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山本太郎資料ファイル

7月23日東日本入国管理センター、7月24日東京入管局に視察に行きました。

その際に行われた「収容所における問題点に対しての改善要求」とそれに対する入管の対応を、
一緒に参加してくれた山村淳平医師と被収容者支援者の方々が文章化してくれましたので、
掲載いたします。

7月24日東京入管局の内容は→ こちら

※牛久の東入国管理センターの、
・午前中はシャワーが水しか出ない問題
・夜22時(もしくは23時)を超えると収容部屋のエアコンが切られる問題
に関しましては、改善要求が受け入れられ後日改善致しました。

全文PDFは → 牛久入管対話-180723


 

東日本入国管理センターでの対話

2018年7月30日
文責 山村淳平

はじめに

2018年7月23日(月)、山本太郎参議院議員が東日本入国管理センターを視察した。その際、山本太郎議員によって、東日本入国管理センターと支援団体などとの話し合いの場がもうけられた。
話し合いの10日前(7月13日)、山本太郎議員を介して、あらかじめ文書で支援団体の意見および見解、そして質問を法務省におくった。当日の話し合いは、午後2時30分ごろからはじめられた。東日本入国管理センター所長をはじめとして、管理職員の方々に出席していただいた。
そのときの話し合い内容を文章化したのが、この報告書である。まず項目ごとに、内容を整理した。さいしょは支援団体からのコメント(意見と見解)を記載した。つぎに、支援団体からの質問をQとし、それをうけた形で清水所長が回答した。その後、入管と支援団体のメンバー、そして山本太郎議員との対話がつづいた。
出席者は以下のとおりである。

●国会議員

参議院議員 山本 太郎    秘書 後藤 一輝

●東日本入国管理センター

所長    清水 洋樹
処遇部門  鈴木 勝良   総務課課長 山澤 義周
法務省入国管理局 警備指導官 宮尾 芳彰 ほか6名

●支援団体

外国人収容所を改善する会[1]   松本 浩美  渡辺 聡(東京バプティスト教会牧師)
山村 淳平(港町診療所医師)
カトリック東京国際センター   大迫 こずえ
クイント法律事務所       藤井 博文(弁護士)

————————————————

[1] 東日本入国管理センターおよび東京入管局において、定期的に被収容者への面会をつづけている医師や牧師などで構成されている団体である。各収容施設での問題点をとりあげ、収容所にたいして環境改善を要求している。

 

          目次

はじめに

1.自殺について

2.緊急医療対応

3.常備薬について

4.診療にたどりつくまで

5.自殺したインド人および他の被収容者の要求

6.入管職員による制圧

7.共同シャワー室でのビデオカメラ

8.不適切な収容

9.長期収容によるストレス軽減

■夜間のエアコンについて

■温水シャワーついて

■庁外診療について

10.職員の名刺交換


 

支援団体からのコメント
被収容者が重症化したり、突発的な病気で亡くなったりしている。2014年には東日本入国管理センターにおいて二人があいついで亡くなっている。2017年3月25日にはベトナム人が亡くなった。そして、今年(2018年)4月13日インド人が、長期収容を悲観して自殺した。さらに今年5月には3人が自殺未遂した。
これまでの施設内における自殺は、2008年1人(インド男性、西日本入管)、09年1人(中国男性、東京入管)、10年2人(ブラジル男性および韓国男性、東日本入管)である。
全国の収容施設では、被収容者数が減少しているにもかかわらず、実際に自殺をはかる人はあとをたたない。自殺の予備軍は、年間30~60人とかなりの数にのぼっている(図1)。

 

図1 全国の外国人収容所での自殺未遂と死亡(自殺をふくむ)

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Q 自殺未遂者を独居房にいれている。その理由はなにか。それはだれの判断なのか。

  • 清水所長

自傷行為におよんだ被収容者については、生命・身体の保護、沈静化等のため、他の被収容者と分離して、個別の処遇をする必要がある。被収容者処遇規則第18条1項3号に基づいて隔離収容する。
隔離は所長の判断でおこなわれ、発生時期により所長の指示を仰ぐ時間がないときは、現場の判断で隔離することができる。その場合には、速やかに所長に報告し、所長の指示をうける。現場で隔離したものの、所長が隔離をすることをみとめない場合は、直ちに隔離を解除する。

 

Q 自殺未遂者数をへらすには、収容環境の改善および仮放免が効果的ではないか、とおもう。自殺防止について、どのような対応をおこなっているのか。

  • 清水所長

見回りの回数をふやして、これまで以上に被収容者の心情把握につとめる。また、自殺のあったシャワー室、ほかの施設においても、事故防止のための改修を実施した。
引き続き今後、自殺や自傷行為、事故防止の観点から、動静把握を強化するほか、精神科の医師による診察、臨床心理士によるカウンセリングなどを実施して、被収容者の心情安定を図り、適切に対応したい。

  • 山村

独居房に入れているが、被収容者がなぜ自殺しようとするのか、検討しているのか?
4月13日インド人の自殺未遂があった後、わたしが把握しているだけでも5人ぐらい自殺未遂や自損行為の人がいる。根本的な原因があらためられないと、このような対応をしても繰りかえすのではないか。

  • 清水所長

自殺に原因があるということは理解できるが、被収容者から個別に話をきくしかない。自殺の原因に共通したものがあればかんがえる。自殺の原因は個別の事情がほとんどである。自分のやりたいことができない。
たしかに仮放免が認められなかったとき、自殺におよぶことはあるかもしれない。それはきっかけなので、我々は注意して被収容者の反応を見ていくしかない。やはり不許可になると落ち込むので、気をつけてみるようにしている。

  • 山村

収容環境が被収容者の精神にわるい影響をおよぼしている。劣悪な環境の中で精神科医の診察やカウンセリングをおこなったとしても、どこまで効果があるのか疑問である。実際に効果があったのなら、どの程度のものか、具体的な指標はあるのか?

  • 清水所長

具体的な指標があるわけではない。しかし、すくなくとも職員が話をきくより、効果はある、とおもう。被収容者が不満をいったり、物にあたったりするとき、まず職員が話をきく。それで落ちつく人もいる。
それでもなかなか落ちつかないときは、臨床心理士のカウンセリングをうける。それで落ちつく人もいる。それでも変わらない人の場合、精神的な問題があるとかんがえ、精神科医の診察をうけて、薬を処方されるときもある。薬をのんでもよくならないときは、継続して精神科医にみてもらう。精神科医も「不調は収容されていることが原因」といっている。
しかし、そのように精神科医がいったからといって、我々は収容をとくわけにはいかない。我々の中でどのように対処するかをかんがえなければならない。我々は、精神科医の診察、臨床心理士のカウンセリングは効果があるとかんがえている。

  • 山村

効果がある、という統計的なデータはとっていないのか?

