国会活動
2016.12.13. 内閣委「カジノの違法性の阻却後は、国家戦略特区で認定・推進か?」
2016年12月15日
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○山本太郎君 ありがとうございます。自由党の共同代表、山本太郎です。
会派を代表しまして、IR法案、いわゆるカジノ法案についてお聞きいたします。
今回の法案で、衆議院で附帯決議が付いたと。で、ある文言が多く見られました。依存症、依存症です。ギャンブル依存症に対する対策が非常に大切であるという認識、衆議院でもやはり共有されていたということだと思います。もちろんこの参議院の議論におきましても、ギャンブル依存症対策については、与えられた時間の中で、本当に多くの時間がこの依存症に対して割かれたのかなというふうに思います。まず、この依存症の問題についてお聞きをしたいと思います。
法案提出者の先生方それぞれにお聞きしたいんですけれども、その後にもしよろしければ菅官房長官にお答えいただいて締めていただくような形でお願いしたいと思います。
質問いたします。
あなたがギャンブル依存症問題を知ったのは、ギャンブル依存症問題に出会ったのはいつ頃でしたかということを教えていただけますか。ギャンブル依存症問題を知ったのは、初めて知ったのはいつでしたかということをお聞きしたいです。順番にお願いします。
○衆議院議員(細田博之君) 現在、非常に多くの人がそういう問題に当面しているということは、私も数年以上前から、朝、パチンコ屋の前に行けば分かるわけです。九時から並んで、十時に整理券をもらったので入って、台を選んで、一日中やっていると、それで景品と換えるとかですね。競馬においても競輪においても競艇においてもそういう人たちがいると。毎日行こうが行くまいが、自分の稼いだ金の範囲内で、貯蓄のある範囲内で使うのは誰でも自由だと思うんです、自分の遊びですから。それしか趣味のない人で、かわいそうだとしてもそれは別に問題はない。
だから、依存症の問題というのは、そのことによって家族が泣いたり、先般の山本議員のいろんな例示であるように、非常に問題が生じている、困窮もして闇金に走ったり、何か売春をしたり、売る方のですね、そういうことをしたり、大変な悲劇が起こって、自殺者が出るとか、そういうことについて、これはもう何とかしなきゃならないという社会問題になっているということなんでございますが、どこで線を引くかができないがために、これまでの政府は、私が勝手に見るところでは、これを全部をギャンブル依存症というわけにはいかないし、つまり、いじめやDVと同じで、家族の訴えがあって、あるいは自分の訴えがあって、それはかわいそうだ、社会で面倒見ようということにならないとなかなかお世話ができないようなことが同じように起こっているのではないかと。それを、ただ毎日パチンコをやったり競馬に行ったりする人は全部がギャンブル依存症といってもしようがないので、そういう問題がなければ毎日行ったらいいんです。何万円でも何百万円でも貯金がある人は使ったらいいんです。だから、そういう意味で、私は、そこにはギャンブル依存症という問題ではないので、毎日マージャンやる人とか、世の中には毎日テレビゲームやっている人も、スマホゲームやっている人もみんな似たようなものです。
それで、そういう依存症的傾向が実生活に、あるいは家族を崩壊させるような意味で問題が生じたときにどう救済して、国家がどういう予算を作るか、取るかという問題であるのにかかわらず、一億円とかそういうお金で、アルコール依存症やあるいは麻薬依存症や、そういう人とつっくるみで対策が取られていると言っているけれども、これは社会問題としてどうやって取り上げて、DVやいじめのように社会が取り組んでいくかということの方が大事なわけでございます。
だから、カジノの法案というのは、一つの契機でありますけれども、これまであるものの延長でありますから、逆に言うと、それをどう捉えるかということが今問題になっていて、そのことはこの法案を審議する上では私は非常な進歩をしていると思いますし、衆議院での附帯決議でもございましたように、政府側もこういうことについては責任を持ってやるというところまでは来たわけですが、それに対して、じゃ、パチンコというのはやめたらどうかと、事業を廃止したらどうかとか、競馬というのはやめたらどうかという議論はないわけですよね。それは、そこはできないだろうというふうに思っているわけですから。
そうすると、やっぱり被害者をピックアップして助けるしかないんです。だから、そういうことを私は実感として持っているので、これはみんな、我々は挙げて何かをしなければならない、そういう問題認識でございます。
○衆議院議員(岩屋毅君) 今、細田提出者から詳細にわたってお話がありましたので、いつ知ったかということで簡潔にお答えしたいと思いますが、ギャンブルとは認めていないものの、遊戯というのは我々子供の頃から身近にあった存在でございました。私も、子供の頃は父に連れられて一緒に煙もくもくの音ジャラジャラの中で何時間も過ごしたこともございました。
遊戯も、時間消費型の娯楽を国民に提供していただいていて、ほとんどの愛好者というか利用者は健全に接していただいているとは思いますが、一部にそうでないという方がいるということは子供心に感じておりました。
それから、私、大分県別府市が出身地ですが、別府競輪というのがございまして、開設してから六十六年になります。幸い一度も赤字になったことがなくて、この六十六年間で約四百八十億ほどの市の財政に対する貢献をしていただいていますので、そういう意味ではまさに公益にしっかり資していただいているなと思っているんですが、しかし、ここの利用客の中にも、残念ながらごく一部には毎日行っておられるような方もいるということもかなり早い段階から承知をしておりました。
○衆議院議員(西村康稔君) 私も、かなり以前からこの依存症の問題は認識をしておりましたけれども、明確にギャンブル依存症に対して、対策含めてやらなきゃいけないと認識したのは、これ七、八年前、あるいはもうちょっと前かもしれません、議連で超党派でシンガポールに訪問して、シンガポールがカジノ解禁、IRを整備をするということに踏み切った当時の議論なりその後の対策を聞いたときに改めて認識をしましたし、今回、この法案の審議の過程で、先生方からいろんな議論をいただきましたし、また、多くの団体、取り組んでおられる方々からもいろんな意見をいただきましたので、改めてこれは我々としても取り組まなきゃいけない大きな問題だなということを再認識したところであります。
是非、今回の審議、それから私どもは法案が成立することを望んでおりますが、これを機に、後々に、依存症対策はこのときがターニングポイントだったと言われるように、是非政府においても充実してほしいと思いますし、我々としてもしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
○衆議院議員(小沢鋭仁君) 私も、ギャンブル依存症を初めて認識したのは、このIR法案を作るというときに、いろんな勉強をした中でございます。
そうした中で、ギャンブル依存症問題を考える会の田中代表とか、あるいはまたラスベガスの市長経験の方とか、そういう方々を議連のところにお招きをしてお話を聞いたり、あるいはまた、現地のところに行ってその自助グループの様子を見学させていただいたりというようなことが私にとってのきっかけでございます。
今も西村委員からお話がありましたが、このギャンブル依存症問題がこれまでなかなか十分ではなかったという話は、私も今そう認識しているところでありまして、このIR法案をきっかけにこの問題が大きくクローズアップされて、そしてそれに対する対応策が今議論されていること、このことは大変うれしいと依存症対策の方々からも聞く機会があるわけでありまして、そういった意味では、これからのカジノのギャンブル依存ということだけではなくて、既存のギャンブル依存症対策、さらにはまた、省庁をまたぐ問題をしっかり考えていこうという話を衆議院の内閣委員会で附帯決議としてまとめていただいたことは大変有意義だったと、こう思っております。
