山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動


○山本太郎君 内閣委員会でしばらく質疑のない間に山本太郎となかまたちの共同代表になっていました、山本太郎です。
本日は、お聞きしたいこと、お伝えしたいことがいつもよりたくさんございまして、政府参考人の皆様には、どうか簡潔な御答弁、できればお願いしたいと思います。ありがとうございます。
まずは、大臣に最初はお聞きしたいと思います。
おれおれ詐欺、振り込め詐欺の被害の拡大について一言お願いできますか。
○国務大臣(山谷えり子君) 昨年中における特殊詐欺の被害額が過去最悪となりまして、被害者の多くが高齢者であるという現在の情勢について国家公安委員会委員長として深刻に受け止めております。
平成二十六年中の特殊詐欺情勢、認知件数一万三千三百七十一件、前年比一一・四%増、被害額が五百五十九・四億円、これも前年比一四・三%、過去最悪であります。また、高齢者率、六十五歳以上の高齢者の割合、平成二十三年ですと六二・七%が、平成二十六年で七八・八%となっております。深刻に受け止めているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
おれおれ詐欺、振り込め詐欺は組織的な犯罪というのが多いんですかね。多いなら多いという一言で結構です。
○政府参考人(三浦正充君) 振り込め詐欺などの特殊詐欺の多くは組織的に行われておりまして、いろいろな役割分担をしながら行われているところであります。また、暴力団の関与も強くうかがわれるところでありまして、資金源となっているということがうかがわれる状況であります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
今回、刑事訴訟法の改定で盗聴できる範囲、盗聴できる範囲が大きく変わると聞いています。これは、警察の皆さんが、おれおれ詐欺、振り込め詐欺などの組織的特殊詐欺の撲滅を本気で目指している決意と受け取ってよろしいでしょうか。
○政府参考人(三浦正充君) 今回の対象犯罪の拡大が行われますと、御質問のとおり、詐欺等の犯罪にも拡大をされることになるわけでございます。
先ほど申し上げましたように、特に特殊詐欺につきましては大変組織的な形態で行われているというように認識をしておりまして、こうした犯罪の捜査に寄与するということを我々としても期待をしているところでございます。
○山本太郎君 今現在、盗聴できる犯罪は薬物、銃器、組織的殺人、集団密航、この四類型に限られていると。
これまで盗聴した数というのはどれくらいありましたか。
○政府参考人(三浦正充君) 平成十二年の通信傍受法施行以来、警察におきましては、平成二十六年までに組織的な薬物密売事件等、合計九十八事件について通信傍受を実施をしておりまして、その結果、暴力団幹部を含む合計五百二十二人を逮捕しております。
このほか、地方厚生局麻薬取締部におきまして一事件について実施をしているものと承知をしておりまして、これを加えますと九十九事件ということになるところでございます。
○山本太郎君 先ほども申しました、今まで盗聴の対象犯罪は薬物、銃器、組織的殺人、集団密航と四つの犯罪でしたけれども、今度は新たに九つの犯罪が追加され、窃盗、詐欺、殺人、傷害、放火、誘拐、監禁、爆発物、児童ポルノが盗聴可能になります。この中の窃盗、詐欺、この二つだけで年間百万件を超え、一説によれば、この二つだけで犯罪の八割を構成するとも言われています。随分範囲広げるんですね、これね。盗聴できる範囲が一気に広がります。
今回の対象犯罪拡大でどのくらい盗聴の数が増えると予測されていますか。
○政府参考人(三浦正充君) 対象犯罪が拡大すれば通信傍受の実施件数は一定程度増加をするということは予測をされるところでありますけれども、どの程度増加をするかということにつきましては、当該罪名に係る事件がどの程度発生をし、そのうち組織的に行われる事案がどの程度あるか、また通信傍受の要件を満たすことの疎明が可能な程度に捜査が進展する事案がどの程度あるか、あるいは通信傍受の実施に必要な体制をどの程度取ることができるかといった様々な事情に左右をされますことから、現時点で具体的にどの程度増えるかということについてお答えをすることは困難であると考えているところであります。
○山本太郎君 予算、試算ぐらいしているだろうという話なんですけれども。
