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女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案・参考人質疑

( 参考人)

・株式会社ニッセイ基礎研究所生活研究部主任研究員 松浦民恵氏

・三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社女性活躍推進・ダイバーシティマネジメント戦略室室長 矢島洋子氏

・東京法律事務所弁護士 今野久子氏

 

○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎と申します。

先生方の御貴重なお話を伺いました。ありがとうございます。

この法律を作るというときに、作るというときというよりも、今年の2月12日ですか、施政方針演説、安倍総理大臣がこの法律に対してこういうことをおっしゃっているんですよね。

「私は、女性の力を強く信じます。家庭で、地域社会で、職場で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会をつくり上げてまいります。」と、すばらしいお言葉ですよね。まだ続くんです。「女性活躍推進法案」、この法案のことですよね、「再び提出し、早期の成立を目指します。国、地方、企業などが一体となって、女性が活躍しやすい環境を整える。社会全体の意識改革を進めてまいります。」。

すばらしいじゃないですかと思うんですけれども、この法案、でき上がったのを見ると、残念ながら、一部の女性のみにしかフォーカスされていないじゃないか、随分違うな、言っていることとでき上がったものがというふうにショックを受けた一人であります、私。女性の活躍を大々的にうたっていた割には随分と物足りない法案になっちゃっているなと言わざるを得ないと。女性の活躍、女性が輝く、言葉だけ躍ったところで活躍しようにも活躍しようがない、輝きたくても輝けない、実際にはその手段も環境もない、苦しい立場に追い込まれて、ぎりぎりの精神的状態、経済的状況の女性、我が国にはたくさんいらっしゃると思うんです。

その中でも光が当たりづらいDV被害者と絡めて皆さんにお聞きしたいと思います。

現在、DVの被害者というのが右肩上がりにどんどん増えているんだと。相談件数も年々増加しております。しかし、救済、支援を受けることができる方というのはほとんど増えていないんですね。横ばいなんです。施設が増えていない、一時保護などの、そういう救済というものが全然増えていないんですね、被害者の急増に比べてみたら。

DVによる被害により精神的、肉体的に疲弊し、働きたくても働けない、そんな方々に光を当てて、精神的な安定を取り戻していただき、心身共に健康で社会復帰してもらえるような救済、支援をしっかりとしていく、それこそ女性の職業生活における活躍の推進と言えると思うんです。

現在のように、被害者の精神的、肉体的安定へのサポートから目をそらす、ごまかしてしまえば、膨らむのは社会保障費だと思うんですよ。その原資は税金だと。先生方は、この救済であったりとか、そういう部分に関してどう思われるでしょうか、今の話の流れで。お聞かせ願えますか。お一人お一人聞きたいです。よろしくお願いします。

○委員長(大島九州男君) それでは、今野参考人からよろしくお願いいたします。

○参考人(今野久子君) 今御指摘のとおり、DV被害者というのは、働こうと思っても働けない状態に追い込まれたり、あるいは今度は逆に、DVを受けて、外で働けというふうに言われて、かなり劣悪な労働条件の中で働いたりとか、働き方についていろんな影響を受けています。

そういう点でいうと、一番最初に申し上げたかと思うんですけれども、女性の活躍とか、輝くとかという言葉が使われていますけれども、大事なことは、それぞれの女性の人権や何かが保障されてこそ初めて女性は輝くことができるのであって、輝く、それから活躍という、その中身が何なのかということが問われているのではないかというふうに思います。

そういう点でいうと、やはりDV被害者の救済、それから働いて経済的に自立していけるようにしていくためには、そのための相談体制の整備だとか、実際に人だとか、相談窓口だとか、救済のための施設だとか、いろんなことについて、きちんとした予算を組むことも含めて体制を整えていくことが必要ではないかと思うんですね。

そういう点でいうと、女性が活躍するような状況をつくっていくためには、きちんとした予算措置だとか、そういうものも十分に充てていただかなければなかなか実効性が発揮できないのではないかというふうに思っております。

○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。

やはり女性が強くなったというようなことをよく言われるんですが、現実のいろいろな場面を見ると、DVの問題もそうですし、育児のときにも、そこのおむつ取ってという一言が夫に言えない女性というのはやっぱりまだまだ実際いると思うんですよね。