○衆議院議員(松浪健太君) いつ依存症を知ったかという御質問だったと思いますけれども、私も大学生時代、友人らが、私も行きましたけれども、よくマージャンをいたしまして、ジャン荘に行く、そしてマージャン関係では特にマージャン専門の漫画まで出ておりまして、そうした中で、確かにギャンブル依存の皆さんというのはこうやって存在するものだなというのは実地で、体で教えていただいたなと思う次第でありますけれども。
それに加えまして、最近は私、デジタルヘロインの問題を随分研究しておりまして、子供たちが今、先生この間EMGの問題に触れられましたけれども、今の子供たちがスマホでゲームをすると、これは大人もそうですけれども、脳の中の報酬系にこれが語りかけるということで報酬系が異常を起こすと。子供たちは特にああいうゲームをするとドーパミンが麻薬並みに多く出されたりとかするという治験を研究するにしたがって、やはりギャンブルの依存だけではなくて、我々国会議員といたしましては、もう本当に、今、SNSでもこれにはまる女性、女性の方がSNSははまる率は高いんですけれども、こうしたものは、例えば自分へのいいねが多いから、それがないと自己承認欲求が満たされないとか、これまたギャンブルはお金がもうかるからあれですけれども、引きこもりなんかの人たちによっては、自分たちが、無報酬ですから、無報酬だけれども、その点数だけで快感を得てしまう報酬系が脳の中にできるとか、そういったような様々な、ギャンブルだけではなくて、国会議員といたしましては、今我々が新たに子供たちにも迫っているこうした刺激との関係というものについても広く取り組んでいくべきではないかというふうに思って、この間も先生の質問を聞かせていただきました。
○国務大臣(菅義偉君) 私、依存症をいつ知ったかということですけれども、新聞の人生相談みたいなのがよくありますけれども、そういう中で、ああ、こういう人もいるんだなという、そういう意識したのが高校生のときだったのかなというふうに思っています。
私たち政府の立場で、衆議院で附帯決議がありました。そこの中で、ギャンブル依存症対策については従来のものも含めてという趣旨だったというふうに思っております。また、参議院の委員会でもそうした議論が度々されていることも承知をいたしております。そういう中で、そこはしっかり受け止めて対応しなきゃならないと、そういう思いであります。
○山本太郎君 あなたがギャンブル依存症を知ったのはいつですか、僕は頭の中でこの質問を作っているときに、五年前にこの法案に関わったときとかというふうにあっさりいくのかなと思ったんですけれども、かなり皆さん熱を帯びたといいますか、このギャンブル依存症に対する理解と、そしてこれからの取組をやっていくという熱といいますか意気込みみたいなものも感じるようなお答えをいただいたと思うんですけれども、重ねてもう一度お願いするために、質問といいますか、短めに答えていただきたいんですけど、特に法案提出者の方々、今回は法案提出者の方々にお聞きします。
ギャンブル依存症対策は重要な問題であり、この先も自分自身が熱心に取り組んでいくと、これ約束していただけますか。約束する、若しくはそれは約束できない、どちらでも結構です。短くお願いします。ありがとうございます。
○衆議院議員(細田博之君) まさに社会的な問題、潜む問題が、元々認識はありますけれども、表に出ているわけですから、そして、先ほどもスマホゲームについてもそう言っていました。子供たちがテレビゲームやスマホゲームに溺れて勉強もしない、何か思考能力が落ちている、大学生も勉強していない、スマホだけ見ている、そういう現象全体が本当は社会にとっては大変なマイナスの時間の浪費であり、それに加えてお金の浪費をして困窮する人たちも出ている。だから、単なる困窮した人、それから家族が困っている人などだけを対象にするんではなくて、全体として、日本全体が一種の依存症になってきていることをどう取り組んでいくかということは非常に大事だと思う。
かつ、被害のある人、誰かから訴えがあれば、本人の訴えでもいい、家族の訴えでもいい、そういうことをきちっと面倒を見られる、お医者さんでもいいし、コンサルタントでもいいし、社会全体でもいい、何か隠れ家を用意してもいいんだけれども、何かそういう手だてを、具体的に予算を構築していかなければ。今まで何も言わばないということは、そのことが政治的に大きな問題になっていなかったんです。非常にタッチーな問題というか、微妙な問題として放棄されてきましたから、この際、しっかりこれは対応すべきであると、私は信念を持ってそう思っております。
○委員長(難波奨二君) 全員に、山本君、聞きますか。
○山本太郎君 はい。
○衆議院議員(岩屋毅君) 私は、最初に自民党の中で勉強会をつくったときからもう十五年間、一貫してこの問題に関わってまいりました。それはあくまでも国際観光振興をして日本を観光立国にしたいという思いからでありますが、一方、これまで国が特別法によって幾つかの公営競技を認め、あるいは風適法の中で遊技というのを認めてきているにもかかわらず、ギャンブル依存症の問題に必ずしも真正面から取り組んでこなかったという問題意識は一貫して持ってまいりました。
したがいまして、もし推進法を通していただければ、制度設計は政府に委ねられるわけでありますが、その中でしっかりと包括的なギャンブル依存症対策が取られていくようにしっかりとウオッチをして物を言っていく責任があると、今度の衆参の審議を通じて、先生方の御意見を承りながら、その責任をひしひしと痛感をしているところでございます。その決意を持ってこれからもやっていきたいというふうに考えております。
○衆議院議員(西村康稔君) 私も提案者の一人としてこの法案を提出させていただいて、そして、いろんな質疑の中で私も答弁もさせていただきました。責任を持って依存症対策に取り組むという決意でございます。
○衆議院議員(小沢鋭仁君) 私も、個人的にはしっかり取り組んでいきたいと思っております。
先週たまたまあるシンポジウムがありまして、このギャンブル依存症対策の議員立法を作ったらどうかと、こういう話があって、私は個人的に是非やらせていただきたいと、こう皆さんの前で申し上げましたし、昨日は、維新の会の中の政調会長を始め皆さん方とそういう具体的な話をして、維新としてはもちろんやると、できれば超党派でやれたらいいねみたいな議論をしておるところでありまして、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○衆議院議員(松浪健太君) 先ほどデジタルヘロインの問題で取り上げましたけれども、事ギャンブルについても最近は科学的な知見がどんどんどんどんとスピードを持って発展しておりますので、これよりも広く、先ほど申し上げましたように、ギャンブルだけではなくて、お金がもうからないのに課金をするというような脳のメカニズムというのも動きますので、私もこの問題に興味を持ってから自分でこういうスマホゲームをやってみたら、自分がはまってしまいまして、本当にミイラ取りがミイラになるような、やっぱりこれはすごい巧妙な仕組みだということは体感しておりますので、また先生も御一緒にやっていただきたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございました。
本当に熱を持ってこの依存症対策にはこれからも取り組んでいくと。これ、あと政府に渡すのではなく、その旗振り役としても頑張っていくというような雰囲気が受け取れるような答弁でございました。
次の質問なんですけれども、少し答えづらかったら本当に申し訳ございません。しかし、これ違法でなければ堂々とお答えいただける内容だと思います。
皆さんの中で、パチンコホール運営企業、又はパチンコ、スロット機器関係の製造、納入などを行っている企業、若しくは、先ほど出てきましたデジタルヘロイン、SNS系の企業などから政治献金を受けたことがある、又はパーティー券を購入してもらったことがある方はこの中にいらっしゃいますでしょうか。あるかないかで、提出者、順番にお答えいただけますか。もし政治献金若しくはパーティー券を買ってもらったことがある方は、覚えていればその金額もよろしくお願いいたします。
○衆議院議員(細田博之君) 政治資金規正法の範囲できっちり処理しております。