やってみなきゃ分からない、取りあえずやってみたという感じでプライバシーの侵害のおそれがある部分を大胆に踏み込まれるということが拡大されていくのは非常に心配だなと思うんですよね。怪しそうに見えるやつはもう片っ端から盗聴してやれという話にならないかなとか、しかも、怪しいという判断基準、これ慣れてくればかなり曖昧で感覚的なものになっていくんじゃないかなとか心配しますよね。
例えば万引きした子供、自転車を拝借した学生、実はその親の、若しくは周りにいる人間を盗聴したくてそのような事柄を利用するという具合の恣意的運用に使われたら怖いなとか、いろいろ想像広がっていきますよね。対象者の周辺からどんどん盗聴が増えて広がっていけば、この国にプライバシーなんて存在しなくなるんじゃないかな。
おれおれ詐欺、振り込め詐欺などの組織的特殊詐欺の撲滅も目的の一つとおっしゃいましたよね。元々の四類型に、おれおれ詐欺、振り込め詐欺などの組織的特殊詐欺を新たな組織犯罪として五つ目の対象犯罪に加えればいいんじゃないですかと思うんですけれども、それをわざわざそこまで拡大するかと。何か意図があるんじゃないかな、非常に不気味だなというふうに疑っちゃったりするんですけどね。
今現在、盗聴するためには立会人が必要です。第三者である通信事業者の社員が立ち会った上で傍受を行うことになっていますよね。この法律案では、その立会人の義務化がなくなり、全国各地の警察署、検察庁で盗聴ができるようになるということなんですか。
○政府参考人(三浦正充君) 現状におきましては、主として東京に所在をする通信事業者の施設において、通信事業者等の立会いの下で通信傍受が実施をされているところであります。
改正法案におきましては、傍受をした通信の内容等を即時に暗号化して記録し、記録の改ざんを防止するなどの機能を有する装置を用いて傍受の実施状況を全て事後的に検証可能にすることによりまして、捜査機関の施設において、通信事業者等による立会い及び封印を要せず通信傍受を実施することを可能とする仕組みを採用しているものと承知をしております。
もっとも、新たな方式による通信傍受を実施するためには資機材の整備等も必要となりますので、実施場所につきましては、例えば都道府県警察本部の施設といった場所を今後検討していくことになると考えております。
○山本太郎君 準備が掛かるよと、期間が掛かるよと、その前に一番手っ取り早く都道府県の警察本部で直接聞けるようになるんだと。でも、これが運用されるまでには三年間あるんだから、その間にいろいろ広げられるよねという話なんですよね。でも、そこに立会人もないと。そんな状況で、中で何やっているか分からないなんて怖くないですか。ブラックボックスですよ。やりたい放題ですよ。
人間って間違えますよね。完璧な存在ではありませんから。もちろん組織もそうだと思います。警察や検察でも間違うことはあると思います。閉ざされた環境で、個人のプライバシーの侵害されるおそれがある捜査方法をどうしても拡大していきたいんだと言うんだったら、間違いが起こらないように、最低限、第三者機関など外部の目が必要だと思うんです。
捜査当局から独立した第三者による監視機関をつくらないんですかと疑問に思うんですけれども、既にあるんですよと。何があるの。既にあるシステムで問題ないんですよと考えておられるようです。そのシステムって何なんですか。盗聴対象者に対して後日直接通知がされる制度のことだというんです。盗聴されたと知り、盗聴されたことが不服であるならば、通知を受けた後、本人が不服を申立てができると。盗聴された本人への通知はどのくらいのパーセンテージがなされて、そして不服申立ては何件ぐらいありましたか。
○政府参考人(三浦正充君) 警察におきましては、通信傍受法第二十三条に基づきまして、傍受記録に記録をされている通信の当事者に対して必要な通知を行っているところであります。
通知を行った件数の割合につきましては、警察庁においては把握をしておりませんけれども、通信の当事者が特定できない場合などの法律の定める例外に該当する場合を除いて全ての通信の当事者に通知を行っております。
また、通信傍受法第二十六条に基づく不服申立ての件数につきましては、必ずしも網羅的に把握をしているわけではありませんが、把握している限りでは、法施行から現在まで、通信の当事者から不服申立てが行われた事例は一件と承知をいたしております
○山本太郎君 びっくりですよ、把握していないなんて、どれだけの人たちに通知したかよく分からないなんて。どういう話なんですか、それ。しかも、不服申立てはたったの一件。びっくりします。それはそうですよ、他人名義の電話、他人名義のプリペイドカード、そういうものを使っている人たちというのは、恐らく登録された本人に連絡付かないですもんね。その他いろんな事情があるわけですよ。つまり、十分ではないと。