  • 清水所長

ない。

  • 山村

わたしのほうで被収容者にきいたところ、たいていの人は「効果なし」といっていた。

  • 清水所長

そういう方もいるのかもしれない。


 

支援団体からのコメント
外国人収容所を改善する会は、緊急事態がおきても適切な対応をしていないことを懸念した。そこで、昨年(2017年)3月におきたベトナム人の死亡事件に関連して、2017年7月の要望書に以下のとおりしるした。

  1. 病状が悪化しても、外部の医療機関につなげていない
  2. 急変しても、発見がおくれており、救命救急処置が不十分である
  3. 救急車をよぶのがきわめておそい
  4. 入管医師の質に問題があり、診療内容が不十分である

 

そして、入管職員がときに詐病としている点[2] をとりあげ、つぎの点を要望した。

  1. 「詐病」と判断するのは、医師でさえ不可能である。できるだけ、外部病院での診断と治療がのぞましい。それができなければ、早期の仮放免である。
  2. 意識障害の程度の判定、そして呼吸状態/脈拍把握など把握する訓練を、消防庁職員(救急隊員)と同時に、医療的観点からも医師にしていただくのが適切である。
  3. 緊急時に上記項目のチェックリストを作成し、複数の職員によってそれらを判断する形をとってみる。そうすることで、判断の間違いがすくなくなる。

ところが、その後、東京入管局の収容施設でも「入管の虫垂炎発見のおくれ」がみられた
(東京新聞記事2018年4月23日)。

[2] 2011年と2012年の東日本入国管理センターの業務概況書による。

 

Q 入管職員による救急対応にかんして、緊急時の講習を受けていると聞いている。実際にそれは、どのていど有効性をもつのか。たとえば意識障害の判定、呼吸状態/脈拍把握などについては、どこまで入管職員の理解がすすんでいるのか。わたしたちの要望のとおり対応したのか。

  • 清水所長

当庁では毎年、近隣の消防本部から職員を派遣してもらい、所長以下職員全員普通救命講習(一番初歩)の救命講習を受講している。受講すると修了者の認定をうける。応急手当て普及員の認定を受けた者も複数名いる。
しかし、そうだからといって、被収容者の状態を見て「詐病」「病気を偽っている」など独自の判断はしない。対応には必ず複数の職員で対応する。かつ判断の際には、必ず庁内の医師、看護師につなぐ。しかし、緊急(本人が非常に痛がったり、苦しがったり、意識がないときなど)で時間がないときは、すぐに救急車をよぶ。
普通救命講習は5日間、1人180分の内容。応急手当普及員の認定者は7名である。

Q どの時点で、だれが、どのような判断で救急車をよぶことになっているのか。

  • 清水所長

意識確認、主訴の確認など一般的な救命救急の訓練の通り、医師、看護師、准看護、在庁している幹部職員という優先順位で救急車の出動要請をおこなう。しかし、「意識がない」「けいれんしている」「激しい痛みを訴えている」「脂汗」など、一見して異常がみられるときは、バイタル確認と同時並行して、救急車の出動を要請する。ちなみに、今年の4月から6月までの救急車の要請は17件であった。

  • 山村

「ためらわず救急車を呼ぼう」という消防庁のマニュアルがある(次ページの図)。頭の場合は、割れるような痛みをかんじたとき。このような体の部位と症状から判断していくマニュアルをつかって、講習をうけたのか?

  • 清水所長

このようなものではない。おそわったのは人工呼吸の方法、AEDの使い方などである。

  • 山村

2017年3月ベトナム人がクモ膜下出血でなくなった。12月法務省の入管が調査結果を発表した(2017年12月4日法務省発表報告「平成29年3月に発生した東日本入国管理センターにおけるベトナム人被収容者の死亡事案に関する調査結果について」より)。わたしもよんだが、おおくの問題点があった[3]

[3] 報告書は、法務省入管局の警備課によって作成されている。いうなれば、死亡事件における部下の失態を上司がおおいかくしている体裁となっている。これでは、説得力にかける。本来であれば、第三者機関による調査が必要である
報告書によれば、このベトナム人は2回発作がおこっていた。1回目の発作のときに見逃しがあった。意識がなくなったにもかかわらず、独居房にいれていた。
となると、救命救急の講習は、このベトナム人に対しては効果がなかったのではないか。救急医療は経験をつまないと、運ばれてくる患者がどのような状態にあるのかわからない。講習を受けただけでは限界がある。
医療関係者もふくめて、救急医療の基本をしり、意識・脈・呼吸のレベルをきちんと把握すれば、ある程度重症かどうか判断ができる。
先ほどのベトナム人であれば、1回目の発作のときに気づいて救急車をよべば、なくなることはなかった。現場の救急医療医師をまねき、どうやって早めに発見し、対処するのかの講習をおこなってもよいだろう。

消防庁の緊急マニアル

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  • 清水所長

職員は上級講習もうけている。医療関係者も講習はうけている。

  • 山村

しかし、救急医療は経験しないとわからない。突然意識がなくなる、胸がいたくなったときどういう病気が考えられるか、救急隊員でさえわからない。医師にかかって初めてわかる。これまで収容所でなくなった人をみると、クモ膜下出血、心筋梗塞、脳出血、自殺がおおい。その対応を、医療関係者から講習してもらうことが大事だ。

 


 

支援団体からのコメント

昨年(2017年)3月に死亡したベトナム人は、職員から鎮痛剤をあたえられていた(「平成29年3月に発生した東日本入国管理センターにおけるベトナム人被収容者の死亡事案に関する調査結果について」2~3ページより)。

報告書2ページ抜粋

報告書3ページ抜粋

 

東日本入国管理センター被収容者処遇細則の34条の5によれば、「処遇担当統括は、緊急常備薬を保管し、被収容者にこれを授与」とある。常備薬をそなえる理由がよくわからない。また、どのような種類の常備薬がそなえてあるのかも不明である。そこで、2017年に外国人収容所を改善する会は以下の要望をした。

<要望>

  1. 入管職員が被収容者に常備薬をあたえるのは医療行為(診断と治療)となり、医師法違反にあたるのではないか。常備薬が町の薬屋さんで売られている薬といっても、副作用の懸念がある。また、常備薬を使用することにかんして、だれが責任をもって授与するのか不透明である。その点を十分ふまえたうえで、常備薬授与の有無は、慎重にしていただきたい。
  2. 常備薬をあたえるよりも、むしろ庁外診療をふやすことが優先していただきたい。
  3. これからもおなじように常備薬を授与するのであれば、被収容者に薬効と副作用の正確な説明書きが必要である。しかも英語、スペイン語、シンハラ語などに翻訳した方がよりよい。