○衆議院議員(岩屋毅君) 私、政治活動を始めて三十周年ということで、先々週、また先週、東京で一か所、地元二か所で政治資金パーティーを開催をさせていただきました。もちろん、長く応援していただいた様々な職種、業種の方がお見えいただいておったんですが、地元の商工会議所の会頭、二代続けてパチンコ店を営む業態の会長さんであったということなどもございまして、来ていただいた方の中にはそういう関連業種の方もいらっしゃいました。
○衆議院議員(西村康稔君) 私も、先ほど答弁しましたとおり政治資金規正法にのっとって適正に処理をしておりますが、先ほど御指摘がありました、関係する機械を作っている大阪の中小企業から寄附をいただいておりますが、これは私の地元淡路島御出身の社長さんでありまして、純粋な気持ちで応援をしてくださっているというふうに理解をしておりますし、カジノあるいはIRについてお話ししたことは一切ございません。
○衆議院議員(小沢鋭仁君) 先ほど公表をしていただきましたんですから、そういったものも含めてそういったホールの皆さんたちからパーティー券等を購入していただいたことはございます。適正に処理をしております。
○衆議院議員(松浪健太君) 私も長年政治活動をしておりますので、本当に様々な、恐らく全ての業態と言っていいぐらいの業界からいろんな御縁でいただいておりますが、残念ながら五万円以上の寄附とか二十万円以上のパーティー券購入という例はなかったかと思います。
○山本太郎君 済みません、これは糾弾したいわけじゃなくて、合法な献金であれば何の問題もないお話だと思うんですね。政治にはいろいろお金が掛かる、これはしようがない話だと思うんです。いろんな人や企業がつながり支援者を増やしていくことも大切な政治活動だと思います。ちょっとそういう意味で心配している部分があるので、それは後ほどお話ししたいと思います。
昨日の参考人質疑で私が参考人にお聞きした質問です。国会審議で依存症の話になると、治療や相談体制の必要性は認めるものの、今存在する依存症はカジノによってつくられたものではないといったような雰囲気になります、パチンコや公営ギャンブルなどと比べてカジノでは依存症がそこまで増えないのでしょうかという私の質問に対しまして、参考人の日本弁護士連合会多重債務問題ワーキンググループ座長、弁護士の新里宏二先生、そして静岡大学人文社会科学部の教授、鳥畑与一先生はこういうふうにおっしゃったんですね。
鳥畑先生は、シンガポールのNCPGもオーストラリアの生産性委員会も、カジノは既存のギャンブル、例えば宝くじであるとか競馬などに比べれば依存症を誘発する危険性は高いというふうに言っていると。パチンコ以上の、要するに無制限の射幸性がそこに与えられた場合には、既存のギャンブル依存症プラスアルファ新しいギャンブル依存症が生まれてくるんだろうと思っておりますと。
新里先生も、カジノはゲームの仕組みからすると非常に遊技性が高い、依存症についてはきちっとした対策を取らないと、入場規制とかしない限りは非常に大きな問題になってくるのではないかと。もちろん、入場規制というのもこれから考えていくという部分はあると思うんですね。入場料を取ったりということも考えていらっしゃると思います。でも、その入場料という部分に関しましても、新里先生は、払ったものの元を取ろうとしてより深みにはまってしまうというケースもある、この入場料という部分に関してもいろいろと課題があるだろうというお話をされていました。
カジノができれば、今までの公営ギャンブルなどでは捕捉されなかった新たな人々を依存症にいざなうだけでなく、依存手前だったプレ依存の人々にも火を付ける、その可能性は十分にあると思います。そして何より、現在進行形で依存症を広げている事象にも対処しなければなりません。先生方も先ほどお話の中でありましたよね、今あるものに対してもしっかりとやっていかなきゃいけないと。
現在は日本におけるカジノでの賭博行為は違法ですから、現在ギャンブル依存症とされる方々は、公営ギャンブル又はパチンコ、スロットなどによって依存症になったという話かと思います。先日、私が資料として委員の皆さんにもお配りいたしましたビッグイシュー基金とギャンブル依存症問題研究グループによる冊子、「疑似カジノ化している日本」、「疑似カジノ化している日本 ギャンブル依存症はどういうかたちの社会問題か?」から引用しますと、のめり込むギャンブルの種類というものがあります。
日本には六つの公営ギャンブルと、法的にはギャンブルとみなされていない摩訶不思議な隠れギャンブルがあります。公営ギャンブルは、年商の多い順に列挙すると、競馬三兆円弱、宝くじ九千五百億円ほど、競艇九千億円、競輪六千億円、スポーツ振興くじ一千億円、オートレース七百億円、そして隠れギャンブルであるパチンコとスロットの年商はおよそ二十兆円です。ギャンブル症者、ギャンブル依存症者のことですよね、ギャンブル症者のはまるギャンブルは、五割から六割がパチンコ、スロットです。パチンコ、スロット絡みでないのは五%以下でしかありません。しかも、女性ではほぼ全例がパチンコ、スロットです。日本のギャンブルの一大問題は、このパチンコ、スロットがギャンブルとみなされていない点にあるのです。(発言する者あり)ありがとうございます。違法ギャンブルとしては、賭けマージャンや野球賭博、裏カジノがあるものの、あくまで少数派にとどまっていると。
ギャンブル障害の日本的な特徴。ギャンブル障害には誰でも陥る可能性があるとおっしゃっているんですね。陥るか陥らないかの差は、ほぼ環境要因で決まると言っても過言ではない。
ギャンブルへのアクセスの良さ。環境そのものにギャンブルしやすさが整っているとギャンブル症者は確実に増えます。これを決定するのがギャンブル場の場所や立地条件、開催時期、年齢制限の有無、ギャンブルの害への無知などです。公営ギャンブルの競馬、競艇、競輪、オートレースでは、開催場所や開催日時は制限されているとはいえ、場外売場やネットでもギャンブルができる至便性がある。宝くじやスポーツ振興くじ売場は人の集まるところには必ずあり、一年中売り出されている。年齢制限などないに等しいのです。そして、ギャンブルとされていないパチンコ、スロットのホールはコンビニのローソンよりも多く、全国に一万二千館あります。ギャンブルの機器の台数では、世界七百二十万台の三分の二が日本に集中しています。朝は十時から夜も十時まで開店していて、冷蔵庫付きのロッカーや託児所を備えているホールも珍しくありません。ATMの設置もほぼ行き渡っています。究極の至便性と安楽性が実現されているのがパチンコ、スロットです。
ギャンブル機器の射幸性。パチンコやスロットなどの機器は、エレクトロニック・ギャンブリング・マシーン、EGMと言います。このEGMは、人をギャンブルにのめり込ませるためにあらゆる技術改良と工夫が可能です。古来からあるさいころゲームや花札、闘鶏などの比ではありません。もう少しで当たる錯覚を生み出すニアミス、ニアゲインの細工や、大当たりの前触れを知らせるリーチ表示だけでなく、画像になじみのアニメや映画を登場させ、物語性を付加します。これらの脳刺激は、派手な映像と音響によって何倍にも増強される。危険ドラッグ同様、数回これらの脳刺激を受けるともう抜け出せなくなると。そのようにおっしゃっているんですね。
そして、借金のしやすさ。パチンコ、スロットホールにATMがあるくらいですから、銀行もギャンブルに費消されるお金を虎視眈々と狙っているのは確かです。一昔までは、消費者金融が大流行、無人の貸金所まであったほどです。当人に返済能力があるかなどの調査は、爪のあかほどもなされませんでした。しかもその金利は年率二割を超えていたのですから、高利貸しと大差ありません。しかし、消費者金融からの借金が膨らんで、自殺者と自己破産者が増えたため、二〇〇六年、貸金業法が改正。過剰融資を防止するべく総量規制が定められ、年収の三分の一を超える融資は禁止されました。ところが、銀行は、この過剰貸付けの規制からは対象外にされました。銀行のカードローン広告にも、総量規制なし、年収の三分の一以上借入れ可とうたっているほどです。しかも、この銀行の融資に消費者金融が返済保証をしている。今では、大手消費者金融は大手銀行グループの子会社。アコムは三菱東京UFJフィナンシャル・グループの子会社、プロミスは三井住友フィナンシャルグループの子会社。これでは、貸金業法の総量規制の脱法行為と非難されても当然。まだまだあるんですけれども、取りあえず引用はここまでにしたいと思います。