何か不満があったら不服申し立てればいいだろうと言われて、一般の方にハードル高くないですか。勝手に盗聴されて、ただでさえ不気味ですよ。その上に不服申立てなんて、何か刃向かったような雰囲気になれば面倒なことになるんじゃないかなって。だからこそ、客観的に判断する第三者機関必要だと思うんですよ。
 刑事訴訟法改定を審議する法制審議会では、こうした本人通知や不服申立て制度があるため、第三者機関を新たにつくる必要はないとされたと聞いています。こんな半端な制度で、これがあるから第三者機関などによる監視は必要ないなんて、説得力ないですよ。言い訳にもならない。
では、海外はどうなっているんですかという話なんですけれども、例えばオーストラリアでは、盗聴は全面的に記録がされ、それを第三者機関が全て確認することができる仕組みになっているそうです。また、アメリカでは全ての記録が弁護人に開示されます。少しでも令状の目的と異なることを傍受したと確認された場合は、違法収集として即刻証拠として使えなくなるとも聞きます。
日本は事後的チェックも何もない。こうした制度では、適正な運用を行うなんということは極めて難しいんじゃないですか。他人のプライバシーを侵害し得る盗聴行為にはもっと厳格な第三者機関の目が必要でしょう。これむちゃくちゃな指摘ですかね、わがままな発言ですかね。先進国では人権侵害に及ぶ可能性があるものに対してしっかりとした歯止め、担保、存在しているんですよ。実効的な第三者機関必要ないんですか。設置するべきですよね。二択でお答えください、必要又は必要ない。
○政府参考人(上冨敏伸君) 法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会におきましては、捜査機関から独立した第三者によって構成される機関が捜査機関による傍受の状況等を監視、検査するとの仕組みが提案されました。しかしながら、他の適正担保措置に加えてこのような仕組みを設ける必要性に疑問が示されたほか、令状に基づく捜査の適正確保は司法手続によって図られるべきであり、第三者機関を行政府に設けようとすると、行政権と司法権の関係で問題が生じるとの異論も示されたところであります。
捜査機関が通信傍受を行うためには裁判官が発付する傍受令状が必要となる上、傍受をした通信は全て記録され、裁判官に記録が提出されます。また、通信の当事者に対しては、御指摘のように、傍受記録を作成したことなどが通知され、当該通知に係る部分を聴取することができる手続や、通信の傍受に関する裁判に不服がある者は裁判所に対してその取消し又は変更を請求する手続も設けられているところです。さらに、立会人なしに行う新たな傍受の実施方法に関しては、実際に用いる傍受装置が法定の機能を全て有するものであることが令状審査の際に裁判官のチェックを受けることによって担保されております。
このように、通信傍受を行うためには、裁判官による厳格な審査を受けるとともに、事後的にも適正担保の手続が設けられておりますので、さらに第三者機関を設ける必要はないと考えております。
○山本太郎君 済みません、一分半使ってコメントするのやめていただけませんか。第三者機関は必要あるのか必要ないのかという見解をお聞きしたんです。委員長、済みません、短くコメントを求めているときにそういうふうに質問潰しのような長い回答をするのはやめていただくように言っていただけませんか。ありがとうございます。
続けます。司法取引に話を移します。
日本では、一度警察から検察に送致され、起訴されると、その人が有罪になる率は九九・八%と言われています。また、日本の司法は自白するまで勾留するため、人質司法とも言われています。
記憶に新しいですよね、二〇〇九年、郵便制度利用に不正があったとされる事件、村木厚子さん、百六十四日間も勾留された。結果どうだった。二〇〇三年志布志事件の中山さん、一年以上勾留、最終的に無罪。二〇一三年の倉敷民商事件では現在もまだ、今もですよ、一年以上勾留され続けている。密室における追及的な取調べの実態として、一九八〇年代に一旦死刑となった死刑確定者の方たち、再審の結果無罪となった方々もおられますよね。一九四八年免田事件、三十四年と六か月間勾留、後に無罪。一九五〇年の財田川事件、死刑判決後、数十年の後無罪。一九五五年の松山事件、死刑判決の二十九年後死刑台から復帰。徹夜の取調べ、今もやっているんですか、水面下では。有名な一九六六年の袴田事件、ボクサーである袴田さん、現在殺人事件の再審無罪争っていますよね。袴田さんも当初は警察の留置所に勾留され、一日平均十二時間以上、十四時間に及ぶときもあった取調べ、自白を強要、そして勾留満期三日前に虚偽の自白をしてしまうんですよね。連日密室で、真夏に汗だくになりながら、汗を拭くことも禁じられたという取調べですよ。