Q 上記要望は、どのようにすすめられたのか。あるいはすすめられなかったのか。

  • 清水所長

初期の風邪の諸症状、絆創膏で対応が可能な切り傷など軽微な症状にそなえて常備薬をおいている。入管職員はまず、被収容者から訴えをきいたうえで、薬の効能について説明をおこなう。
服用の決定は被収容者本人がおこなうので、本人の意思に反して「これを使いなさい」「これを飲みなさい」ということはない。そのため、医師法違反にあたらない、とかんがえている。なお、常備薬を使用しても改善がみられない場合、すみやかに庁内の医師の診察をうけさせている。
常備薬の使用件数は、4月~6月で1万1000件(年間4万7000件強)。毎日のように、「飲みたい」という人にわたしている。

Q 要望どおりすすめられていないのであれば、その理由はなにか。

  • 清水所長

収容人員は350人前後すべてを外部病院で診察させるのは、職員数、車両数、携行体制、病院の受け入れ態勢などからかんがえて、きわめて困難である。
常備薬の説明書については、職員がゆっくり説明し、ときには通訳もつかって説明している。庁外診療は半年で347件、月60件以下。これが限度である。それ以上ふえると、なかなか対応できない。本人が常備薬でよいという場合は、それですませている。ただし、常備薬で対応できないような重い病気であれば、すぐに診察する。

申出別紙(一般診療)

東日本入国管理センターにそなえてある常備薬(上記の申出用紙より)

 

  • 山村

情報公開請求で、一般診療の申し出用紙を得た。そのうえで常備薬の内容を確認した(前ページの写真)。
今日面会した被収容者にこれらの常備薬についてたずねたところ、「頭が痛い」とうったえたら、このリストにある頭痛薬と水のはいったコップを職員はもってきてわたした、とこたえた。彼はそれをのみました。本人の希望というよりも、職員のその場の判断で常備薬が飲まされていた。これまでわたしが面会して聞きとった結果でもおなじだ。医療関係者でない入管職員の行為は、危険である。
もし、どうしても常備薬をつかいたいのであれば、薬の効果効能、副作用について、多言語で文章にすることである。それぞれの国の言葉で説明書きをそえて、それを本人に理解させたうえで、のんでもらったほうがよいだろう。
彼らは薬をそのまま手わたされるので、これがどんな薬なのか副作用などまったくわからないまま、のまされている。ですから、薬について多言語で文章化し、理解を得るように、改善してほしい。本来ならきちんとした診療につなげるべきだが、それができないのであれば、今いったような対応が必要である。

  • 山本太郎

薬について多言語で文章化することはひと手間かかるが、どうにかカバーできるような形にしてほしい。すぐに外部の医師につなげてほしいが、人手や車がたりないのであれば、常備薬の説明を多言語化することならできるだろう。

  • 清水所長

わたしは、職員が何も説明せずに常備薬をだしている、とはおもえない。処方薬の場合、被収容者から「これは何の薬だ?」とたずねられるので、職員は説明書きをかいた冊子をつくっている。だから、常備薬について、被収容者がだまって受けとるのは信じられない。それは、被収容者のほうで常備薬についてしっていて、「頭が痛いから、薬を持ってきてほしい」という要望があったからではないか。しかし、被収容者本人がそのようにいうのであれば、説明をしなければならないとおもう。

  • 山村

口頭ではなく、文書での説明が必要である。日本語で説明されてもわからない。処方薬のときは説明があるというが、常備薬では説明がないので、多言語で文章にして、相手に理解をもとめることが大事である。

 


 

支援団体からのコメント

入管職員による「被収容者申し出」において、虚偽記載がなされている(東京新聞記事2018年4月23日参照)。入管での診療は、以下の手順のようである。

  1. 被収容者が申し出て、入管職員が「被収容者申し出」に記入する。
  2. 診察では、入管医師が「診療記録の医師欄」に記入する。
  3. その後、入管医師が「診療記録の病名欄」に記入する。
  4. 入管職員が、入管医師に聞きとり、その結果を「被収容者診療名簿」に記入する。

 

Q 医療についての「被収容者の申し出」の申請書は、どこにおいてあるのか。被収容者が自由に申請者をとれる形となっているのか。

  • 清水所長

被収容者申し入れ書は警備官室に保管してある。被収容者から診療の希望があったときは、申し入れ書を原則当日に交付する。
診療を希望した被収容者については、入国警備官が申し入れ書別紙を当日もしくは近いうちにわたす。これとは別に、看護師による健康相談を希望する人には、問診票を記載してもらう。診察か健康相談か、被収容者が入国警備官と面会して、最終的には被収容者に決めてもらう。申し入れ書は被収容者が記載する。
看護師による健康相談の場合は、申し入れ書はかかない。これは随時おこなっているので、申し入れ書は必要ない。看護師が被収容者と面接して記録をとる。医師の診察より、健康相談のほうが早く受けられる。体調不良者が早めに相談したいのであれば、健康相談をすすめている。
庁内診療は午後開始。午前中に健康相談をして、看護師から「きちんと診察してもらったほうがいい」といえば、午後から診察してもらうこともある。庁内診療医が専門でなければ、庁外診療になる。
緊急性がない場合は、改めて診療申し入れ書をかいてもらうことがある。健康相談の結果、看護師が診療と必要と判断したときも申し入れ書をかいてもらう。健康相談の後に申し入れ書をかいてもらったりするので、日付が変わることは当然ある。

Q 被収容者が申し出た日時および内容と入管職員が「被収容者申し出」の申請書に記載する内容と日付がどうやら一致していないようだ。このような虚偽記載は常態化しているのか。

  • 清水所長

被収容者の申し入れた日と職員が申請書に記載した日が一致しないのは、虚偽記載ではない。健康相談によっては必要と判断したとき、あらためて申し入れ書をかいてもらう。日付がかわるときはある。

Q 医療関係についてのシロウトである入管職員の聞きとりは、間違った記載になるおそれがある。それは危険な行為であり、本来であれば直接医療関係者が記入しなければならない。それが虚偽記載にもつながりかねない。それにかんして、どのようにかんがえているのか。

  • 清水所長

職員は、本人の訴えを聞いて、かいているが、医療的に判断しているわけではない。訴えている内容をそのままかいているに過ぎない。日本語でのコミュニケーションがむつかしい場合は、直接被収容者が使う言語で書いてもらい、翻訳・通訳者をとおして理解につとめている。

  • 山村

申し入れ書を被収容者が自由に入手して、提出する形にする形にできないか?