そういう中で、やはり女性が自分の、何というんですか、意思でいろいろな決断をしていけるようになるためには、私は経済力が非常に重要だと思っていて、その経済力を女性が付けていく上で、やはり企業の中でそれなりにキャリア形成をしてポジションを上げていくということも非常に重要だと思っています。ただ、そういうふうな企業の中でキャリア形成してポジションを上げていく上では、まずDVというその現状から脱却しなくてはいけないので、そこをいかにして脱却するかという支援についてはやはり必要だと思います。

以上です。

○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。

私も、DVとか、それから一人親家庭の問題といったことがやはり女性たちにとっても非常に今深刻な問題だというふうに思っておりますし、あと、若年でお子さんを持たれた女性たちも非常に増えていて、そういった中での職業生活というのも大きな課題だと思います。

その中で一つ考えなければいけないのは、やはり相談体制とか、それからサポートというところで、今、様々なNPOなども活躍しておりますけれども、やはり公的にもっともっと支援が必要なのではないかというのは日頃思っているところです。

ただ、この法案で今進めようとしていることではそういった視点がやはりないんですけれども、今進めようとしていることの中にも、長期的に見ると、やはり女性が子供を持っても、例えば一人親でも働き続けやすい環境ができる、あるいは企業の中で子供を持った人が働きやすい環境ができれば、今働いていない女性たちも再就職として入っていく余地が今までよりは増えるというようなことがあります。

そういったようなことで、実際、今、企業では再雇用とか再就職を受け付ける動きが活発になってきています。ですので、そういうところでの関わりも、えんきょくになりますけれども、期待するところではあります。

以上です。

○山本太郎君 ありがとうございます。

そうなんですよね。今一番望むところは、この法案に、この法案の中身にというか、しっかりとしたサポート、例えば再就職というところまで行けない人たちもたくさんいるんだと、そこの底上げといいますか、そこに対するサポートを手厚くしていただければ、今この法律の中に盛り込まれている再就職への後押しというものももっと加速していくんじゃないかなというふうに思うんですね。

8月3日の内閣委員会、本委員会ですね、答弁におきまして、女性活躍担当の有村大臣がはっきりと、この法案は女性の職業生活における活躍のための法案であるのでDVは本法案の範疇にないということを言われて、非常にびっくりした状況だったんですね。安倍総理の方から、女性の力を強く信じると、家庭で、地域社会で、職場で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会をつくり上げてまいりますという本法案の、何といいますか、アピールがあったわけですから、そのずれというものに非常にびっくりしたんですけれども。

そもそも、男女間の性差別、これが男女間の賃金の格差、雇用条件の格差などに結び付いているんじゃないかなと考えます。男女間の差別は人権問題ですよね。国連からも、日本は何度も何度も女性差別撤廃条約批准国としての責任を果たせとの勧告を受けてきたと。DVの問題も、職業上の男女間の賃金格差も、雇用条件の格差も全て根っこは同じじゃないかと、女性差別という人権問題につながっていくんじゃないかと。この根本である人権問題を少しも触れずに、改善しないままこの法案を取り扱っていっていいのかなというふうに思ってしまうんです。

先生方にお聞きしたいんですけれども、女性差別をないがしろにしたまま、本当に女性の職業生活における活躍というのは実現していくと思われますか。

○委員長(大島九州男君) それでは、矢島参考人からお願いいたします。

○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。

女性差別という問題、実質に女性が働いていく上での差別というものの背景を少しいろいろと精査する必要があるのかなと思います。

単純にやはり女性に対する人権的な差別意識というのがまだ根強く残っている部分もあるかもしれませんが、かなりの部分で、やはりそれは子育てをしながら働くことで制約を受けるということがこれまでの企業の組織の中では扱いづらいといいますか、受け入れ難いものであったということが一つは大きな私は女性差別の背景にあると思っておりますので、この法案では、その働き方というところ、ライフステージに応じた働き方ができるというところについて更に強力な後押しをしていただくことを期待しておりますが、もちろんそれ以外の要素というのも残るかと思います。