依存症対策するというんだったら、もちろん銀行のこの乱暴なお金の貸し方ということも直ちに改めていかなきゃいけないというのは当然なんですけれども、現在のギャンブルの中で一番依存症を生み出しているパチンコ、スロットへの規制、これ必要なこと明らかですよね。依存症対策を講ずるというならば、パチンコ、スロットの規制が今後喫緊の課題として進めていく必要、絶対的になってくると思うんですけれども、話が戻ります、ここで。
そのときに、規制をしますというときに、パチンコ・スロット関係企業から献金を受けた身で厳しい規制を実行する旗振りは果たしてできるのでしょうか。政治献金を受けたことがある、又はパーティー券を買ってもらったことがあるとお答えになった方にお答えいただきたいんです。それでもやれる、若しくはなかなか難しい、その二択でお願いいたします。
○委員長(難波奨二君) 山本君、指名をお願いいたします。
○山本太郎君 済みません。
先ほどお答えいただいた方で、政治献金を受けたことがあるとおっしゃった方、若しくはパーティー券を買ってもらったことがあると先ほどお答えいただいた方にお答えいただけますか、お願いします。
○衆議院議員(岩屋毅君) 当然だと思います。私ども、様々な政策決定に関わるわけでございますが、時には支援者あるいは献金をいただいた方の意に沿わない意思決定、政策決定もしなくてはいけないと、特に政権与党はそうだと思っておりますが、当然、そういう場合が出てきたときにも自らの政治信念に従って行動する所存でございます。
○衆議院議員(西村康稔君) まず、パチンコやいわゆるスロットという今ある風営法上の遊技については、これはいろんな議論があることは承知をしておりますが、このIR法とは別の枠組みで、風俗適正化法の下でその規制に従って運営をされていると認識をしておりますので、その風営法の在り方について別途それは議論をしていくべき話だというふうに思います。
ただ、依存症については、この遊技も含めて多くの方が依存症になっているというのは認識をしておりますので、依存症については、今回の法案を機に、既存のギャンブル、公営ギャンブルあるいは遊技についても含めて、全体として取り組んでいくことが大事だというふうに思っております。
○衆議院議員(小沢鋭仁君) 私も、今、西村議員と同じ思いなんですが、きちっと分けて、このIR法案はIR法案なりに議論をいただけると有り難いなという話をまず申し上げた上で、自分自身で献金を、あるいはパーティー券を買ってもらっていてそういう話ができるのかということに関しては、十分、私自身もやってまいりましたし、できると、こういうふうに思っております。
具体的には、依存症の問題を実はそういう方とも話をしたことがありますし、依存症に対する対応を御検討をいただいたこともございます。あるいはまた、風営法の在り方そのものについての議論もさせていただいてきたところでございまして、そういった意味では、献金やパーティー券をもらっているから何も言えないのではないかということはあり得ないというふうに思っております。
○山本太郎君 ありがとうございました。
別個議論をしていくべきだというお話もありましたけど、これ地続きの話だと思うんですよね。結局、今回のプログラム法案の先に実施法がある、結局それによって何が実現できるかといったら、今まで違法だったものが合法になっていくという方向性ですよね。だって、普通に賭場を開張できないわけですよね、普通には、賭け事する場所を提供できないわけですよね、普通は、合法ではないわけだから。この二段階によって、その先には賭場を開くことがオーケーになる地域であったりとか主体というものを決めていかれるわけだから、これ地続きですよ。
今まで国が抜け道的にというか、いろんな公営ギャンブルだったりとかパチンコ的なもの、スロットというものに対して認めてきたことの今まで依存症、これだけ広がってきている。そしてもう一つ、ギャンブルというものに扉を開くというならば、これは当然、このIR法、プログラム法の中でもこの依存症に対してどうしていくべきなのかということが一番厚く担保されなきゃいけない私は審議の内容だと思います。
少し話が変わるんですけれども、皆さんに、皆さんにと言ったらあかんな、またあれなんで、代表者一名の方に、皆さん、お聞きしたいんですけれども、ギャンブルで一億円を失いましたというのと事業に投資して一億円を、何ですかね、損してしまいました、ギャンブルで一億円すっちゃったというのと事業で一億円なくなっちゃいましたというのと、これ、経済効果的にはどちらがあると思われますか。どちらかでお話し、二択でお答えいただけると助かります。済みません。
○委員長(難波奨二君) 山本君、答弁者、指名してください。
○山本太郎君 そうですね、じゃ、一番の若手に。松浪先生、いいですか。済みません。
○衆議院議員(松浪健太君) 経済効果というのが何をもって経済効果というのかと、これはちょっと質問、お答え、非常につらいと思います。
ついでに言えば、さっき僕だけお答えがなかったので、パチンコの献金とかそういうあれの問題で僕だけあれだったんですけど、私自身も実際、生活保護の問題で、生活保護者の方がこういうパチンコ等をすることについての問題、予算委員会等でも取り上げたことがあるということをまず付言をしておきたいと思います。
その上で、経済効果というと、なくなればダメージは当然、我々も、自分らの支持者で連帯保証人になっていて失ったとかいうこともあるので、その周りへの波及というのはやっぱり、それは事業であれ、自分の信頼する人たちからお金を借りていて、自分だけではなくて周りに波及するということ、これはマイナスの経済効果が大きいと思いますし、ギャンブルの場合は家族等に大変な迷惑を掛けるということにおいてはこれも同じでありますけれども。
経済効果というとあれですけど、道義的に考えれば、当然、ギャンブルはやっぱり自分の私利私欲というのが前に出ると思いますし、事業というのは、もっと仕事で家族を養いたいという思いから損をした、結果的に損をしてしまったということになるので、ここは一概に比べるべきだとは私は思いません。
○山本太郎君 失礼しました。ちょっと言い方が悪かったですね。
一億円というお金を持っていましたと。それを事業に投資しましたという人と、カジノですりました、で、事業は失敗した。この二人において国内の経済活動がより活発になるのはどちらでしょうかということをお聞きしたかったんですね。そんなことはちょっと中身を見てみなきゃ分からないという、すごく、何ですかね、センシティブなお答えをしていただいたと思うんですけれども。
例えばですけど、事業で一億円を投資した人が失敗。しかし、本人は損したとしても、取引先が国内企業・事業者であれば、従業員の給料だけでなく、関連する下請の売上げになったりとかいろいろ、何というんですかね、波及していくというような、事実上、日本社会の経済活動に貢献したという見方もできるかなと思うんですね。
一方で、カジノで一億円をすった場合、基本的には、一億円の所有権がお金をすった人からカジノ運営者に移動しただけ。つまり、その場の運営費、経費以外は経済効果が生まれづらいんじゃないかなと、日本社会の経済活動にはなかなか寄与しない状態が生まれるんじゃないかなというふうに思うんですよね。
じゃ、その収益、カジノ側が、もしも一億円すってくれたお客がいたとして、カジノ以外の日本国内の事業に対して投資をしてくれるということがあるならば、何ですかね、経済効果、日本の経済に寄与したというような形につながっていくのかなと思うんですけれども、別に再投資してくれるような取決めもあるわけじゃないですもんね。ごめんなさいね、話しているのは、外資のそういうカジノの運営会社がという話をしたかったということなんですよね。
結局、外資のカジノ運営会社が得た収益を積極的に日本に再投資してくれるというような何か可能性みたいなものって余り感じられないなというふうに思うんですよね。結局、日本に存在する資産、所得を外資のカジノ事業者が吸い上げて資産を移転するという話になっていかないかなというふうに思うんです。