  • 入管職員(警備官)

申し入れ書を自由に取れるようにしておくと、メモにつかったり、他の用途につかわれてしまう。原則即日交付であるが、現状では「申し入れ書がほしい」といわれれば、すぐにわたしている。

  • 山村

病気のある人に問診するときには、聞くテクニックが必要である。相手の訴えがどういう病気なのかを念頭におきながら、訴えを聞く。ただ相手の訴えを聞くだけでなく、こういう症状はあるかないかも聞き、病気の判断をする。

医学の知識のない職員が、こういう形で問診をするのは問題である。やはり医療従事者がやらなければならない。職員がこの書類をかくなら、医療従事者にどんな形で問診したのかをきちんとつたえるべきであろう。かりにつづけるのであれば、職員にたいして、問診についての講習ももうけなければならない。
被収容者も高齢化し、40代、50代が増えている。今後、重い病気がでてくる可能性がある。どんな病気がでてくるのか、医療従事者から講習を受けて、問診に活かしてほしい。

  • 藤井弁護士

申し入れ書を警備官室におくことについて、規則上の根拠はないとおもう。診療を希望する被収容者にとって必要性のたかい書類なので、手にとりやすい所においてほしい。

  • 清水所長

この申し入れ書にかぎらず、要望書などはすべて「ほしい」といわれたときに、わたすようにしている。そうしないと、メモ書きなどいろいろなものに、つかわれてしまう。限られた予算のなか、紙を無駄にできない。

  • 藤井弁護士

視察委員会に対する要望書はオープンスペースにおかれている。それと申し入れ書を別にあつかうのはおかしい。

  • 清水所長

一緒においてもいいが、検討はする。

 


 

支援団体からのコメント

2018年3月上旬に5Aの有志13名が連名で牛久入管に改善要望書を提出した。自殺したインド人・クマールさんもそれに名をつらねていた。その内容は以下のとおりである。

  1. 人の意思を無視した強制退去反対
  2. 長期収容反対
  3. 仮放免審査期間の短縮と早期許可
  4. 保証金低減
  5. 医療体制の改善

それにたいして文書での回答はなく、入管職員が口頭で受け入れられないと答えただけである。クマールさんの自殺直後から、被収容者ハンガーストライキがはじまった(東京新聞記事2018年4月17日)。

Q 仮放免許可がおりないのは、なぜか。

  • 清水所長

仮放免の許否について。被収容者が入管法違反、刑事罰則違反により、退去強制令書を受けた者であることの事実をふまえ、それまでの情状、正規の理由、特別な事情、行政訴訟、難民認定申請、送還に向けて出国大使館との交渉など、総合的に判断している。当センターの被収容者は送還を頑なに忌避している。しかし、安易な仮放免をゆるせば、新たな保護収容問題が発生する恐れがあり、被退去強制者の逃亡を防止しきれない。
また収容されている者の約68%、つまり7割は難民認定申請をおこなっている。送還を忌避するため、退去強制処分が決まった後になって難民認定申請をおこなう者が相当数にのぼる。
さらに、仮放免中の殺人や殺人未遂、強盗致傷など重大事件で逮捕されるケースも多発している。薬物事犯、暴行、傷害、窃盗などで逮捕される事案も発生している。これらの状況からかんがえて、仮放免の許可については慎重に判断している。
なお、仮放免申請について、同一の被収容者が複数回申請するケースが相当数ある。それが許可率に影響をおよぼしている可能性がある。

Q 審査期間が3ヶ月ちかくかかるのは、どうしてなのか。

  • 清水所長

仮放免の許否については70日程度でだしている。ただし、個別に調査が必要なときは、それ以上かかることもある。
仮放免許可申請は年々増加している。それも審査に時間がかかる要因となっている。また、近年、仮放免許可の申請において、あきらかに許可されないような被収容者が複数回申請するケースも、相当数見うけられるようになった。これも審査に時間がかかる一因となっている。

Q 保証金の金額は、どのように決定されるのか。判断基準はあるのか。

  • 清水所長

保証金の金額は、入管法の規定54条の2にあるように「収容されている者の情状および正規の理由となる証拠、およびその者の性格、資産等を考慮して、300万円を超えない額」と規定されている。また、300万円以下の範囲内で、「出頭に足りる相当の額」(入管法施行規則49条の5項)に規定されている。
仮放免の保証金の額は個々の事情において決定しているので、基準はない。弁護士が身元保証する場合、弁護士が出頭の義務を履行することに協力する場合は、日弁連との合意をふまえて、適正に評価して、出頭確保の観点から、最小限の額となるように留意している。すくない額で対応している。

  • 山村

被収容者の7割が難民認定審査中とのことだが、認定される人もなかにはいる。被収容者はかならずしも難民性がないわけではないので、きちんと調査してほしい。
つぎに、暴行や窃盗で刑務所に服役後、こちらへ来る人が何人かいる。彼らはすでに刑期を終えている。退去強制としないで、第2の人生のチャンスをあたえてもいいのではないか。

  • 藤井弁護士

そもそも入管法がさだめている条文からは、全件収容主義はかならずしも正しいとはいえないのではないか。諸外国との比較、被収容者の意見もふまえて、仮放免を弾力的に運用してほしい。
保証金の金額について、日弁連との協議を踏まえたとのことだが、そもそもそれは、仮放免の許否自体を、弁護士が出頭協力するとか、保証人になっている場合を考慮するという取り決めであった。取り決めがあって、1年ぐらいは仮放免が許可されるようになった実感がある。
しかし、1年を過ぎると弁護士がついていても仮放免が許可されなくなってきた。あくまでも感じたことであるが。保証金の金額について、弁護士がついているのなら考慮するというなら、仮放免の許可自体も考慮してほしい。
仮放免許可がおりないことについて。刑事施設から入管施設へ移管されたケースについて仮放免を認めづらいというのは、仮放免許可中に刑事事件を起こすケースがおおいということか?