最近では先ほどの村木さん、そして東電OL殺人事件の容疑者とされたゴビンダ・マイナリさんなどなど、新しい案件も冤罪として皆さん御記憶にあると思うんです。一九九〇年に起きた足利事件、菅家利和さん、強引な取調べで虚偽の自白をしてしまい、十七年半の勾留の後無罪判決、一九九四年の松本サリン事件では、サリン被害者の一人、被害者ですよ、河野義行さんが疑われ、後遺症で苦しんでいるのにすさまじい取調べが行われたと。その上でもう自白してしまったと、つら過ぎて。自白強要で最近の有名な事件だけでもこれだけあるんですよ。ひどくないですか、日本の捜査手法。
もちろん全ての取調べがそうだとは言いませんよ、もちろん、心ある方々もいらっしゃるし、このような非人道的取調べが確かに我が国に存在する事実、これ非常に残念なんですよ。大臣、一言だけ、どう思われるか、御感想ください。
○国務大臣(山谷えり子君) 私もジャーナリスト時代に冤罪事件の幾つかを取材したことがございますので、冤罪事件あってはならないと思います。
山本委員が今おっしゃられましたけれども、訴追に関する合意制度では、御指摘のように、無実の第三者を巻き込むことのないよう虚偽供述等の処罰規定などの制度上の手当てがなされていると承知しておりますが、本制度の運用に当たっても引き続き必要な裏付け捜査を徹底するほか、検察官とも緊密に連携を図りつつ、被疑者の供述の信用性について慎重に判断していくよう警察を指導してまいりたいと思っています。
○山本太郎君 ありがとうございます。
続きまして、国連拷問等禁止条約に規定する公務員による取調べ、その第一条で身体的なものであるか精神的なものであるかを問わず人に重い苦痛を故意に与える行為を拷問と定義付けていると。長時間にわたる取調べ、強引な自白強要は精神的にはもちろん、身体的にも拷問です。
冤罪事件に詳しい弁護士の方にお伺いしました。冤罪の疑いで取調べを受けている側は、自分自身やっていませんもんね、刑罰を受けるとか死刑になってしまうなどの実感が湧かないそうです。その先に起こり得る事柄にリアリティーはないそうです。とにかく、その場の苦しさを逃れることだけ、これが最大の関心事になるそうです。一刻も早くこの場を逃れたい、早く釈放されたい、裁判所は分かってくれる、そこで無理な取調べとなり、うその自白の強要につながる冤罪の構造が生まれるとお話しくださいました。
刑事訴訟法の一部改正には司法取引が含まれます。ざっくり言えば、おまえの罪を軽くするためにはほかの誰かを売れという話ですよね。余りにも厳し過ぎる取調べ環境の中で、冤罪事件も存在する我が国で司法取引なるものが公に行われるのは非常に危険な状態ではないかと考えます。この苦しい状況から脱出するには、誰でもいいから名前を出して逃れようって考えてしまわないですかね。
村木厚子さんの郵便不正事件、取調べを受けた厚生労働省の関係者十人のうち五人が村木さんの関与を認める供述しちゃっているんですよね。
ほかにも、二〇一二年のパソコン遠隔捜査事件ありましたよね。初夏から秋にかけて、犯人がインターネットの電子掲示板を介して他者のパソコンを遠隔操作、これを踏み台として襲撃や殺人などの犯罪予告を行った事件ですよ。四人容疑者のうち、真犯人ではない二人が自白しました。この二つの事件を見ても、結果として五〇%がうその供述をしていたということですよね。
じゃ、海外ではどういうことが研究されていますか。アメリカにおける捜査協力型司法でいろいろと問題点が明らかに。中でも、二〇〇四年のノースウエスタン大学ロースクールの研究によれば、一九七三年以降の死刑冤罪事件の四五・九%、四五・九%の冤罪原因が誤った情報提供者の証言であり、冤罪原因の第一位であると。こうした研究を見ても、司法取引を安易に導入することは、冤罪を増やし、無辜の市民を危険にさらす確率をかなり高める原因ではないでしょうか
二〇一三年五月、拷問禁止委員会で、日本政府に対して取調べに弁護人の立会いを認めないのはなぜかという質問があり、ドマ委員から、日本の取調べは中世なのか、そのような発言、皆さん報道で記憶されていますよね。
とにかく、日本ではありとあらゆる手練手管を使って自白を強要し落とすのがプロ、それが望ましいとされていたとも聞きます。二〇〇一年、愛媛県警幹部、警察学校での講義に使用した愛媛県警マニュアル、被疑者取調べ要領にはこうあったと、長時間、長期間、徹底的に取り調べて被疑者を弱らせて自白を取る
