山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動


○山本太郎君 よろしくお願いします。

政党要件を満たすまであと四人、あと四人でございます。現在所属の政党で御不満をお持ちの方いらっしゃらないですか。今なら、今ならポスト全て空いております。新党ひとりひとり、山本太郎と申します。よろしくお願いいたします。

原発再稼働、安倍総理が言われる世界で最も厳しい基準について質問したいと思います。

田中規制委員長、今回規制委員会が作った新規制基準、世界で最も厳しい基準と言えますか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 正確に申し上げますと、世界で最も厳しい基準とは言っていなくて、最も厳しいレベルの基準と言っているんです。ですから、そこのところは間違えないようにしていただきたいと思います。

それで、私が申し上げたのは、福島の事故、それから国際基準、そういったものを十分に踏まえて、二度と福島のような事故を起こさないためにありとあらゆる考えられることを基準に取り入れていると。特に、我が国は自然現象が非常に厳しいですから、そういったものに対する対策は世界でも最も厳しいことになっているということであります。

○山本太郎君 ありがとうございます。自然環境が厳しいというのはもう昔からのことですから、原発始まったときからやられていたことだと思うんですけれども。

世界の規制基準にはなくて日本の新規制基準にあるもの、世界の基準にはないよ、でも日本の新規制基準にはあるよ、これぞ世界最高だと言える部分、あれば是非自慢していただきたいんですけれども。

○政府参考人(竹内大二君) 世界的に原子力の規制はIAEA等で基準等を作られてございますが、日本の新規制基準におきましては、例えば非常用電源について申し上げますと、一定期間の外部電源喪失や全交流電源喪失に耐えられる備えをしているという点では、米国やフランスの三日程度ということに対しまして、日本では七日間としているなど、具体的な要求が強いものがございます。

○山本太郎君 今お聞きした、世界の基準にはなくて日本の新基準にだけあるもの、これぞ世界ナンバーワンというものを挙げてくださいという話だったんですけれども、その非常用電源が三日、でも日本では七日だぜという部分が最高であるということですか。

○政府参考人(竹内大二君) そのほかにつきましても、例えばバックフィットの基準について、日本ではバックフィットを既設炉に対しても適用するというようなところも同等以上の水準であるというふうに考えております。また、地震や津波に対しましても、想定の方法というものが同等以上であるというふうに考えております。

○山本太郎君 先日の参議院予算委員会でも、安倍総理、世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると、原子力規制委員会によって確認された原発の再稼働を進めるということは閣議決定をした政府の方針だと答弁されていましたよね。

原子力規制庁にお伺いします。

再稼働第一号と言われている鹿児島県の川内原発と同じ型なんですよね、これ。でも、最新型だと、ヨーロッパ、EUの最新型、PWR、加圧水型原子炉では、コアキャッチャーというメルトダウンしたときの燃料を受け止めて冷却する装置とか原子炉格納容器の二重の防護壁など、規制の要件を満たすために設けられているということなんですけれども、川内原発にはそのようなものはありませんよね。でも、これでもやっぱり世界で最も厳しいレベルの基準、そういうふうにおっしゃられるものなんですかね。

○政府特別補佐人(田中俊一君) まず初めに申し上げておきますけれども、今御指摘されましたコアキャッチャーというのは、ヨーロッパも含めてまだ世界に一つも現実に動いているものはありません。

コアキャッチャーというのは、燃料が溶けたときに格納容器の底に落ちて、そこでMCCIといってコンクリートとの相互作用をしてそれで水素等が発生するのを防ぐということであります。我が国は、既存の原子炉に対してコアキャッチャーを付けるのは難しいので、そのMCCIという現象を防ぐためにあらかじめその下に水を張るということで防ぐことにしてあります。

○山本太郎君 ありがとうございました。そうですよね、新設のものにしかこれは付けられないんだぞという話でしたよね。

要するに、コアキャッチャーも二重の格納容器防護壁についても、ヨーロッパの最新型と言われるものには劣るわけですよね、まだ稼働しているものはないとおっしゃいましたけれども、最新型という部分に関しては劣る部分があると。IAEA基準の多重防護の第五層、避難計画、防災計画、基準になっていませんと。これはアメリカにも劣っていると言えるんじゃないかと。さらに、アメリカでは、避難計画、防災計画が政府機関によって審査され合格しなければ稼働が認められない。