  • 清水所長

おおいというよりも、事件が発生している。

  • 藤井弁護士

今、仮放免者は2000人か? 今すぐはわからないが、人口の比率からすれば、仮放免者が犯罪をおこすケースもあるかもしれない。

  • 清水所長

すべての仮放免者ではない。

  • 藤井弁護士

仮放免者のほんの一部が、犯罪をおこしているからにすぎない。

  • 清水所長

出しにくいということ。

  • 藤井弁護士

でも、刑事手続きと行政手続きは別の話である。仮放免したら刑事事件をおこすから、収容を継続するというのは話がちがう。

  • 宮尾(法務省入国管理局警備指導官)

弁護士の先生が保証人になられて仮放免を許可したケースで、仮放免されている人が逃亡や失踪ことも発生している。保証人の弁護士の先生に連絡を取ると、「(その仮放免者とは)まったく連絡を取っていなかったので、様子はわからない」という返事をもらうことがよくある。
保証金についても、仮放免を許可したけれども保証金がはらえないというケースはあまりなくて、保証金はたかいけれど、我々としてもどこかで折り合いをつけさせてもらっている。最高300万円であるが、一律300万円ではなくて、資力をかんがえながら保証金の額を設定している。それでもはらいづらいということであれば、そのうえで相談しながらやる。
仮放免の許可がなかなかおりないことについて。犯罪の中身でも、薬物事犯で自分で薬物を持っていたとかではなくて、麻薬特例法に違反するような犯罪、要は密売人をやっていたケース。その人がいたために、たくさんの日本人が被害を受けたような罪では、仮放免はむつかしい。女性にワイセツな行為をしたケースもある。また、仮放免したけれど、犯罪をおこしたケースの中には、熊本での震災のとき、被災地に出向いて窃盗を働いたケースもあった。たしかに、仮放免者のすべてが犯罪をおこすわけではないが、その人の状態によっては仮放免しがたいケースがある。
弁護士の先生は、我々以上に彼らの実態を知っている、とおもう。犯罪をおこした人たちには、ぜひ「日本で仮放免を期待するより、帰国すべき」といってほしい。「あなたの日本での行状を考えれば、本国へ帰るほうがいい」。この点でぜひ協力してほしい。
我々もいつまでも収容したくない。「帰る」といえば、できるだけ速やかにかえっていただくべく準備する。人によっては、本国へかえってもらえるように、協力をうけたまわりたい。

  • 藤井弁護士

仮放免を許可するのがむつかしいから、帰国をすすめてほしいという話について。
1点目は、入管が全件収容主義をとっていないと理解すれば、そのような流れになるのはおかしい。
2点目は、弁護士は依頼人にいろいろな選択肢をしめす。そこで選択するのは依頼人。代理人としては「本国へ帰ったほうがいいよ」とはいえない。

  • 山村

仮放免中の犯罪率のデータはあるのか?

  • 宮尾

それなりのものはあるが、具体的にはしめせない。

  • 山村

いくつかのケースから、すべてがこうと判断するよりも、きちんとした統計をとって、仮放免者の犯罪率をださないと理解してもらえない。
それから、「協力してほしい」といわれても、家族は日本にいて、生活の基盤はこちらにある。仮放免(および難民認定率の上昇、在留特別許可取得など)に協力してほしいというのが、わたしたちの願いだ。

  • 宮尾

全員に「帰国しろ」といっているわけではない。先生方からみても「この人たちは帰るべき」と感じる人がいるとおもう。そういう人たちにたいして、働きかけてほしい。

  • 山村

仮放免中の犯罪率が数値化されれば、はっきりするのでわかりやすい。もっとも、難民認定率は0%台、そのくらいかもしれないが。

  • 山本太郎

これまでの話を聞いての感想と意見をのべたい。
大前提として、この国がこんなに外国人を受けいれない状況がしられていないことが一番問題だとおもう。
2年も3年も閉じこめて、それでもまだ日本社会にいれてもらえない。あきらめきれないのは、それなりの理由がある。それは、かえったら、自分の身に危険がおこるからだろう。帰国しても問題ないなら、2年も3年もねばるのは、かんがえられない。
今、世界の中で日本はまずしい部類に入ってきている。それをかんがえると、たとえ発展途上でも、自国にもどれば、まだ将来があるとかんがえるのが普通だが、2年も3年もくるしい状況を我慢するには、なにか理由があるだろう、とかんがえるのが一番合理的だ。
仮放免後の犯罪について。「働かない」という約束で収容所からだしてもらったが、生活するためにはお金が必要だ。手持ちのお金がなければ、犯罪につながりやすい。
仮放免の在り方をかんがえる必要がある。これは政治的な課題である。入管の皆さんに言うべきことではないが、もうすこし柔軟に運用してほしい。
たとえば、技能実習生で来日したケースでは、技術の移転ではなくて、労働の調整弁として、非人間的な奴隷労働をさせられている状況で、身の危険を感じて脱出した人たちがおおい、と聞いている。これは全部問題としてつながっているのだと、今までの話を聞いておもった。
今日面会した人たちの中で、日本人の奥さんがいる人がいた。そういう人については、もうすこし柔軟に対応してもいいのではないか、とおもった。
今日の話だけでなく、被収容者を支援されている人たちからの話をきいても、現在はかなりしんどい状況とおもう。ざっくりとした言い方になるが、全国の収容所で、このようなあつかいをしているのだから。
仮放免がみとめられない人たちにたいして、政治がきちんと線引きをして「もう日本には来ないでください。あなたの居場所はありません」と言うべきだろう。「あなたたちには居場所はない。日本人でさえ居場所はないのに。だから、やってきても住めませんよ」とはっきりいうべきだ。そのくらいの気持ちになっている。
「移民は受け入れない」といいながら、様々な抜け道をつかって、外国人を受けいれておいて、一部の人たちにこういうあつかいをするのなら、今ここにいる人たちに真面目に働いてもらったほうがいい。本当は政治で判断すべきところが、たくさんある。

 


 

支援団体からのコメント

インド人自殺関連でもうひとつおおきな問題がおきている。おなじ棟のカメルーン人が、制圧され、暴行をうけた。経過は以下のとおりである。

4月14日、カメルーン人をふくむ4人が、自殺について入管職員に事情を説明するよう要求した。職員は対応せず、職員総勢40人ほどでスペースにいる全員を強制的に部屋にもどそうとした。カメルーン人は帰室を拒否し、職員に共通スペースの外に連れていかれた。
ほかの被収容者のみえないところで、彼は床にうつ伏せにおしたおされ、両腕を後ろに捻じ曲げられ、後ろから後頭部に膝をおしつけられ、身動きとれない状態に組みふせられ、手錠をはめられた。そのまま彼は懲罰房に今年(2018年)4月17日まで押し込められた。

彼のように、入管職員の制圧行為によって、ケガをおった被収容者がほかに何人かいる。なお、2018年5月27日付の東京新聞によれば、大阪入管では入管職員から制圧暴行され、裁判所にうったえた」。5月29日の弁護団による記者会見では、その動画がうつしだされた[4]。まさに動画どおりの制圧暴行が、おこなわれていた。

[4] ユーチューブの動画へは「大阪入管、制圧、暴行、骨折」でアクセスできる

 

Q制圧行為は、だれの判断で、どのような形でおこなわれるのか。

  • 清水所長

被収容者が暴行や自損行為におよんだ場合、責任者の指示により現場を指揮して必要最小限の有形力を行使するのが原則である。
制圧に用いる術技、制圧の仕方については専用の逮捕術があり、その研修をおこなっている。制圧するときは、相手にケガをさせない、自分もケガをしない方法を日々まなんでいる。現在も処遇担当、執行担当の職員には定期的に研修をおこなっている。