以上です。

○参考人(今野久子君) 女性差別撤廃条約を批准してから三十年になりますけれども、やはりこの基本的な理念とか考え方に戻って考えるべきではないかなというふうに思っています。固定的性別役割分担の変更というのなしには男女平等は実現できない、それから出産における女性の役割が差別の理由になってはいけないというようなことが条約にうたわれております。

そういう点で、やはり女性が活躍していくというときに、やはり性別による差別、これを受けないということが人権として確立していく、それがなければ、先ほど申し上げましたけれども、性別で差別を受けている人たち、もちろん賃金が低いとか何かという問題ございますけれども、やっぱり人間として尊厳を侵されたときというのは人は働くとか、あと生活していくとかということについて本当に意欲を失ってしまうという、そういうことがあるかと思います。そういう点でいうと、性差別の是正というのはやっぱり女性が活躍していくための基盤をつくっていく大事な要素であるというふうに思っております。

○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。

そうですね、男女雇用機会均等法が公布されてもうほぼ三十年という中で、あからさまな差別というのは法規制の影響もあって減ってきているとは思うんです。ただ、何というんですか、冒頭のプレゼンテーションで少し申し上げましたけれども、やはりまだまだ職場というのは男性社会ですので、男性の管理職が女性の部下と男性の部下で異なる取扱いをするケースというのがやはりあるんですね。それが女性の成長機会というのを制約しているという面もあると思っておりますので、そこについては、今後、この法案も一つの後押しになると思います。是正していく必要はあるのかなというふうに考えております。

以上です。

○山本太郎君 ありがとうございます。

家庭生活における男女の平等感、職業生活と家庭生活の両立というのであれば、何が必要かなと思うときに、これに関してはしっかりとした教育が必要なんじゃないかなと思うんですよ。

自分自身のことを考えてみると、今四十歳なんですけれども、学校時代にそういう教育を受けた覚えがほとんどないんですよね。家庭の中でもそういう、詳しくといいますか、もちろん人間は平等だ的な話はあったんですけれども、何かこういう細かくジェンダー意識というものを自分の中に持てるような教育というのをほとんど受けることができなかったという部分があると思うんですね。だから、今この仕事に自分が就いていなかったら、恐らくそれさえも問題なのかどうなのかということさえも分からないまま、ぼんやりとその先の人生を進んでいたんじゃないかなというふうに思うんです。

DV問題も職業上の格差もしっかりとした男女均等に関する教育を国がしてこなかったというのは、すごく原因の一つになっていると私自身は思うわけです。

企業に女性の採用比率や管理職のパーセンテージを義務付けたりするような表面的な取り繕いだけで問題が解決するとはとても思えないと。女性の活躍を推進するためには活躍できる土壌を整備する必要がある、それは子供への教育ではないかと思うんですよね。男女均等教育であったり啓蒙活動であったりとかという教育が必要なんじゃないかと思いますけれども、先生方、いかがお考えでしょうか。

○委員長(大島九州男君) 今野参考人からお願いします。二分弱でどうぞ。

○参考人(今野久子君) 固定的性別役割分担とか何かも含めて、やはり人の意識というのは時間を掛けて変えていく必要があるし、それから、基本的にどうあるべきかということに関して、きちんとやっぱりモデルが目の前にあって、そういう中で意識というのは変わっていくのではないかなというふうに思います。

そういう意味では、ジェンダー教育も含めて、小さいときからそういう教育というのがきちんとなされるような体制というのは重要ではないかなというふうに思います。

○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。

やはり子供たちの意識というのはとても重要だと思うんですが、そういったものが学校教育だけではなくて社会の中で、親を見ているというのも非常にありますし、それからテレビCMとかドラマとかを見ていても、やはり無意識の制作者たちの固定的な観点によってそういった固定的役割分担意識を助長するような表現もたくさんまだ残っております。ですので、そういった視点も非常に大事かと思うんですね。

ただ一方で、もう一つ考えなければいけないと思うのは、私どもが中高生対象に十二年前と昨年と調査をしたんですけれども、子供を持つこと、結婚すること、働くことについての前向きな意識の程度がどのぐらいあるかというのを見たときに、男子学生も女子学生も全部に前向きな子と全部に後ろ向きな子がいるんですね。