日本にそんな仕組み、ありませんものね。ということは、世界で最も厳しいという言葉って、これ正解なんですかね。

○政府参考人(竹内大二君) 先ほどのコアキャッチャーがないということについて世界で最高なのかということでございますが、規制基準というものは、国際的に見ましても満足する性能水準を要求して、それを実現する技術は指定しないというのが一般的でございます。これは、技術の進歩に合わせて規制要求の実現方法を柔軟に選択できるという仕組みで安全性の向上に寄与するとの考え方でございます。

日本の新規制基準におきましても、溶融炉心の冷却機能、格納容器による放射性物質の閉じ込め機能を求めておりまして、具体的な対策の有効性は審査の中で確認しております。こういうことで、性能水準ということにつきましては十分満足していると思っております。

○山本太郎君 ありがとうございます。

その満足されている中に、新基準で、シビアアクシデント対策としてPWR、加圧水型軽水炉へのフィルター付きベントの設置であるとか、緊急時の制御室、非常用電源、冷却ポンプなどを備えた特定安全施設の建設、義務付けられていますよね。そういうものも含まれていますか、世界最高と言われる中には。

○政府参考人(竹内大二君) フィルターベントということで今御質問ございましたですけれども、フィルターベントに何を期待しているかということにつきましては、シビアアクシデント時の格納容器の損傷防止ということでございます。そういう意味で、その機能は要求しております。

○山本太郎君 先ほど私が言いましたものというのはシビアアクシデントのときには活躍してくれるものなんですか。

○政府参考人(竹内大二君) そうしたことを要求しております。

○山本太郎君 活躍してくれるものなんですよね。

○政府参考人(竹内大二君) シビアアクシデントにつきましては、新規制基準で重大事故対処施設というものを要求しておりまして、そういう施設が重大事故のときに機能するということを基準として作っております。

○山本太郎君 世界最高レベルの基準と言いながら、それらの施設は五年間の猶予期間が与えられているって、おかしくないですか、これ。世界最高水準、最高レベルの基準と言いながら、五年間はまるっきりシビアアクシデントにそれ対応しないんでしょう。五年間の猶予って、どういうことなんでしょうかね、これ。

これ、どこが最高基準なんだというふうに突っ込みたくなるんですけれども、時間掛かる対策、全部先送りですよ、先延ばしですよということですよね。これ、どうして再稼働、これが完了してから再稼働という話に普通なると思うんですけど、そうならずにやり出す、再稼働を認めるということを、これ、見切り発車と呼びませんかねということを言いたかったんです。

田中原子力規制委員長にお伺いします。

前回、この内閣委員会で、田中委員長が河北新報のインタビューに応じられました十月七日の記事の件で御質問をいたしました。今日は委員長御自身が来ていただいていますので、お伺いしたいと思います。食品の安全基準についてです。

委員長は、一般食品は一キログラム当たり百ベクレル以下だが、欧米では千ベクレル超え、千ベクレル超の基準、国際会議などで日本の基準は低過ぎると言われたこともあると、日本の防護基準を国際的なレベルに見直す議論はすぐにはできないが、いずれしなければならないと御発言をされました。

一方で、安倍総理、去年九月のオリンピック招致のプレゼンテーションの場で、日本の食品安全基準は世界で最も厳しい基準で、食品や水からの被曝量は日本のどの地域においてもこの基準の百分の一でありますと言われております。でも、田中委員長は取材で、一キロ当たり千ベクレル超えでもオーケーだということを言われている。

これ、どうやって千ベクレル超えの基準にしていかれるんですかね。これ、どういうおつもりでこういうことを言われたのかということを教えていただければと思います。

○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、御指摘の千ベクレル、キログラム当たり千ベクレルというのは、コーデックス委員会という国際的な貿易をするときの食品の基準が千です。それからEUも千です。アメリカは千二百です。我が国は百になっております。そういう事実を述べたんです。

それで、もう一つ、これはICRPとかいろんなところのリコメンデーションなんですけれども、こういった事故が起きたときに、汚染区域に住んでいる、やむを得ざる状況で住んでいる福島県ですね、具体的に言えば、そういう県民の方たちが今後回復していく過程においては、やっぱり国内外のそういった連帯というのが必要だと。そのための基本となるのは、やっぱりこういった基準について、国際的なレベルで国際的なそういった値を採用していくということが非常に大事であるというようなことも述べています。そういったことを踏まえて私はそういうことを申し上げております。