今回の改正によって取調べの可視化が進むと聞いております。警察に、可視化の対象となっている事件というのは全体の事件の何%ですかとお聞きしたい。そして、検察には、検察の運用における取調べの録音、録画の実施状況は何件中何件くらいですとお聞きしたいです。お願いします。
○政府参考人(三浦正充君) 対象は裁判員裁判対象事件ということで理解をいたしますと、警察における平成二十六年中の裁判員裁判対象事件に係る検挙件数は約三千件でございまして、全ての身柄事件の検挙件数に占める割合は約二・八%でございます
○政府参考人(上冨敏伸君) 検察における運用による録音、録画の実施状況についてでございますが、まず裁判員裁判対象事件につきましては実施率が約九八・九%、知的障害によりコミュニケーション能力に問題がある被疑者に係る事件につきましては九九・二%、精神の障害等により責任能力の減退、喪失が疑われる被疑事件に係る事件につきましては九九・二%、いわゆる独自捜査でありまして検察官が被疑者を逮捕した事件につきましては一〇〇%であると承知しております。
また、平成二十六年十月から新たに施行を開始した録音、録画の実施件数につきましては、いまだデータが十分にそろってはおりませんが、同月十月から十二月までの三か月間において、被疑者の取調べの録音、録画は六千二百四十六件、被害者や参考人の取調べの録音、録画は二百三十五件で実施されていると承知しております。
○山本太郎君 たったの、最初のお話ですけどね、たったの二・八%ですか。残り九八%の事件の取調べ完全可視化、いつまでの目標でやるんですか。
○政府参考人(三浦正充君) 警察は、第一次捜査機関といたしまして、社会に不安を与える犯罪を速やかに検挙し、事案の徹底解明を図らなければなりませんけれども、録音、録画といいますのは、供述の任意性等の立証に有効な面がある一方で、被疑者から供述が得られにくくなるなどのデメリットがあるところでありまして、こうした制度は取調べの機能に過度の支障が生じないバランスの取れたものとする必要があると考えております。
また、原則全過程の録音、録画を実施しました場合、多大な人的、物的資源を要するところとなりまして、そのコストはかなり莫大なものとなりますところから、そうした広い範囲に対象事件を広げるといったことになりますと、捜査に重大な支障が生じて犯人を的確に検挙できなくなるといった事態を招きかねないということを懸念をしているところでございます。
以上のことから、制度の対象は類型的に録音、録画の必要性が高いと言い得る裁判員裁判対象事件を限度とすることが適当であるというように考えておりまして、その点につきましては御理解をいただきたいと考えているところであります。
○山本太郎君 自分たちが盗聴を拡大するときには幾らでも拡大するのに、可視化という部分になったら拡大しづらいんですか。限定するっておかしな話ですね。この話の元々の出発点、どこですか。冤罪が多過ぎるという話でしょう。村木さんの話の反省からでしょう。ここからスタートしていったんじゃないですか。それを、自分たちがどんな取調べをやっているかとかいうことが見られるのが困るからここに関しては拡大しないって、随分都合のいい話されていますよね。全過程の録音、録画をしなければ、どこで大事な話がなされたか、どんな取調べがあったか、どういう形で冤罪に引きずり込まれたかというようなことも分からないわけでしょう。
少なくとも対象事件の全過程の録音、録画するんですよね、一〇〇%ですよね。
○政府参考人(三浦正充君) 繰り返しになりますけれども、制度の対象につきましては、類型的に録音、録画の必要性が高いと言い得る裁判員裁判対象事件を限度とすることが適当であると考えております。
○山本太郎君 たった数%の可視化の実現をどや顔で画期的だとか前に進んだとかというふうな宣伝って余りにもふざけた話なんですよ。そんな、一応やりました程度のちょっとだけ取調べ可視化と盗聴法の大改悪、おまけに司法取引など盛りだくさんをくっつけて一つの法案で押し通そうなど、もってのほかじゃないですか。これまで以上に冤罪事件を生み出す可能性、自らつくり出すと言っても過言ではないでしょう、これ
結局見られないんですから。何やっているか分からないという状況を一部だけ、映したらいいところだけ映すということでしょう。午前中と午後とありました。二回取調べします。午前中にはもうさんざんプレッシャー掛けておいて、そこで話決めて、午後からは普通におとなしくしながらちゃんとやっている取調べ撮ればいいわけでしょう。こんなのずる過ぎるじゃないですか。一〇〇%じゃないと意味ないんですよ、こんなの。