日本の会社がやればいいじゃないかという話もあると思いますけど、運営の方。でも、海外の企業がやった場合に、より国内に経済効果が生まれるような回し方、再投資であったりいろんなことというのはなかなか望めないんじゃないかなというふうに思うんですよね。
カジノで経済効果が上がるというんだったら、客から吸い上げたお金はちゃんと国内の生産活動に再投資されないと経済効果というのはなかなか出にくいだろうと。海外の企業が客から莫大な金を吸い上げて、それを自分自身の国に移転してしまうようなこと、これが連続的に行われたら、これ国富の流出につながるんじゃないかなと。
私はカジノ反対という立場ですけど、百歩譲ってという考え方で、カジノが日本で解禁したらという視点で見てみたときに、海外の企業の参入を許すということを考えたら、日本にとってのプラスが余りないんじゃないかな、薄くなっていくんじゃないかなというふうに思うんですよね。
外資事業者、短期的な利益を追求するという傾向があると。その結果、公共性、周辺産業への波及効果が抑制されて、超過利益の海外流出、つまり日本国内に再投資されないことは何か想像できそうな感じだなと思うんですよね。結局、外資のカジノ関連会社に対して日本を草刈り場として提供するようなことになっちゃったら嫌だなと思うんですよ。何かそんな心配はないんですかね。何か、あっ、ちょっと待ってください、短めに答えていただけるんだったらここでお渡しします。そうでないなら、ちょっとごめんなさい、一番お話が濃くなりそうな方ですね。大丈夫ですか。
○衆議院議員(細田博之君) やっぱり、今、例えば外資と国内資本が組んで投資したいという、投資規模は一兆円ぐらいあるんですね、大体。ホテルから何から全てを組み上げて投資をしようと言っているのは大体一兆円以上を言っています。三兆、四兆と言っていたところもありますけど、それはちょっと大きいと思うんですね。
そうすると、一兆を投資することの効果、これは、もうそこで大変大きな効果が生ずるわけですから、今度、あとはカジノも含めた運営をして、今度は回収がどのぐらいでできるかということだと思うんですね。回収というのは、宿泊によって払う人もあればエンターテインメントで払う人もある、ゲーミングで払う人もいますから。そのうち、上がりの何%かは国が、あるいは地方公共団体が納付金でいただくわけですから。一種の税金でいただく。残りは、もうけが出ればそこで法人税等をいただくし、残りは投資収益として彼らが再投資に向かうか、あるいは資金を元の国元に持って帰ってまた別の運用をするか、それは分かりませんけど、投資というのはそういう性格があるので、それは、まず投資をしてくれるという企業があればそれは有り難いという気持ちはするんですね、それは立派なことですから。今、民間設備投資がもうどんどん縮小して困っているような状態ですからね。
以上であります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
まあ最初の一番大きな投資というのが何よりも大きいんだと、その後は法人税だったりいろんなもので、納付金だったりというものでいただいていくんだから心配には当たらないよというお話をしていただいたと思います。
二〇一四年、都内で開催されましたカジノの国際会議、ジャパン・ゲーミング・コングレス、これちょっと話の内容が変わってくるんですけれども、その中でプレゼンテーションがあったと。主な顧客は外国人観光客ではなく、日本人の富裕層という内容だった。日本人富裕層の個人金融資産量を日本にできる推定カジノ数三から十で割ると、海外に比べて日本の一つのカジノ当たりの個人金融資産量は突出していると。日本のカジノは莫大な利益、これが確実になると投資を呼びかけられていたそうです。
この会議に、スペクトラム・ゲーミング、もう御存じですよね、皆さん、世界四十六か国、アメリカでは三十六州においてギャンブリングに対する幅広いコンサルティングサービスを提供する国際的なコンサルト会社、その代表取締役を始め、海外のカジノ業界の大物が多数参加していたそうなんですね。
でも、はっきり言っていますものね、日本人富裕層の個人金融資産量をカジノの数で割ったら、どう考えても、日本一つのカジノ考えただけでも個人金融資産量は突出しているから、莫大な利益は確実だと。それはそうですよね、手付かずなんですものね。新たな草刈り場がここにありますということをそういうところで、来ませんか、日本にというような話合いになっていたという話なんですよね。この会議にはそういう方々が参加されていたと。海外から日本に来る観光客が目当てではないんだと。日本国内の資産をいかに吸い上げるかという部分が、恐らく、商売ですから、当然考えられることだと思うんですよね。もう皆さん御存じのとおりですよね、海外の事業者、日本でのカジノに乗り乗りのようですと。
日本でのカジノ、IR解禁を見据えて、多くの海外のカジノ運営事業者が投資を表明していると。特にMGMリゾーツ・インターナショナルなんかは、会長さんですか、十一月一日のインタビューに答えているんですね、これ。大都市型と地方都市型の二種類のうち、MGMとしては大都市型にフォーカスを当てている。それはそうですよね、東京都か大阪でやれたら、より個人金融資産というものは広がっていきますものね。吸い上げられる量が全然変わるという話ですよね。ほかにも、ラスベガス・サンズなども積極的だと。
一方、昨年二月、ビル・ホーンバックル社長会見では、永遠には待てないという発言もあったと。こんなことを言われたら焦りますよね、早くIRを、早くカジノをという話になるだろうな、早く成立させなきゃいけないよという話になるだろうなと。いつまでも待てないよ、俺たちと。いつまでもやるというわけじゃないからね、日本でと。早めに決めてねという話なんですかね。
ほかにも、マカオのメルコ社、オーストラリアのクラウン・リゾート社の合弁会社、メルコ・クラウン・エンターテインメントも、最低五十億ドルの投資など、市場参入への意欲を示していると。クラウン・リゾートはメルコへの投資比率を減らしているけれども、法案が成立すれば日本への投資意欲が再燃するのではないかという観測もあるそうです。海外事業者はやる気満々のようなんですよね。
これ、カジノの運営に関わる事業者の選定って、選定まで行かないとしても、大体のめどというのはもう付いているんですかね。これは政府参考人にお願いしたと思うんですけれども。
○政府参考人(中川真君) 御答弁申し上げます。
政府におきましては、二年前の成長戦略の中で、この法案について国会での御審議の動向及び国民的な議論の動向を見据えて関係省庁で検討してまいるということにしておりますけれども、これまで政府におきましては、海外のIR事業者などの実態ですとか、あるいはカジノ規制当局のやり方などをいろいろ勉強をして積み上げてきたところでございまして、今お尋ねの日本におけるIRの具体像、海外事業者の内容などについて、そういう具体像の検討は一切してございません。
○山本太郎君 ありがとうございます。
まあそうはいっても、水面下でやっているでしょう。だって、もうここまで来たんだし、もう実施法も先見えているわけだから、もうやっていないと間に合いませんもんね。
私、何かやる気満々みたいですけど、基本的にはカジノ法案には反対と。で、一応解禁した場合という視点でお聞きしています。
でも、日本でカジノ運営のノウハウを持った事業者がいなかったら、自然とノウハウを持つ外資の事業者がカジノの運営を手に入れることになると思うんですよね。もちろん一緒にやるという話はあるかもしれないけれども、ノウハウを持っているのは向こうなんだからという話ですよね。これ、非常に危険な状態と言えるんじゃないかなと思うんです。
これ、国内企業に優先的にカジノの運営やらせるという考え方はないんでしょうか。実際に今現在日本ではカジノの運営のノウハウを持った企業というのはないでしょうけれども、官房長官、日本の企業って、これ、この運営のところから排除されるという可能性はあるんですかね。済みません、急にこんなことをお聞きして。
○国務大臣(菅義偉君) まだどうするかということは決めていないという状況だそうです。
○山本太郎君 なるほど。今も審議中ですからね。ここでいろいろ考えていますとかと言ったら、どういうことだという話になっちゃいますもんね。済みません。ありがとうございます。
