりませんので、雇用の機会の充実ですとか、そういった国境離島を保全していく上で必要な施策に特に絞って本法案について実施するということにしたものでありまして、当然、教育の重要性については重々理解しておりますけれども、またこれは離島振興法を含め、政府の中でしっかりと教育を充実させる政策を実施していただくことを期待するものであります。

○山本太郎君 ちょっと話がかみ合っていないようですね。
私が出した例は鹿児島県の離島のお話で、離島全般に広げるという話ではなくて、特定有人国境離島、今回のこの法案に該当する場所の教育の問題をお話ししているわけなんですよね。だから、ちょっと話がかみ合っていないように思うんですけれども。だから、飛行機とか輸送に係るものとか、もちろんそれ安くしていくということは必要だけれども、人口を増やしていかなきゃいけないという考えの下、その島を、やはり人口が減らしていって人が住まなくなるような状況が危ないからこのような法案が作られているわけですよね。もちろん、ほかの離島と同じ教育のインセンティブを与えるということだけであれば、このような法律というのは恐らく必要がないですよね。もっと掘り下げていただきたいというお願いだったんですけれども。
じゃ、もう一つ、済みません。
もちろん、いろんなインセンティブがあるんだと、特定有人離島に、何ですかね、された島々にはいろんなインセンティブがある、輸送費も交通費も雇用も広げる、漁業の経営も確保するというような話なんですけれども、その離島への特別な施策が実施される代わりに、いわゆる迷惑施設を押し付けられるなんていうことないですよね。そんなことはないですと言い切っていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

○衆議院議員(細田健一君) 先生今御指摘のとおり、本法案に基づく施策により離島に迷惑施設を押し付けるということは全く想定しておりません。これは、先ほどから申し上げているとおり、本法案に列挙されております施策、国の行政機関の施設の設置でありますとか港湾等の整備、あるいは旅客定期航路事業等に係る運賃の低廉化や雇用機会の拡充という政策メニューを並べておりますが、この内容を御覧になっていただければ、御懸念は全く当たらないということを御理解いただけると思っております。

○山本太郎君 ありがとうございます。
一言で答えていただきたいんです。ごめんなさい、防衛省、過去にFCLPを厚木基地で行っていたけれども、これが硫黄島に移ったその理由、簡潔に一言で言うと何ですか。

○政府参考人(中島明彦君) 艦載機着陸訓練はその周辺に深刻な騒音問題を引き起こすものでございまして、そういう観点から、平成三年八月から硫黄島においてその訓練を行っております

○山本太郎君 厚木で行われていたものが硫黄島に移った、厚木から1200キロ、これ騒音の問題が一番大きいんですよね。その硫黄島に移った空母に着陸するというものを練習する、戦闘機が、タッチ・アンド・ゴーと言われますよね、この訓練を、今種子島の横12キロ、何も遮るものがない、しかも40キロ先には世界遺産の屋久島、このようなところに移動させるというような話になっているんです。
今回この法案で、馬毛島、今言いましたタッチ・アンド・ゴーの基地にされる馬毛島は、特定有人離島に指定されているんですよね。人住んでいないですよ、無人島ですよ。どうしてですかという話なんですけど、住民11人いるからだという話なんですよ。確かに、この法案見てみたら、この法律において特定有人国境離島地域とは、有人国境離島地域のうち、継続的な居住が可能となる環境の整備を図ることがその地域社会を維持する上で特に必要と認められるものをいうと書いてある。実際に今人々が住んでいて生活をしているわけではない島に対してこの特定有人離島ということにしてしまうという話なんですけどね。
これ、別に馬毛島や種子島がこの国境線を表すものに非常に重要な位置にあるという話ではないですよね。もちろん、南西防衛という部分に対しては必要な部分なのかもしれないんですけれども、この馬毛島に関しては、これ、誰のためにこれ造るんですかって、迷惑施設を。アメリカ様の空母に離発着する訓練させるための施設を、もう既に硫黄島という騒音問題が解消されている場所にあるのにもかかわらず、またこっちに持ってくるって。分かりますよね、言っている意味

○委員長(神本美恵子君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。

○山本太郎君 ああ、そうですか、失礼しました。ありがとうございます。
じゃ、この質問に関してはまた次回やりたいと思います。今回のこの法案に対しても、非常にいい部分と悪い部分、両方合わさっていて、この馬毛島の部分に関してはすごく問題があると感じております
ありがとうございました。

○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕

○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

(山本太郎ひとり反対)

 




最新の記事

カテゴリ

過去ログ