ただ、一回そういう基準に決まっていますので、低くされて、普通は事故が起きたときには普通、現実的には高くしているんです。チェルノブイリのときはノルウェーとかフィンランドとかというのは高い値でまずしのいで、これぐらいなら下げられるというのでだんだん下げていったんですが、事故がまだ全然収束していない段階でがあんと下げてしまったからこういう状況で今起きていますし、国民の中にはそういう百ベクレルというような十分の一というレベルで行き渡っておりますので、これを急に私たちだけで一遍に変えるというわけにはなかなか難しいということを申し上げているわけです。

ただし、先ほど申し上げましたように、福島の人たちの回復のためにはやっぱりこの辺は国際基準にきちっと持っていくということが非常に大事だということを申し上げております。

○山本太郎君 委員長のお考えでは、もう事故から三年半もたったし、事故当時が厳しくされるのは当然だけど、そろそろもう緩めていって世界基準に近づいていけた方がいいんじゃないかというお考えですよね。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 逆です、逆です。

いわゆるICRPで、事故が起きたときに、現存被曝状況という概念がありまして、参考レベルというのが一から二十ミリシーベルトというのがあります。それをどういうふうに採用するかというのは、そのときの状況を踏まえて最も最適な条件を決めて、だんだん長期的に年間一ミリシーベルトに持っていくというのがそのICRPの勧告です。

今回のような、不幸にしてこういう状況が起きてしまったときには少し高いんです。高いレベルに普通は設定するんです。例えば、ノルウェーのある地方では、トナカイの肉を主食みたいにして食べているところは、最初六千、チェルノブイリのあれで汚染されまして、六千ベクレルだったんです。今は三千まで落としています。そういうふうにして、現実的にその生活とかいろんなことを考えながら、そういうふうに環境の回復とともに下げていくというのがこれが一つの国際的な通常の考え方です。

○山本太郎君 なるほど、それが世界的な考え方、科学的な考え方なんだよということですよね。

じゃ、一キロ当たり千ベクレル超えで食べ続けて大丈夫だという人、一キロ当たり百ベクレルをずっと食べ続けて大丈夫だったという人たちのたくさんのグループの長期的な臨床結果というものが存在するからこそ大丈夫だと言われるわけですよね。大丈夫の根拠というのは、その臨床結果があるんだったら教えてください。何のどんなものからそれは引用されているんでしょうか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 年間一ミリシーベルト、まあもっと言えば百ミリシーベルトぐらいなんですけれども、それくらいのロードーズ、いわゆる低線量被曝については、今のところ科学的にその影響を明確にするようなデータがないということで更なる研究が必要とは言われていますが、いわゆるないということと、ないからあるはずだということとはちょっと違う意味で国際的には言っていまして、ゼロとは言い切れないかもしれないからもっと研究をすべきということで、疫学的な調査を幾らやってもこれは明らかにならないんだということも国際的にそういう議論の場でされています。ですから、そういったデータはありません。

○山本太郎君 データはないと。科学的に科学的にとおっしゃっていたけれども、データはないんだと。どっちか分かんないんだということをおっしゃっているんであれば、その百だったり千だったりというベクレル数というか基準というのは一体誰が決めたのと、誰のための基準なのって。流通を止めないため、経済を止めないためという話なんですよね。

どういうために基準を本当は作らなきゃいけないかといったら、人の健康を守るためでしょう。じゃ、長期的な低線量被曝の影響が分からないというんだったら、どうしてそんな簡単に基準決められるのって。それをもっと世界基準に近づけていこうなんて議論さえおかしいじゃないかって。

この取材の中で、ほかにも答えられていることがあるんですよね。除染の長期目標としての年間追加被曝量一ミリの水準は、一ミリ以下でないと生活できないという誤解を招いてしまったと。で、避難指示解除の目安となる年間二十ミリ以下であれば問題はないという発言をされていました。

これ、二十ミリ程度の被曝であれば、年間二十ミリ程度の被曝であれば大丈夫だよということをおっしゃりたいんですか。そうであるかそうでないかということだけお伝えください、時間がないので。