日本企業にはノウハウはないというお話ししましたけれども、もうすぐノウハウを手に入れる企業は存在していると。セガサミーホールディングス、韓国カジノ最大手のパラダイスグループとの合弁で立ち上がる統合型リゾート、IRが二〇一七年五月開業を目指して既に建設中だと。この韓国への投資は、日本でカジノが解禁され、カジノ事業に本格参入を果たすことを前提に、運営事業者としてのノウハウを習得するためものだという趣旨の報道も見られます。
やはり国内企業を参入させるためには、セガサミーのようにノウハウを積んだところが選ばれる可能性というのは高いのでしょうか。高いだろうという答えなのか、そうではないだろうということなのか、分からないという答えなのか、短めに答えていただけますか。──あっ、ちょっと待ってください。──いや、違います。提案者の方でさくっと答えていただける方。申し訳ないです。時間の関係です。済みません。申し訳ない。
○衆議院議員(岩屋毅君) いや、簡単に答えれば、分からないということだと思います。
いずれにしても、事業者に対しては厳格な審査が行われて、ライセンスを得たものでしかこの事業に参画をできないという仕組みになるわけですから、海外企業であろうが日本の企業であろうがその審査をパスすることが大前提ですから、今の時点では分からないと申し上げるしかないと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
ライセンス発行するということは先々あるんだろうけど、今何もまだ決まっていない段階でそんなことを細かく言えない、今は分からないとしか言えないんだという話なんですけれども。そのライセンスの発行に関して、何かこう、何やろな、便宜を図るみたいな話になったら嫌だなと思うんですよね。
例えばですけれども、安倍総理はセガサミーの会長さんの里見さんとつながりが深いという、お聞きしますよね。セガサミーの会長の娘さんの結婚式にまで出席されたということは、二〇一三年十月四日の写真週刊誌フライデーにも出席されている様子が写真で紹介されていたと。
こういったきずなでお友達人事的にカジノの運営権が手に入りやすいといったようなことは行われないですよね。これはまだ決まっていないから言えないこととはまた別の話だと思うんですよね。官房長官、こういうことないですよね。
○国務大臣(菅義偉君) まだ決まっていないですから、私からいい悪いと言うことは控えたいと思います。
○山本太郎君 いや、これ、決まっていなくてもやっちゃ駄目なことですよね、つながりがあるからというところの企業に便宜を図るというのは。もちろん、そういうことは起こられないですよね。官房長官、いかがでしょう。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど提案者から答弁されていましたけれども、それは公正厳格な審査という形になるだろうというふうに思っています。
○山本太郎君 済みません、お忙しい中来ていただいて。もうこれ以上官房長官にございませんので、退席していただいて結構です。若しくは、ゆっくりコーヒー飲まれていただいても結構ですけれども、お話を聞いていただいても。ありがとうございます。
では、先に進めます。
○委員長(難波奨二君) 菅官房長官、御退席いただいて結構でございます。
○山本太郎君 済みません、ありがとうございます。
これ、セガサミーに限った話じゃないよなと思うんですよね。パチンコ、スロットに関連する企業がカジノの運営権を手に入れた場合、その母体の収益に影響するような規制が、ギャンブル依存対策が本当に行うことできるのかなって。依存症対策、特に喫緊の課題であるパチンコ、スロットの規制が進みにくくなるおそれってないんですかね。これ、どなたか。──ありがとうございます。お答えください。
○衆議院議員(岩屋毅君) これまでずっと私どもお答えしてきた、また議論してきたように、当面数か所でしか我々このIRというのを想定してないわけです。
どういう地域が選ばれてどういう事業者が選定されていくかということは、もう全国民、全世界注視の下で行われる作業になるわけですから、当然、透明感を持った公正厳正なプロセスでなければ、国民の信頼も世界の、国際社会の信頼も得ることができませんし、そうでなければ成功することもできないというふうに考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
以前、国家戦略特区や構造改革特区において何件かのカジノ事業の特区申請が上がってきたと思うんですね。現実には、戦略特区でのカジノ構想は立ち消えになったと。それで、カジノは国家戦略特区内ではできないという趣旨の回答が警察庁と法務省から出たそうなんです。
申し訳ないです、時間が短いのでどちらか一方でもいいですが、多分法務省の見解の方が短かったですかね、できなかった理由というのは。申し訳ないです、警察庁の方来ていただいたのに。その理由をお聞かせください。
○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
御指摘の検討要請に対する回答におきまして法務省は、刑法により禁止されているカジノを合法化する措置が要望されたことに対して、措置の分類としては、特区としての対応が不可能であるものである旨の回答をしております。措置の内容としては、法律上の手当てを必要とするものである旨、回答しております。
その理由といたしましては、刑法百八十五条及び百八十六条は社会の風俗を害する行為として規定されておりますところ、刑罰法規の基本法である刑法を改正してカジノのみをこれらの構成要件から外すことは、その趣旨に鑑み、できないと考えることを挙げております。
また、その際の回答に明記してはおりませんが、特区としての対応が不可能であるものとした理由としては、全国的な統一性の観点から、特定の地域において基本法である刑法の適用を一律に排除することはできないと考えたところでございます。
もっとも、同じ回答におきまして、カジノに関する特別法の制定に関し、御指摘の回答においても、法務省が積極的に検討する主体ではないものの、いずれかの省庁においてカジノを法制化する法律を立案することとなれば、その内容について個別に当該省庁との協議に応じる用意はあるとしているところでございました。
以上でございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。要は賭博を許すわけにいかないということですよね、要は特区で。そういう考え方ですよね。百八十五、百八十六に該当する話ですよね、それね、要は。そこは引っかかるから国家戦略特区ではできないよということで立ち消えになっていったという話ですよね、国家戦略特区でカジノはという話ですね。
お聞きします、内閣府地方創生、藤原さんに次お聞きしますね。できれば端的にお答えいただけると助かります。
国家戦略特区では今後規制改革のメニューを増やすお気持ちがあるとのお話を以前聞いたことがあるんですけれども、今後どのような分野においてどのようなメニューを増やしていくおつもりなんでしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
本年六月に閣議決定されました日本再興戦略二〇一六におきまして、国家戦略特区においては、今後二年間を集中改革強化期間といたしまして、重点的に取り組むべき、これは外国人の受入れでございますとかあるいはインバウンドの振興、そういった部分につきまして、六つの分野を始めとしまして規制改革を進めていくというふうにされております。
自治体や事業者から具体的なニーズに基づいて規制改革の提案を幅広くいただきながら、今後必要な規制改革を実現してまいりたいと思っております。
○山本太郎君 今回のプログラム法案が可決されて先の実施法案が可決すれば、これ、カジノが違法という縛り、外れるわけですよね。ということは、つまり、カジノの違法性の阻却事由ができた場合、特区事業としてカジノも国家戦略特区において認定されること、十分にあり得ると思うんですよ。だって、元々国家戦略特区でできなかった理由が、要はカジノイコール賭博だったから。これが別のラインでプログラム法が通り実施法が通った後には、これ、元々国家戦略特区で拒まれていたことは解消されるわけですよね。これ認定される可能性というのは特区においてあるんですかね。藤原さん、いいですか。