Q それによって、ケガをした場合、治療はどうなるのか。それとも放置されるのか。

  • 清水所長

有形力の行使は必要最小限度であっても、ケガはありうる。過去にもあった。その場合はすぐに医師の診察を受けさせて、治療をおこなっている。放置はしない。

Q 制圧行為は、相手にケガさせる暴力ともなりえる。場合によっては死をもたらすこともある[5]。入管職員は、その点を自覚しているのか。

[5]『週間金曜日』(2018年6月29日1190号)には、警官による制圧死の事件が報告され、「12年間に12件」としるされている(33ページ)。入管関連でいえば、2010年成田空港で強制送還時に制圧死亡事件がおきた。その強制送還時の制圧死亡事件をしらべていく過程で、わたし(山村)は法医学者からかくされた制圧事件がいくつかあるのを聞きとった。複数人数による制圧は、きわめて危険な行為である。

  • 清水所長

当然、職員は相手にケガをさせる可能性を自覚したうえでやっている。初任科研修で45時間、中等科でも9時間の研修があるが、そこでもやっている。所属看守も、定期的に訓練をおこなっている。適正な使用で、相手の行動を抑制しつつ、ケガをさせないように訓練している。

Q 制圧の訓練のみならず、拳銃応用の射撃訓練もしている。射撃訓練をおこなうのは、なぜか。実際に収容所内あるいは研修施設内で射撃しているのか。

  • 清水所長

射撃訓練について。入管難民法61条の4で武器の携行、使用がさだめられている。武器である拳銃については、取扱を適正かつ的確な使用で訓練を実施している。収容施設内には射撃訓練場はないので、施設内ではしていない。射撃訓練は、他の場所を借りてやっている。

  • 山村

たしかに、入管難民法61条の4で武器の携行と使用がみとめられている。具体的にどういう場面を想定して、拳銃の使用をかんがえたのか。暴行制圧のときには拳銃を使うのか?

  • 清水所長

普段の業務には使用していない。業務上は携行しない。拳銃は訓練のときだけつかう。

  • 山村

どんなときに、つかうことを想定しているのか?

  • 清水所長

今までない。わたしの職務上の経験では拳銃をつかったことはない。

  • 入管職員

何十年も職務上拳銃を携行したことはない。今は訓練のため、年に1、2回使用しているだけだ。ただし、この先、仕事の中で武器を使用しないといけないような場面がでてくれば、拳銃の使用もあるかもしれない。しかし、今すぐにそういうことはないとおもうので、訓練をつづけているだけ。

東日本入国管理センターの業務概況書から抜粋

  • 山村

今までないのは、皆さんの業務がきちんとなされているということなのかしら?

  • 入管職員

現状のまま、わたしどもの仕事がつづけられれば、とりたてて拳銃をつかうことは、かんがえていない。

  • 山村

それなら、射撃訓練は必要ないのでは?

  • 入管職員

ただ、今そういう場面になったとき、すぐに対応できるのかという問題があるので、最低限度の訓練をおこなっている。

  • 山村

「そういう場面」とは、どういう場面なのか?

  • 入管職員

相手がそういう、わたしどもがつかわなければ危険な状況。ただ、具体的におこりえることを想定していない。

  • 山村

ある程度想定しながら射撃訓練をやっているが、この10年間はおきていない。それならば、やる必要はないではないか。

  • 山本太郎

外部から仲間を取りかえしにきた、というケースはかんがえられるか? あるいは、収容所が占拠されてしまってとか。

  • 入管職員

仮にそのようなことになったとしても、すぐに拳銃をつかわなければならない、とはかんがえていない。もっと、どうしても拳銃をつかわなければならないと、わたしどもの仕事ができないとか、周囲が危険にさらされるような場面がおこることになれば、ということなので、被収容者を奪還したときなどをかんがえているわけではない。

  • 山村

入管職員が身の危険をかんじたときにあるかもしれない、と。入管難民法61条の4をよむと、そのように解釈できる。

  • 入管職員

そういうことになれば、そういう場面がでてくるかもしれない。


 

 

支援団体からのコメント

8A棟と9A棟の被収容者によれば、今年(2018年)6月中旬に共同シャワー室にビデオカメラ2台が設置されたそうである。また、7月初旬にはすべてのシャワー室の電灯とシャワーの取っ手がとりはずれたそうだ。
理由は、よくわからないとのことであった。その結果、あたらしくつけられた部分が飛び出ており、危険になっている、と被収容者が指摘している。

Q どのような理由で、シャワー室にビデオカメラが設置されたのか。

  • 清水所長

ここ最近、最近シャワー室内を破壊する行為が頻発した。被収容者にたいして、「やったのであれば申し出なさい」「不法行為をやめなさい」と説得した。器物損壊はあきらかな違法行為なので、これらの行為を防止するため、期間限定で、当該行為がおこなわれたブロックで、シャワー室前通路を撮影できるように、ビデオカメラを設置した。設置後、器物損壊はおこらなかったため、ビデオカメラは取りはずした。

Q どのような理由で、シャワー室の電灯と取っ手がはずされたのか。

  • 清水所長

シャワー室の改修をおこなったのは、シャワー室で自殺があり、事故防止のために実施した。電灯があると、そこに紐をかけて自殺しやすくなる。室外にある電灯で十分な照度を確保できるとかんがえ、シャワー室の電灯を取りはずした。取っ手もおなじ理由で取りはずした。

Q 被収容者に説明しないのは、なぜか。

  • 清水所長

改修工事の内容については、被収容者全員に説明している。

 

Q 指摘された危険個所にかんして、今後どのような対応をするのか。

  • 清水所長

指摘された危険箇所については、フックは普通に使うのであれば取れないようになっている。再度の安全確認はやる。

  • 山村

被収容者から、服をぬいで裸のままでいるところをビデオカメラで撮影されるのは非常に恥ずかしい、という訴えがあった。「撮影はやめてほしい」というのが、被収容者の声だ。物品をこわされたのでビデオカメラを設置したとのことだが、もしこれが女性であれば、おなじことをするのか?