○政府特別補佐人(田中俊一君) これは、もう時間がないということですけれども、まず私どもが安全、安心に関する議論をやりまして、それで現存被曝状況下で住むということは、これはやむを得ない状況です。できるだけ時間を、速やかに一ミリシーベルト、年間一ミリシーベルト以下にするということと同時に、二十ミリシーベルト、そのいわゆる現存被曝状況にあるときには個々人のモニタリングをして、個人一人一人の被曝線量を下げる努力をしなさいということとか、それから健康の調査、サーベイランスをしなさいということ、それから、地域の人と専門家とのコミュニケーションによって放射線防護に対する理解を得るということが大事だということで、それについては個人被曝線量計を付けてくださいということ。それから、健康サーベイランスは福島県が事故直後からやっていますし、それから専門家と地域の人とのコミュニケーションについては相談員制度というのを予算化していただいて、今それが、それを徐々に整備を進めているというところでありますので、先生御指摘のように、何の根拠もなくてそういうことを国際機関が決めているわけではなくて、戦後七十年にわたるいろんな放射線による影響を、事故を含めまして調べて、その結果としてこの程度であればいいということで決めているわけです。

○山本太郎君 世界的なコンセンサスだと。科学がずっとやってきたことの先に今の基準があるんだよということをおっしゃっているということですよね。でも、二十ミリで、二十ミリで帰って人体に影響がないということを言っているんですか。二十ミリから一ミリに下げるようにということは言われているということですね、ICRPでも。そういうふうに言われているという話ですよね。

二十ミリ、事故があったときに二十ミリという数字はしようがないかもしれないけれども、それを一ミリにするべきだというようなお話をざっくりとされたと思うんですけれども、でも今二十ミリというところで一年間暮らして、ひょっとしたら下がらないかもしれない、二年暮らすことになるかもしれない、それだけじゃなくて内部被曝もあるかもしれない。その自分たちが住んでいる地域に自分で自家農園造るかもしれない。流通しているもの以外に自分たちが作ったものを食卓に上げるという人たちが多い場合、その人たちの内部被曝まで考えられていますかって。外部被曝として二十ミリしなかったとしても、内部被曝としてもっと多いものを取り入れる可能性ということを考えて、リスクを考えていますかということをお聞きしたかったんです。随分と長い時間を使っていただいて、ありがとうございました。

先に進みたいと思います。PPA対策についてお聞きしたいんですよ。

六月十二日、原子力規制庁、この内閣委員会で私の質問に対しまして、黒木放射線防護対策部長がお答えになりました。できる限り早く原子力規制委員会で検討し、原子力災害対策指針に記載できるよう取り組んでいくというふうにおっしゃったんですね、PPA対策を。このPPA対策、指針に記載されたのかな。いや、まだなんですね。あの質疑から四か月、やっと十月二日に検討チームの会合が始まったようなんですけれども、これいつ指針に記載されますか、お答えください。

○政府参考人(片山啓君) 委員御指摘のとおり、十月二日に事前対策検討チームという専門家を集めた検討会を立ち上げまして検討を始めたところでございます。まだ議論というのが始まったばかりのところでありまして、具体的にいつというのをお示しできる状態にはございません。

○山本太郎君 これ再稼働しちゃうんじゃないですか。ひょっとしてこのPPA対策というものは再稼働には必要がないということなんですかね。でも、原因究明できていないんですよね、原発事故の。なのに、再稼働を急ぎたいということで再稼働を先にさせてしまって、PPA対策、もしも事故があった場合のその後どうするかという対策を一緒に同時スタートという形にはできないということですか。これ、間に合わなくてもいいんですか。

○政府参考人(片山啓君) 現行の原子力災害対策指針におきましても、委員はPPAとおっしゃっていますが、プルームが通過したときの住民の防護措置、これはまず、そういうプルームが通過しているときに外に出るとかえって被曝をいたしますので屋内退避をしてくださいということは現行の指針にも既に規定をされているところでございます。今現在議論をしておりますのは、そういうプルーム対策が必要な範囲でございますとか具体的な住民防護を行う上での判断基準というのを更に整備をしようという議論をしているというところでございます。

いずれにいたしましても、規制委員会の検討におきましては、川内原発の再稼働とは関係なく、しっかりとした科学的な議論をしていかなければいけないというふうに思っております。