○政府参考人(藤原豊君) 規制改革の実現がございまして初めて経済効果が発揮されるということでございます。
今回の場合、刑法の特例措置を伴うということを国家戦略特区で行うかどうかという判断になると思いますけれども、これまでも、例えば構造改革特区であれば刑法の特例措置というのは慎重な判断が必要だと。通常の法律ではなく基本法でございますので、そういった判断には慎重でございました。国家戦略特区で仮にこのカジノ、IR法案に関しまして議論を進めるという場合には、そういった刑法の特例措置、法務省その他と議論が慎重に行われる必要があると考えてございます。
○山本太郎君 これ十分あり得る話だと思うんです。だって、どうして国家戦略特区でカジノができなかったんですかって。違法性の阻却の問題があったと、阻却事由の問題があったと。だけどこれ、結局そっちに向かってやっているわけですものね、プログラム法、その後の実施法。とするならば、国家戦略特区でできなくなる理由がないんですよね。その先のことはその先に考えるというお話だと思います。これ十分あり得ると思うんです。
国家戦略特区の枠組みでカジノを含むIRをやるという話、これ私、ちょっと資料を付けさせていただいたんですけれども、国家戦略特区、指定するときの基準ってこんなものがあるよって。これ赤線引いてあるところだけ読んでみると、大きな経済的社会的効果が生じるようなところ、実施することにより、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成を通じて、全国的な社会的経済的効果も含めて広く波及効果を及ぼすもの、ほかには先進性、革新性を有するもの、従来なかった取組を新しく行う場合も含むと書かれている。ほかにも区域内の地方公共団体が取り組む意欲が高いとか。これ、でも、カジノで、このIRで言っていることほとんど当てはまらないんですか。観光業ですよね。
特区やって何が悪いんだって話ですけれども、これやられることで損するの国民なんですよ。だって、皆さんずっとおっしゃっていたじゃないですか。税金を掛けないんですと。皆さんの税金は使いません、負担はさせませんと。民間がやりますからとうたっておいて、これ戦略特区内でやることによって固定資産税、設備投資、所得税などの控除も受けられると。これ事実上税金で補助する事業になるわけですよね。
もしも、これが本当に特区でやられるという話になった場合、だってもう縛り何もないですよ。縛りはこのプログラム法案とこの先の実施法で外れるんですから。この法案の説明で言い続けてきたことと全く違う話になる。しかも、これ外資であれば、税控除を受けて安く事業がやれた上に、再投資もほとんどすることなく、日本人の富裕層から大きく、そうでもない方々からはそれなりに資産を巻き上げる国富の流出を、税金まで使ってお手伝いする話ですかということになっていく。
でも、今聞いても分からないですものね。今聞いても分からない──いや、手挙がらないですよ。それ、おかしい、おかしい。だって分からないって言っているんだから、まだ決まるまで。
だけど、間違いなくこの特区というものでカジノが成立しなかった理由は刑法の百八十五条、百八十六条ですよね、という説明ありましたよね、法務省。だから、ギャンブル、このカジノが違法だという考え方、賭博は開けませんという考え方の下ですものね。(発言する者あり)いやいやいや、ちょっと待ってください。(発言する者あり)いやいや、ちょっと待ってください。まだ先があるんですよ。だってさんざん答えたじゃないですか、皆さん。始まってから二十分全部皆さんでお話になったんですよ。済みません、先に進ませてくださいね、まだ続きがありますから。
これ、認定される可能性はまだ分からないと。でも、それは排除されていないわけですよね。特区でできなかった理由が、平たく言います、ばくち場を開くことを特区だけ合法化するには無理があるということですよね。特区だけでばくち場を開くことを合法化するには無理があると。じゃ、違うルートでということでプログラム法と実施法という二段階に分かりにくくばくち場を開ける場所や主体を合法化してしまえば特区と同じものという話にならないかって。
法務省と警察庁の懸念を、今回と先の立法、実施法で例外を作って払拭なさるんでしょう、だって。一度迂回させてばくち場を開けるようにした上で、運営する企業に税控除というインセンティブまで与えるとは随分大胆なお話だなというふうに思うんですよ。これ、絶対に特区ではやらないというような、絶対的な理由って何かありますか。ちょっと待ってください、そんなに長くならないんだったらお答え、大丈夫ですか。(発言する者あり)じゃ、三十秒でお願いします。ありがとうございます。
○衆議院議員(西村康稔君) ありがとうございます。
特区において刑法の特例を求めた国家戦略特区はこれは認められないということで返事が、もう既に解決されている答えがあるわけであります。私どもはそれは無理だと私どもも思っておりますので、刑法の違法性を阻却するために今回の特別法を作って、カジノ単体でなくIRという形で八項目をクリアして、これは阻却できるということで政府にそれを実施を求めているわけですが、実施法ができた暁に、仮に特区でやろうと思えば、それは特区の中で実施法の特例を求めるということになります。それは私ども全く、これは厳しい管理の下に、カジノ管理委員会の管理の下に置かれますから、そんなことは一切考えておりませんし、それは私どももできないというふうに思っております。
○山本太郎君 そのお言葉を信用したい。なぜならば、こんなことでやられるカジノには何の意味もない。それはそうですよね。それで喜ぶのは誰ですかと。事業者だけですよと。あとゼネコンと、あと地上げして土地がもうかる不動産屋、それに関連する人たちだけですよ。こういう税金の使い方がなされないように、何かまたこの先変更があるかもしれない。国家戦略特区によって、それに関わることによって大きな控除が与えられるようなインセンティブが与えられないような監視も是非先生たちにお願いしたいと申し上げて、質問を終わります。そろそろ終わりですよね。
ありがとうございました。
【反対討論】
○山本太郎君 私は、IR法案、いわゆるカジノ法案に反対の立場で討論をいたします。自由、社民の会派、希望の会を代表し、反対討論を行います。
本当に悲しい、これが国会なのって思っちゃいますよ。もう慣れたかもしれない、皆さんは。こんなものだって、政治は。でも、私はまだ日が浅い、三年しかたっていない。だから、まだ町の感覚、人々の声は聞こえる、こんな形でこんなことを決めていいんですかって。
私たちを食べさせてくれているのは、そしてこの国を回せているのは税金ですよって。誰の声を聞いてやるんですか。国民の中で、ギャンブルできるようにしてくれ、カジノ、賭場を開いてくれという声、どれぐらいありました。慎重にやってくれ、ちょっと行き過ぎているんじゃないか、そういう声の方が多いじゃないですか。誰の声を聞いて政治をやるんですか、誰の国の政治を今行っているんですかって。
このカジノという考え方に関しましては、特区で元々ありましたよね。特区でできなかった理由、平たく言うと、ばくち場を開くことを特区だけで合法化するには無理があるという話でした。ならば違うルートで、プログラム法と実施法という二段階で分かりにくく、ばくち場を開ける場所や主体を合法化してしまう準備法案だとも言えます。
正面から来ればいいじゃないですか。IR、劇場がどうした会議場がどうした、もちろんそれもあるだろうけど、本丸はカジノじゃないか、ばくちじゃないか、本丸はという話なんですよ。そして、この先の法案、今回の法案が通った先の法案、これを通せば、法務省と警察庁の懸念、刑法百八十五条、百八十六条に係る懸念、今回と先の立法で払拭なさった後は、この後どうなっていくかという話ですよね。
一度そのような形で迂回をさせて、ばくち場を開けるようにした上で先々危険性として考えられるのは、国家戦略特区に認定すれば、運営する企業、カジノを運営する企業に税控除というインセンティブまで与えるという話になる。カジノでもうけて、その税金や納付金を使って公益に資することをやりますという話が、もしも特区にこれが指定されてしまうような先々出来事があったとするならば、法人税は控除、所得税も控除、設備投資も控除で、もらえる税金ももらえないじゃないかって。また企業のためにやっているのか、また海外の企業のためにも動くのかという話になっちゃいますよ。それが海外企業であろうと国内のパチンコ・スロット関係企業であろうと、こんなやり方、こんな税金の使われ方に納得する人はいません。