数々の冤罪事件の反省なしですよ、これ。捜査権限無限拡大法案という名前の方がいいんじゃないですか。どうしてこの名前になっているんですか。これ、全然種類の違うものを一つにしているわけでしょう。表看板としては一部可視化が勝ち取れましたよというふりをしながら、その後ろに控えているものって何なんですか。
今日取り上げたこれら、一つ一つ個別に出してしっかりと審議されなくてはいけない内容なんですよ。これに気付かないほど国会議員の目が節穴だと思われているんじゃないですか、皆さん、これ。かなりひどい法案ですよね、このくっつけ方。だって種類の違うものというか、全く性格の違うものですよ、これ。真反対じゃないですか。
今回の法案について各方面からいろんな声が届いています。例えば、通信傍受法の対象犯罪拡大に反対すると、十八の弁護士会、これが共同声明出していますよ。何と言っているか。捜査機関は令状さえ取得すれば簡単に傍受が可能となるので、安易に傍受捜査に依存することになることはもう必至であると。
それだけじゃないです。八つの事件の冤罪被害者からも声は届いています。元々、だってこの法制審立ち上げたときに、この法制審に冤罪被害者、何回呼びました。何人呼びました。機会としては一回ぐらいじゃないですか、志布志事件の方。三年ぐらいずっとやられていたんですよね、法制審とその前の形でという。この三年の間に冤罪事件に関わった人たち何回呼んだ、国会に呼んで審議したんですか、それって。そういう政審とかにも呼んで話合いさせたのか、その人たちからたくさん証言取ったのかって、そういう話なんですよ。その方々が、八つの冤罪事件に関わった被害者が声を出して言っているんです、八つの冤罪事件の被害者たちが。何があっても警察段階の全面可視化、これ不可欠のはずでしょうって。そして、全面証拠開示も不可欠なはずですと。警察の取調べの全面可視化が保障されず、警察に司法取引や盗聴の自由を与えるのはまるで泥棒に鉄砲を与えるのと同じ愚挙としか思えませんと、そのような声が上がっているんですよね。当然ですよ、だって被害者なんですもん。
じゃ、今回のこの法律で、例えば可視化しますよということもそうですけれども、一体この一番大きな看板にしている可視化というのはどうしてそれが求められたのかといったら、同じことを繰り返さないためですよね。その反省からこのようなことを導き出そうとしたのに、そこの部分はほんの少しだけ、そのほかに自分たちの欲しいものを全部詰め込んだみたいなとんでもない法案じゃないですか。
検察、警察にお伺いします。一部可視化、司法取引、盗聴の拡大、どう考えても水と油ですよね。一つ一つ別個の法案として審議されるべきです。いかがでしょう。
○委員長(大島九州男君) 上冨審議官、時間ですから簡潔に。
○政府参考人(上冨敏伸君) 今回の法案で掲げております諸制度はいずれも、現在の捜査、公判が取調べ及び供述調書に過度に依存した状況にあり、このような状況が、手続の適正確保が不十分となったり、事実認定を誤らせるおそれがあることとされていることを改めるため、証拠収集手段の適正化、多様化と充実した公判の実現を図るためのものであり、今回の諸制度はいずれもこれらの目的のために必要なものであり、かつそれが全て一体として刑事司法制度に取り入れられることによってこそ、取調べ及び供述調書に過度に依存した状況が改められ、より適正で機能的な刑事司法制度を構築することができると考えております。
○委員長(大島九州男君) 三浦刑事局長、簡潔に。
○政府参考人(三浦正充君) ただいまの法務省の答弁と同様でございますけれども、この法制審議会、新時代の刑事司法制度特別部会におきましては、取調べへの過度の依存を改めて、適正な手続の下で供述証拠及び客観的証拠をより広範囲に収集することができるようにするため、証拠収集手段を適正化、多様化するといった理念の下で新しい刑事司法制度を構築するための様々な課題について調査、審議が行われ、その結果が答申されたものと理解をしております。
○国務大臣(山谷えり子君) お尋ねの法案については、三月十三日、内閣から国会に提出され、今後、法務委員会で御審議をお願いすることになっているところでありますが、刑事司法制度の在り方は国民の安全、安心を確保する上で極めて重要な課題であります。
私としても、世界一安全な国日本を目指して努力してまいりたいと考えております。
○山本太郎君 終わります。
○委員長(大島九州男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
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