  • 清水所長

映像をみるのが、女性だけであればやる。我々は男性だからやらないだけ。しかし、女性だけならやる。

  • 山村

本人たちからすれば、たいへん恥ずかしい。

  • 清水所長

「こわした人は申し出てください」といっても、でてこないし、「物をこわしてはいけない」といっても、口で注意しただけでは効果がない。我々は抑止効果と「きちんとみていますよ」とアピールするために、カメラを設置した。またこわされたとき、誰がやったのかわからないとなると、こわされるばかりになり、シャワー室もつかえなくなってしまう。被収容者のシャワー室の使用が制限される。ビデオカメラをおくことによって、抑止もできたし、我々はみていることもアピールできた。裸を撮影されることは我慢してもらいたい。
「シャワー室を壊されたからつかわせない」という処置をとるほうが、自由の制限になる。これは受忍限度の範囲だと考えている。映像を外部にだすわけではないし、そんなことはかんがえていない。裸を撮ることが目的ではない。誰が出入りしたかを確認するだけ。器物破損の事故があったから、皆さんに気をつけていただきたい、とおもっているだけ。

  • 山村

こわした理由は、さまざまなストレスが溜まっているからでは?収容が長期化し、ストレスが、かなりたまっている。

  • 清水所長

それはあるとおもうが、こわしていい理由にはならない。我々もなるべくストレスがないように、心情把握につとめている。

  • 山村

自殺予防のために改修したとのことだが、自殺はどんな手段をつかってもできる。シャンプーをのんだり、手首を切ったりしてもできる。取っ手をはずすことで、自殺予防にどこまで効果があるのか、疑問である。
それから、改修工事について被収容者に説明したとのことだが、どんなふうに説明したのか? 日本語だけで説明したのか? あるいは英語、中国語、ベトナム語、スリランカでもシンハラ語とタミール語があるので、それぞれの言語をつかって、文書で説明したのか?

  • 入管職員(警備官)

文書ではなく、部屋ごとに担当者が出向いて口頭で説明した。お知らせを掲示したわけではない。

  • 山村

口頭の説明だけでは、わからない。先ほどの常備薬とおなじように、文書にして、各言語できちんと説明したほうがよい。アパートの改修工事でも1か月前ぐらいから住人には手紙の連絡がある。おなじように、事前に紙で説明し納得してもらってから、すすめなければならないだろう。
それから、半開きのドアがカーテンにかわったので、水が外にでてしまい、すべって危ないという訴えもあった。すべってころんで、ケガをすれば、また医療費がかかる。その対応をかんがえてほしい。あらかじめ、水が飛びちってしまうのをどうしたら防げるかなどをかんがえたうえで、シャワー室を改修したほうがよかった。

  • 清水所長

その対応はかんがえている。


 

支援団体からのコメント

全国の収容施設では、未成年者・労災患者・妊婦などの収容は、あいかわらずつづいている(表1)。

表1 収容に適さない被収容者数 (その年のある日の時点)
                                   単位:人

 

06

07

08

09

10

11

12

13

14

15

未成年者

11

8

11

10

12

5

4

8

11

労災手続き中

21

7

8

黒塗り

黒塗り

2

0

2

0

0

妊娠中の被収容者

6

3

5

黒塗り

黒塗り

1

2

1

2

0

移住労働者と連帯する全国ネットワークによる省庁交渉からの法務省データをもとに作成
注:黒塗りは、法務省からのデータが黒塗りでした。

Q 東日本入国管理センターにおいて、未成年者・労災患者・妊婦などの収容はあるのか。あるとすれば、2018年のある日の時点でかまわないので、それぞれの具体的な人数をおしえてほしい。

  • 清水所長

本年度の労災患者と妊婦はゼロである。未成年者については、H29年度は4人(18歳3人、19歳1人)、今年度は1人(19歳、インド人)が収容中である。

Q 過去の例をふくめて、妊婦の収容があれば、妊婦検診はどうしていたのか。労災患者の収容があれば、労災手続きはどうしているのか。

  • 清水所長

H29年3月29日以後は女性の被収容者は収容していない。過去、生理不順当で妊娠が疑われた場合、妊娠検査薬を用いて検査したり、産婦人科で検査を受けさせたりした。労災患者については、被収容者自身の手続きが必要なとき、可能な限り対応した。

Q 前回の話し合いで、外国人収容所を改善する会がつぎの要望をしめした。

      1)労災患者が収容された場合、法的アクセスが可能となるようにすすめていただきたい。
      2)未成年者が収容された場合、はやめに仮放免につなげていただきたい。


その後の進展はどうなっているのか。

 

  • 清水所長

被収容者の手紙の受発信は担保されている。労災患者は労働基準監督署や弁護士へアクセスすることが可能になっている。手続きについては、可能な限り対応する。

    1. 未成年者については、退去強制令書が発布された経緯、諸般の事情を考慮して総合的に判断して、仮放免の許否を判断する。収容期間も最小限になるようにつとめている。

 

支援団体からのコメント

今回のインド人の自殺は、仮放免が不許可となり、それを苦に自殺したことが推定される。仮放免が早めにできなければ、せめて収容環境をよくする方向にもっていくことはかんがえていないのか。

Q 運動・娯楽・語学・レクリューション・宗教行為などの知的活動をすすめる方向で検討してみてはどうだろうか。ミサや日本語教授、娯楽などにかんして、支援者は意欲的・積極的である。それは、支援者と被収容者との交流のみならず、支援者、被収容者、そして入管職員との良好な関係も形成される。

  • 清水所長

被収容者には、外での運動の機会を与えている。娯楽のための対応もしている。宗教上の礼拝についても保安上支障のない範囲で認めている。集団礼拝も可能で、申し出があるのはキリスト教系団体である。

  • 渡辺牧師

礼拝について。最初の頃は、ブロックのAとBで一緒にできていたのだが、最近できなくなったので残念だ。普段は最大5人と制限されている。もし可能なら、大勢で礼拝する機会をあたえてほしい。
それから、被収容者のブロックがちがうと、一緒に礼拝できない。わたしが来るときに、別のブロックの人でも一緒になる機会をあたえてほしい。

  • 入管職員(警備官)

なるべく努力はしてみるが、現状では、職員数はかぎられており、その中で被収容者を連れだしている。

  • 清水所長

被収容者を連れだすときには、必ず職員がついていかなければならない。おなじブロックからなら、まとめて連れだせばいいが、あちこち別のブロックだと職員の数が必要になる。職員をとられてしまうと、医療や面会に支障がでる。

  • 渡辺

以前は、比較的近いAとBの人たちがあつまっていた。

  • 入管職員(警備官)

それは検討の余地があるかもしれないが、今のところあちこちの人たちを連れだすのは、むつかしいと理解してほしい。

  • 渡辺

ちがうブロックは無理だとしても、おなじブロックであれば、お願いしたい。

  • 入管職員(警備官)