○山本太郎君 関係なくですか。なるほど、よく分かりました。

お聞きしたいのは、このPPA対策、放射性プルームの防護対策なんですけれども、おおむね五十キロ圏というふうに書かれていたと思うんですけれども、これ、おおむね五十キロということで問題ないですか。

○政府参考人(片山啓君) 原子力規制委員会が発足する前に存在しておりました旧原子力安全委員会での議論におきまして、そういうプルーム対策を講ずべき範囲としておおむね五十キロというものが示されたという経緯は理解をしております。

今現在、事前対策検討チームの方で審議をしておりますけれども、この十月二日での議論の中では、このプルームといったようなものがどういう態様で発生するのかというのは、実際の事故の態様でございますとか、そのときの気象条件によって非常に大きく変わるものであるということから、あらかじめその範囲を特定をするということはかえって合理的ではないんじゃないかと、放出時の状況に応じて臨機応変な対応を取るべきだといったような考え方が一部の専門家からも示されているところでございます。

まだ結論は出ておりませんけれども、この事前対策検討チームにおきまして、科学的、技術的にしっかりとした議論をしていきたいというふうに考えております。

○山本太郎君 臨機応変にできるのかなと思っちゃうんですよ。できました、臨機応変に前回は。今回は大丈夫なんですか、次の事故のときには。このままじゃ事故は起こっちゃうでしょうけれども。

だって、考えてみてくださいよ。SPEEDIというものがありながら、一ベクレルという数値を入れながら、どれぐらいの風向きだったらこういうふうにというふうなシミュレーションがありながら、シミュレーションじゃないですよね、まあシミュレーションか、一ベクレルで入れたんだから。そういうものがありながら、人々に対して屋内退避とかそういう指示をできなかった

そのことに対して、田中委員長、前回出ていただいたときに、ヨウ素剤というもの、必要なかったですかね、配る必要はということを言ったら、少し慎重なことを言われていましたよね、やはり、副作用とかあるから、そういうことには慎重にと言われていましたけど。

だけど、マスクだったりとかいろんなものに関して、屋内退避ということに関してはたくさんの人たちに呼びかけられるわけですよね。これ、どこまで広がるか分からないよと、おおむね五十キロどころじゃないんだと。だって、福島にも二本松にも広がったよ、六十キロでも広がったんだ。それだけじゃない、東京にも来ただろうって。十五日、二十日、来ましたよね。ホットスポットをつくったわけじゃないですか。だけど、そのときにも何も知らされなかった、一つも知らされなかった。あの事故でプルームが出るたびに、この国に住んでいる人たちは何も知らされずに被曝させられたんですよ。そのような状況で、臨機応変にやると言われたって信じられるかという話だと思うんです。

一方、アメリカは八十キロ圏から退避しましたよ。すごいですね、その処置。それが合っているかどうか、やり過ぎだったのかどうかというのは後々にならないと分からないですよね、直ちに影響はないという話なんですから。長期の低線量被曝というものに関しては後々にならないと分からないんですから、そのときの判断が正しかったかどうかは分からない。

でも、アメリカに対してはSPEEDI、この情報を渡したわけですよね、三月十四日に、二〇一一年の。どうしてこの国の人たちにはそれが知らされなかったのと。せめてこのPPA対策、広い距離で、実際に二〇一一年の事故が起こった後、雲が通ったというその距離を担保していただきたいんですよね。距離は決めないとか、それ曖昧にしているだけじゃないですか。おおむね五十キロでもなく、距離を決めないのでもなく、実際に二〇一一年のものを反映してくださいますか。いかがですか。

○委員長(大島九州男君) 田中委員長、時間ですので簡潔に。

○政府特別補佐人(田中俊一君) はい。

PPA対策については、あの福島事故のときには十分な対策が取られなかったということは御指摘のとおりです。ですから、それを踏まえまして、いわゆるシミュレーション、SPEEDIのようなシミュレーションではとてもそういうことはできませんので、モニタリング体制をきちっと整えて、そのモニタリングデータに基づいて判断をすることにしております。

屋内退避が一番被曝量を少なくするということだし、今の状況で遠方までその屋内退避をして基準を上回るような被曝にはならないということは、福島事故でもそうですけれども、そういうことですから、そういう方向で今防護対策は考えています。

○委員長(大島九州男君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。

 




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