だから、子供たちのレベルでは、私は女だから家庭だけ持って仕事はしないとか、そういう意識というのは実はそんなに強くはないんですね。だけれども、社会に出ようとした途端に、あなたは女性だから子育てするんだったら仕事はしちゃ駄目よとか、男性だから家庭にそんなに大事にするのはおかしいとか言われるというのが、そこで非常に大きなギャップを子供たちは感じるのではないかというふうに思うんです。

ですから、その辺りの子供たちが教育を受けてくる環境、男女平等なある程度意識が育ってくる環境と社会に出たときのギャップというのを埋めていくことも非常に重要だと思いますし、最近は、ちょっと話は外れますけれども、仕事にも結婚や子供を持つことにも全部にネガティブな層がこの十二年間で非常に増えているんですね。そのことがまた更に大きなこれからの少子化の対策の問題でもあるかというふうに考えております。

以上です。

○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。

やはり教育とか小さい頃に親御さんがどういう意識を持っておられたかというのは、その後のやっぱり就業継続意識ですとか、そういうことに影響しているんですよね。

ですので、小さい頃からの教育というのは大事だと思うんですけど、やっぱり教育というのは何をするかというのが、周囲にそういう共働きで一緒に働いている人がいるとか、やっぱり周囲に何らかのロールモデルが増えていくということが多分子供たちの教育という観点からも重要なのではないかというふうに思います。

以上です。

○山本太郎君 ありがとうございます。

そうですね、子供たちへの教育というのも重要だけれども、大人たちへの教育というのも非常に大事だと。一番最初に接する社会が家庭であるから、親を見てという部分があるので、やはり大人への啓蒙というものも非常に大切だということが分かりました。ありがとうございます。

8月4日の内閣委員会、先日の本委員会で、DV被害者を保護する婦人相談所とそこで働く婦人相談員について質問いたしました。今現在、総合的にDV被害者サポートしている婦人相談所の婦人相談員なんですけれども、基本、法律上、非正規雇用なんですね。DVで苦しむ人たちに新しい人生を切り開くお手伝いをする人たちが、当事者若しくはそれと同等ぐらいに本当に生活が苦しい状態であると。サポートしなきゃいけない人たちが、自分たちも本当はサポートが必要だというような状況にあるにもかかわらず、その気持ちだけで被害者たちをサポートしているというような状況だと。非正規で低賃金というような状況で、気持ちだけでやっていただいているというような状況が非常にあるんですね。

これ、そういう相談員だけじゃなくて、例えば個人情報の駄々漏れで話題になりました日本年金機構とかも5割ぐらいが、5割以上が非正規雇用だと。この官製ワーキングプアに苦しむほとんどが、多くが女性が含まれていると。

やはりこういう法案でもそういうところに光を当ててほしいなという気持ちは僕自身の中にあるんですけど、皆さんはいかがでしょうか。一言ずつ。済みません、時間ないのに。

○委員長(大島九州男君) もう一言ずつ、一言で。松浦参考人から。

○参考人(松浦民恵君) 先ほど申し上げましたように、管理職登用というのは管理職候補だけで切り出してできるものではないので、ある程度一体的に影響してくるとは思っております。

以上です。

○参考人(矢島洋子君) やはり非常に重要な問題だと思っております。それで、一方で、指定管理者制度など公的な施設のコスト削減というようなことと結び付いている部分もございますので、こういうことと併せて検討していただくことが重要かというふうに考えております。

○参考人(今野久子君) 官公職場にも基幹的業務をやっている非正規労働者がすごく増えています。その人たちがやはり安定して経済的にも自立できるような生活をしていく中で、仕事をきちんと果たしていくことができるのではないかというふうに思います。

厚労省のお膝元でも、労働基準監督署の窓口で相談に応じている非正規職員はたくさんいます、そういう意味では。そういう意味での官公労働者の非正規労働者、これの条件をどう整理していくか、労働条件を良くしていくか、これは重要な問題です。

○山本太郎君 終わります。

 




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