できる、できないは、別として検討する。かぎられた人数でやりくりしているので、スムーズにやれるようにするには、どうしてもできないことがある。

  • 渡辺

現在、わたしがこちらに来て面会の要望を出して、礼拝をしているが、被収容者の希望を聞いてわたしを呼ぶような形はできないか? それから、今は事前に手紙でやり取りして、日程をきめているが、緊急事態でこちらから来る顔ぶれが変わるときもある。そういうとき、うまく対応していただけるとありがたい。

  • 入管職員(警備官)

それはまた話し合う。こちらも、できることはやろうと努力している。

 

  • 山村
    夜のエアコンが切られてしまうので、あつくて眠れないという訴えがあった。横浜や品川入管は、夜もエアコンはついている。牛久は夜エアコンを切られてしまう。猛暑の折、エアコンが効かなければ、熱中症の危険性がある。経費はかかるかもしれないが、夜中もエアコンをつけてほしい。
  • 渡辺

「あつくて眠れず、睡眠薬をもらう」という被収容者の声をきいた。

  • 筒井(入管職員)

冷房については、原則7月1日~9月30日まで、7時~22時まで入れている。今年は猛暑なので、8時~24時まで。1時間ずらしたが、通常なら23時で切るところ、1時間延長している。
冬の暖房については、12月1日~3月31日まで、7時~22時まで。冷え込みが強い極寒期は時間をずらして、6時~24時となっている。
室温は機械室で集中管理している。温度の設定や時間延長等、弾力的に運用している。

  • 山本太郎

きめられた時間以外、室温があがれば、エアコンは自然につくのか?

  • 筒井

自然につくことはないが、「前の日は、あつかった」と被収容者や警備官から連絡があれば、1時間延長したりしている。

  • 山本太郎

今日部屋をみせてもらったが、せまいと感じた。自然の風がはいらない密閉された部屋なので、エアコンが切れたらしんどいだろう、とおもった。

  • 清水所長

全館24時間エアコンをつけることはできないが、猛暑日がおおいので、24時まで延長している。費用がかかったとしても延長している。エアコンがうごいている時間は、室温24度に設定している。夜勤の職員もいるので、あまりにもあつければ対応する。

  • 山本太郎

参議院議員会館も時間がくると、エアコンを切られてしまう。のこっている議員のためにエアコンをいれるのは嫌がられる。ただ、部屋にいると、あつさでモウロウとしてくるので、なんとかお願いしていれてもらっている。

  • 山村

筒井さん(入管職員)、ねるときにエアコンをいれるのか?

  • 筒井

いれない。

  • 山本太郎

入管の部屋は、窓があけられる環境ではない。

  • 筒井

窓はあかないが、居室の周りには廊下があって、そこで扇風機をかけている。

  • 山村

熱風になるのでは? とにかく被収容者の訴えがあるので対応してほしい。

 

  • 山村

温水シャワーは午後からで、午前中は水しかでず困っている、という訴えがあった。

  • 入管職員

夏場の午前中は水だけ、冬場になれば午前中も温水にしている。

  • 山本太郎

シャワーは、何人の収容者にたいして何台あるのか? つかえる時間帯は?

  • 入管職員

シャワーは全体で94台。新築した建物と以前からある建物とでは、被収容者にたいする台数がちがう。以前からある建物ではシャワー室は5室。新築した建物では、8~10室である。

時間帯は午前中が2時間20分、午後は3時間30分。合計5時間50分。この時間帯に自由につかえる。

  • 山本太郎

自由につかえる時間帯の半分、午前中が水しかでなければ、午後に集中する。はいれない人もでてくる可能性がある。午前中もお湯がでないと、まずいとおもう。

  • 入管職員

現在シャワー5台にたいして被収容者25人、1台につき5人が使用している。1人30分あれば、大丈夫だ。

  • 山本太郎

午後の集中する時間帯に1人30分もはいっていられるだろうか? 午前中お湯をだすと、まずいことがあるのか? 経費の問題か? いくらかかっているのか?

  • 清水所長

お金さえあればやる。

  • 山本太郎

ここは刑務所ではない。被収容者は犯罪者で、まだ反省している途中というのであれば、百歩ゆずって理解できる。しかし、そうではない。
最低限、人間らしい生活を担保すべきだ。先ほどのエアコンの話と合わせて、かんがえてもらえないか。
ビデオカメラの話は、被収容者が亡くなったり、物が壊されたりしたことがあったので、撮影されるほうは嫌だけど、百歩ゆずって「防犯上」ということで、そちらに寄れるとおもう。しかし、シャワーとエアコンについては、かんがえてもらえないか。

  • 清水所長

検討する。クーラーは対応する。シャワーはちょっと…。

 

  • 山村

2016年法務省入国管理局からの通知を入手した。清水さん(清水所長)が入国管理局の警備課長をやっているときの通知である。

法務省入管局から各入管への通知内容

外部診療では、1点10円の点数で計算してくれる医療機関を受診してほしい、との内容である。
そこで、わたしは近隣の医療機関をしらべた。牛久愛和総合病院、つくばセントラル病院、東京医科大学茨城医療センターが、1点10円だった。そうであれば、なるべく外部の医療機関を受診させてほしい。

  • 清水所長

外部の医療機関を利用するときは、そうする。必要があれば1点20円でも利用する。

 


 

支援団体からのコメント

外国人収容所を改善する会は、定期的に総務課の方々と話し合いをもっている。その際の名刺交換するとき、みずからの名刺をわたしたちにわたすのをこばんだ総務課の職員がいた。N氏(2015年当時総務課)とA氏(2018年現在総務課)の2人である。とくにN氏の態度は、自分の証明カードをみせながら、わたしたちに彼自身の名前をかかせるようにさせた。これは、一般の社会通念からはずれた非常識行為である。

Q入管職員の研修があるときいている。センター長はこのような常識はずれの態度を、研修の一部にとりいれているのか。

  • 山村

名刺交換のとき、あまりよい印象をうけなかったので、要望させてもらった。

  • 清水所長

受けとめておく。

  • 山本太郎

予算がしぼられ、人手も不足していているなか、皆さんから貴重なお話をうかがうことができた。ありがとうございました。
皆さんはすごく重要なお仕事をされている。今ここに収容されている人たちが国に帰ったときに、日本に対する印象をどのように話すのか。世界の評判につながる、とおもう。政治的にはっきりしない(表向きは移民を受け入れない中、別の形で受け入れている)ため、ますます皆さんにご迷惑をかけることを承知している。
いろいろ勉強させてもらった。先ほどのエアコンとシャワーを柔軟に対応されるとのことだが、ぜひお願いしたい。[6]

[6] 被収容者によれば、2018年7月26日から夜間にエアコンがつき、午前中も温水シャワーとなった、という。

東日本入国管理センターでの対話風景
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支援団体のメンバー(左)      東日本入国管理センターの管理職員(右)




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