税金を掛けない、皆さんの税負担なしで民間がやりますからとうたっておいて、もし先々戦略特区内でやることによってそのようなことになれば、これ一体どうなるんですか。もう一回やり直しできるんですか。できませんよね。じゃ、待ってください、この戦略特区で先々やりませんという担保、この法案の中にあるんですか。取りあえず突破してしまえば関係ない話なんですかね。
しかも、これが外資であれば、税控除を受けて安く事業がやれた上に、再投資もほとんどすることなく、日本人の富裕層からは大きく、そうでもない方々からはそれなりに資産を巻き上げる、国富の流出を税金まで使ってお手伝いをすることになる。これで納得するのは誰でしょう。予定地を地上げする不動産屋ですか。投資する人、ゼネコン、あとカジノの運営企業だけ。そのようなことの歯止めになる条文も入っていない、プログラム法だからといういつものせりふですかね。でも、それぐらい気を付けてやらなきゃいけないという話だと思うんです。
外資事業者は短期な利益を追求する傾向がある。その結果、公共性、周辺産業への波及効果は抑制される。超過利益の海外流出、つまり日本国内に再投資されないことは容易に想像できる。外資のカジノの運営関連会社などに対して日本を草刈り場として差し上げることにならないか、そのような問題点。
二〇一四年、都内で開催されたカジノの国際会議ジャパン・ゲーミング・コングレス、主な顧客は外国人観光客ではない、日本人の富裕層という内容のやり取りが行われていた。日本人富裕層の個人金融資産量を日本にできる推定カジノ数三から十で割る、海外に比べて、日本の一つのカジノ当たりの個人金融資産量は突出しているから日本のカジノは莫大な利益は確実、そのような宣伝が日本国内で行われている、余りにもおかしいじゃないですか。
IRでバラ色経済論を振りまくカジノ幻想の現実を見てみる、周辺はどうなっている。海外では、IRカジノではコンプというサービス、お客さん、カジノが囲い込んでいますよね。中に入ったら出ないんですよ。観光地の近くにとか日本のすばらしいところを見てもらおうといったって、このコンプという制度もある上に、その中から出ないんですよ。
コンプというのは英語のコンプリメンタリーの略、日本語にするとポイント優待サービス、IRのカジノやホテル、レジャー施設の中だけで使えるポイント制度。カジノでの賭け額の一定比率がポイントとして還元、そのポイントを使って宿泊、飲食、娯楽等が無料になったり、あるいは格安で利用できるようになる。
先日、参考人として来ていただいた鳥畑先生の論文によると、ニュージャージー州カジノ管理委員会のレポート、二〇一二年、アトランティックシティー内にある十二のカジノホテルの収入、五千百三十九万ドル、約六十億円、この収益のために使われたホテルのコンプ、実に二千七百五十八万ドル、約三十二億円、カジノホテルの収入の半分に匹敵する額に上っている。また、ラスベガスのストリップ地区、四十三のカジノで売上げの三〇%をコンプに費やしており、最終的には大赤字になっている。
結局、コンプのポイントサービスで多くの客がIR施設のホテルやレストランに囲い込まれて、周辺の商店、レストラン寂れていっているという現実がもうはっきりと分かっているのに、そして外に観光に出ていくなんてことがほとんどなくなっちゃうよ、中が楽しいんだもの、だって。時計もない、窓もない、そんなところで一日中やり続けるというような状況に人々が陥ったときに、観光も何もないじゃないですかと。しかも、周辺もそこまでおいしい思いできないよ、最初だけですよ。このようなことを推し進められていくなんて余りにもおかし過ぎる。
で、これ海外企業じゃなく国内企業だったらどうなんだって。セガサミーホールディングス、韓国カジノ最大手のパラダイスグループとの合弁で立ち上げる統合型リゾート、IR、二〇一七年五月開業を目指して既に建設中。日本の企業だったらまだいいか、そう思うかもしれない。けれども、このセガサミーの会長さん、里見治さん、安倍政権深いつながりがあると。セガサミー会長の娘さんの結婚式に総理やほかの閣僚がわざわざ出席されるほどの仲、こういったきずなでお友達人事的にカジノの運営決定される可能性否めませんよね。
そして、これはセガサミーに限った話だけではありません。パチンコ、スロットに関する企業がカジノの運営権を手に入れた場合、この委員会でも衆議院でも一番問題になったこの依存症の問題に対してちゃんとした規制ができますかと。その企業の母体の収益、すなわちパチンコ、スロットに関連する収益に影響するような規制が、ギャンブル依存症対策が、パチンコ、スロット規制が本当にできるのかと。依存症対策、進みにくくなる原因が生まれてくるんじゃないでしょうか。
ギャンブル商戦、ギャンブル依存症の方ははまるギャンブル、五割から六割がパチンコ、スロット。パチンコ、スロット絡みでないのは五%以下でしかありません。しかも、女性ではほぼ全例がパチンコ、スロット。ギャンブルされていないパチンコ、スロット、失礼しました、パチンコ、スロットのホール、全国のローソンよりも多い一万二千館、世界中にあるパチンコ、スロットの機器、七百二十万台中三分の二が日本にあるんだって、これ誰が作り出したんですかと、国ですよ、政治ですよって。で、それに対する依存症者がたくさんいると思われる。もう既に重症化している人たちたくさんいますよ。一度なったらなかなか抜けられない。大根がたくあんになるようなものだって、たくあんから大根には戻れないように、なかなかそこからまた元に戻るなんて大変な作業なんだと。それを国として野放しにするような状況でずっとそれをエスカレートさせていた現実があるじゃないかと。
カジノ解禁じゃないんだよと、IRがどうしたという話じゃないんだよ。まず目の前のここに対策しろという話だと思うんですよ。それが政治なんじゃないの。もちろん話の中にありますよ、そこになかなか対策費がつぎ込まれないから、だからこそこのIRをやりながら、そこから得た収益でやっていこうじゃないか、その考え方もあると思う。でも、まずIR、カジノと言う前に立ち止まるという考え方をしていただきたいんですよ。胴元が勝って商売が成り立つ、要は負けた人たち、この人たちを踏み付けながら経済成長していく企業やそして世界があるんだとしたら、それ地獄じゃないですか。世界中のカジノが寂れている原因、それなんじゃないですか。
ギャンブル、自殺との関係では、一年以内の自殺は一般の約十倍、生涯の自殺は一般の約四十倍にもなる、これらはほとんどマスコミが取り上げない。統計データがあるのに知らない人の方が多いだろうとギャンブル依存問題に詳しい医師は語ります。そして、このようにおっしゃいます。最後にこれを読ませてください。
もし日本でカジノが合法化されたら、もしカジノ法案が国会で可決成立し、カジノが合法化されれば、新たなギャンブル依存症が大量に発生することは確実である。カジノ推進派からは、カジノの収益からギャンブル依存症の治療施設を造り、その治療に当たればよいという意見が聞かれる。依存症になってしまった後、ギャンブルから離脱するために当事者とその家族などがどれほどの努力と労力と年月を必要とするかを全く理解していないとしか考えられない。
しかも、一旦依存症になれば、もうギャンブルに関するコントロール、取り戻すことはできない。推進派は、ギャンブル依存症が本人の人生ばかりか家庭をも破壊してしまうほど深刻な病であることを理解していない。そもそも、医療で現在最も重要な課題の一つとなっているのが病気を予防することである。人々が病気にならないための施策を考え実行するのが国を始めとする行政機関のすべきことであり、我々専門家の仕事である。
この法案に賛成する皆さんにお聞きしたい。依存症をつくり出さない最大の予防策とは何でしょうか。答えはもう簡単です。カジノ法案の廃案と、現在一番依存症を生み出しているパチンコ、スロットの規制です。
反対討論を終わります。
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